メモ『あなたの苦しみを誰も知らない』
支離滅裂な実家で育つ
このような思いなど知りたくはなかった。
みじめな思いだとか、悲しさ、苦しさ――そんなもの、知らないで大人になれればずっといいのだ。
自分が汚れているなどと思わされ、死ぬことすら叶わなかった。〝それ〟はふつうのことだと思っていた。
母は私を殴るものだし、父との風呂を強制するものだと思っていた。
教科書は破り棄てられるものだし、子ども部屋のドアをドライバーで外されたのも私にとってはふつうのことだった。
記憶が散逸している。
読書感想文で入賞すると母から罵