一週間日記 1/14〜2/3『鉄拳8』とか『家を失う人々 最貧困地区で生活した社会学者、1年余の記録』とか
ゲーム、映画、読書などの記録。
チョリーッス!3週間ぶりにお届けする一週間日記です。
つまり、不定期刊の週刊誌的な?動機なき怨恨的な?遺体なき殺人事件的な?そんな感じで若干のミステリーもにおわせつつ、いつもどおりの調子でお届けしようと思っております。
それはそうと、バカで愚かな読者の皆さまは、今年の目標なんて決めちゃったりなんかしたりしましたか?僕は基本的にそういった改まったことってのは苦手なものですから、「今年の目標はコストコのピザを食べることでーす、ぷほほーーん」なんて感じでお茶をにごしがちなのですが、もういい年ですし、うるう年ですし、今年はバシッと目標を決めたわけですナ!
ずばり、今年の目標は距離を置くことです。
なんつうかほら、ここ最近、イヤな感じじゃないですか。朝青龍が怪我で休場したのにモンゴルでサッカーしてたりとか、貴乃花が変な整体師に洗脳されたりとか……すいません、脳みそにタイムふろしきがかかってしまっていたようです。
まあつまらない冗談はともかく、どうにもイヤな感じじゃないですか、世の中。べつに僕自身が何かの当事者であったりとか、そういうわけじゃないんですけど、「憂鬱ではない」と言ったら嘘になるような、そんな気分に日々支配されてしまっているわけなんですよ。
バカで愚かな読者の皆さまも、なんかそういう感じありません?
いやまあ実際のところ、世の中が憂鬱なのは今に始まったことじゃなくて、サッチーミッチー騒動以降はもう憂鬱になるようなことしかないような状態ではあるんですけど、ここ最近は底が抜けたというか……さまざまな不幸な出来事が起きたことによって、人間の愚かさの底が抜けたように僕なんかは考えてしまうようになったんですナ。
だから、ここ最近は努めていろいろなものから距離を置いて、いま自分の目の前にある現実を見るようにしているのです。人の形に見える壁のシミとか、タンスの隙間からこっちを見つめる女とか……そーいう生活をしているとですね、そりゃ日記なんて書きませんわナ!ガハハハハハ!
というわけで、以下、メモ書き感覚でいきまーしゅ(三四郎、小宮の喋り方で)
■遊んだゲーム
『Milky Way Prince – The Vampire Star』
翻訳がアップデートされたタイミングで購入したきり積んでいたが、なんとなくプレイして、ひととおり遊び終わった。ビジュアルや演出のセンスがすさまざじくいいのだが、正直に告白するとストーリーはよくわからなかった。
いろいろな記事を読むと開発者の自伝的要素もあるとのことだが、恋愛/人間関係の展開が早すぎて、こんなこと言うと真面目に遊んだ人に怒られそうだが「なんか、読み切り20ページのエロ漫画みたい…」と思ってしまった。
ただ、いま振り返ってみると、本作は初期の須田剛一作品を彷彿とさせるビジュアルとわからなさのような魅力がある気もしていて、「意外と己(おれ)はこのゲームを楽しんだではないか?」という気分になっています
『Mediterranea Inferno』
『Milky Way Prince』のクリエイターの2作目。こちらも買ったきり積んでいたので、続けて遊んでみた。正直よくわからなかった前作に比べて、こちらはだいぶわかりやすい話で、ゲームのデキとしてもビジュアル、サウンド、システムなどすべての面が大幅にパワーアップしている。「このゲームすごくおもしろいけど、たぶんイタリアの歴史と文化がわかったらもっと面白いはず!」となって図書館で『一冊でわかるイタリア史』を借りてきてしまうくらいには夢中になった。
個人的にグッときたのは、コロナ禍を大きなテーマとして扱っていること。間違いなく人類史に残るであろう悲劇だったにも関わらず、あまりにも忘れされるのが早くないだろうか、あるいは表現分野において総括がなされていないのではないか……なんてことをガラにもなく思っていたりするのですが、本作はそこに真正面からぶつかり、猥褻で陰惨で夢見心地な物語として描ききった。そのうえで、未来に対する、若者たちのいい意味での無責任さ(んなこと言われても知るかよ!マインドというか)も提示しているところも素晴らしい。
機会があれば、どこかでちゃんと紹介したいと思っている次第です。
『鉄拳8』
んほーーー!ついに出たどーーー!めちゃくちゃ楽しいーーーーー!いま段位は邪拳です。もうコレ以上、上に行ける気がしませんが引き続き頑張っていきます。
■観た映画とか
『ウッドランド』
U-NEXTで鑑賞。
まったく知らないホラーっぽい映画を観たい気分だったので、新作ラインナップにあった本作をチョイス。ウッドランドと呼ばれる地域(実在するかどうかは知らないです)にあるリゾートホテルの管理人アシスタントをすることになった陰鬱なカメラマンの男。仕事の合間に撮影した写真を現像すると、そこには近い未来に起きる出来事が写っていた……なんて感じの話で、ギリ、寝ずに観終わりました。
『唐獅子警察』
U-NEXTで鑑賞。
マイトガイこと小林旭からしか得られない栄養というものがあるのです。にしたって、本作の小林旭はあまりにも素晴らしい。
世界的映画スターのレオナルド熊……じゃなくてディカプリオは、若いころは非の打ち所のないイケメンで、年を食ってからは貫禄のある風貌の演技派としても評価を得ているわけですが、『唐獅子警察』を始めとした小林旭出演のヤクザ映画を見れば、ディカプリオのやっていることははるか昔に小林旭が通った道であることがわかるはず。
恰幅のいいボディにぶっといスーツをビシっと着る。そんな人間になりたいものです!(と言いながら、パジャマのシャツをズボンにインする)
『暴力金脈』
杉作J太郎先生は松方弘樹のことを「元気がいい人」と、あまりに的確に表現しましたが、本作もそんな「元気がいい人」ぶりを堪能できる作品となっています。昭和の総会屋がテーマなので、正直企業との関係性が「???」だったりはしますが、逆に言えば昭和の総会屋について勉強するきっかけでもありますから、そこはどうぞひとつ、よろしくお願いいたします。
■読んだ本
『ロシア史 下』
『一冊でわかるロシア史』
『一冊でわかるイタリア史』
……そうです、お気づきのとおり、山川出版の硬派な内容に頭が追いつかず、途中から初心者向けのシリーズに切り替えたのです。なんか文句ありますか!同情するなら金をくれ!
家を失う人々 最貧困地区で生活した社会学者、1年余の記録
これはちょっと、すさまじい本でした。
"強制退去"という制度によって家を失った人々がいかに多く、それによっていかにして貧困よりもさらにひどい最貧貧困の状態に陥ってしまうかを、アメリカのウィスコンシン州・ミルウォーキーにある貧困地区に1年間住んでまとめたエスノグラフィー。
貧困層が住むスラムにある住宅は「汚なくて安いボロ住宅」と思っていないだろうか?僕はそう思っていた。しかし現実は、スラムの住宅は「汚くて高いボロ住宅」なのだ。
一見すると平等に思われれる家賃調整の制度によって、とても人が住むような場所ではない物件も、中産階級が住むキレイなアパートと同等、あるいはそれ以上の家賃設定が行われているのだ。であれば、スラムになんか住まなければいいのに、と思うかもしれもないが、根強い人種差別や偏見が壁となり、貧乏人は貧乏人が集まる場所にしか住めない構造になっている。
そしてそんな状況に追い打ちをかけるのが強制退去の制度だ。貧困層はじつに些細なこと(救急車を呼んだ、子どもが窓から物を落としたなど)で強制退去によって住むところを奪われ、さらに"強制退去させられた"という履歴によって今後住める場所まで限定されてしまう。本書にはさまざまな"家を失う人"が登場するが、日々の暮らしのほとんどが家賃の支払いと、新しい物件探しという耐え難い苦難によって蝕まれている。
同時に本書では、貧困層がいかに"金になる存在”であるか、という不愉快な現実も描く。たとえばある家主は、自分の持つ物件で火災が発生して、そこに住んでいた生後8ヶ月の子どもが焼死するという悲劇を前にして、悲しむどころか、「火災保険で新しい物件が建てられる」と銭勘定をする。ある家主は住宅のメンテナンス費を節約するために、街にあふれるジャンキーたちに二束三文の金を渡して作業させる。
読んでいて頭を抱えたくなるような話ばかりだ。
ちなみに一般的なエスノグラフィーは、調査した人の視点で書かれるものだが、本書は小説のように三人称で書かれており、その理由について作者は巻末の”執筆の裏話”の中でつぎのように説明している。
僕の感想文なんてどうでもいいから、少しでも多くの人にこの本を読んでほしいと、僕は思うのです。
■買ったもの
なにも買ってませ〜ん
■おもしろかった記事とか
タンスの隙間からこっちを見ている女から目が離せなかったので、なにも読んでませ〜ん。
■考えたこと
なにも考えてませ〜ん。
おしマイケル。
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