延岡佑里子(ライター)

なにをどう語ればよいのか言葉に詰まりますが、メモ代わりとしてnoteをつづけていこうと…

延岡佑里子(ライター)

なにをどう語ればよいのか言葉に詰まりますが、メモ代わりとしてnoteをつづけていこうと思います。 言葉にしてつづることによって、自分の脳が整理されていくような感覚があります。 本、音楽が好きです。 連絡先:kashiwagiscience@gmail.com

最近の記事

メモ『あなたの苦しみを誰も知らない』

支離滅裂な実家で育つ このような思いなど知りたくはなかった。 みじめな思いだとか、悲しさ、苦しさ――そんなもの、知らないで大人になれればずっといいのだ。 自分が汚れているなどと思わされ、死ぬことすら叶わなかった。〝それ〟はふつうのことだと思っていた。 母は私を殴るものだし、父との風呂を強制するものだと思っていた。 教科書は破り棄てられるものだし、子ども部屋のドアをドライバーで外されたのも私にとってはふつうのことだった。 記憶が散逸している。 読書感想文で入賞すると母から罵

    • ※注意・ネタバレ有 ブックレビュー『かがみの孤城』

      ※『かがみの孤城』のネタバレを含んだ感想です。たいしてネタバレしてないかもしれませんが、念のため注意書きです。 『かがみの孤城』を土日で読んだ。改めてすごい、素晴らしい本を読了したものだとつくづく思う。読書好きの中には、ベストセラーをあえて読まないようにしている人もいるという話を時折聞くが、売れる本にはそれだけの根拠があるものだとつくづく思う。面白いのだ。 一読しても損はないように思う。私はこれからは積極的にベストセラーも読んでいきたい。 なにから書こう、と本当に悩む。

      • ライターがライターにインタビューしてまとめた記事。#3

        唐突だがライター・さえぐささんへのインタビュー記事第3弾である。めっちゃ時間経ってしまった。SUMAN。 ライターがライターにインタビューしたのだ。さしずめ「パンはパンでも食べられないパンはな~んだ?」と言ったところである(違う)。 さえぐささんはシステムエンジニアから独立され、現在専業ライターとして生計を立てられ、ご家庭も持たれている。得意ジャンルは金融・人事採用・転職・資格取得・ITとのこと。SUGOI。 そんなさえぐささんにインタビューしてみての感想(延岡のお気持

        • ココトモクラブ取材記事 #2

          優しい方が多い その日の「新宿ココトモカフェ」は13時からオープン。私も参加させてもらった。 13時15分ごろからちらほらと利用者が入店し始める。各自ドリンクを注文し、無料でふるまわれたお菓子をつまみながら他愛もない雑談に花を咲かせる。私も元ひきこもりのYさんと“英語学習”についてこんこんと話し込み、ココトモクラブの常連であるというSさんと世界史・日本史談義で盛り上がった。 “発達障害界隈”には「居場所」「自助会」と称されるサークルが全国に多数あり、国内では東京都が最も

        メモ『あなたの苦しみを誰も知らない』

          ココトモクラブ取材記事 #1

          台風一過の新宿歌舞伎町 2024年8月17日(土)、台風一過によって清々しいまでに広がる青空の下、東京都新宿・歌舞伎町界隈を訪れた。 全国的にも有名となった〝トー横〟から2ブロックほど曲がった路地裏。歩道と車道を隔てる白いガードパイプ、そこに軽く腰掛けている華奢な女性たち。服装や髪形はいかにも華々しいが、気のせいかどことなく悲壮感が漂う。 「みんな一心にスマホを眺めているでしょう。彼女らがみんな〝そう〟なんですよ。あそこに警察官もいますよね。自分から男性に声をかけるとす

          ココトモクラブ取材記事 #1

          ひきこもりについて考えたこと

          「泉州Triggerフェス」とは、ひきこもり当事者による音楽イベントである。2024年9月28日(土)に開催される。お世話になっている「凸凹といろ。」のゆー編集長が司会者として参加されるとのことで、記事を書かせていただくことになった。 専門家によるパネルディスカッションの後、ライブ演奏やパフォーマンスが行われる。特色としては、「キャンセル・当日飛び込みOK枠」が設けられていることだろう。 当日キャンセルOKというのは当事者にとってもプレッシャーが少なくなり、助かるのではな

          ひきこもりについて考えたこと

          『母親になって後悔してる』

          『母親になって後悔してる』(オルナ・ドーナト)を読んだ。 刺激的なタイトルだ。一部の人々が思わず感情的になりそうである。 私が本書を手に取ったきっかけは、私を盛んに虐待してきた母(絶縁済)の心情を知りたいと思ったからだ。 母が私を産んで後悔しているのは間違いない。私は子ども時代に「産むんじゃなかった」と二度ほど言われた記憶があるからだ。 時期を置いたものの二度目の発言に至ったのは、さしずめ大事なことなので2回言おうと思ったのだろう笑 母親は未熟な人だったのだ。 本書

          『母親になって後悔してる』

          ライターがライターにインタビューしてまとめた記事。#2

          唐突だがライター・さえぐささん(@TMWeb7)へのインタビュー記事第2弾である。 ライターがライターにインタビューしたのだ。さしずめ「パンはパンでも食べられないパンはな~んだ?」と言ったところである(違う)。 さえぐささんはシステムエンジニアから独立され、現在専業ライターとして生計を立てられ、ご家庭も持たれている。得意ジャンルは金融・人事採用・転職・資格取得・ITとのこと。SUGOI。 そんなさえぐささん(@TMWeb7)に少々踏み込んで聞いたことを今回はお送りする。

          ライターがライターにインタビューしてまとめた記事。#2

          ユヴァル・ノア・ハラリ先生『21 Lessons』読書日記

          本記事では、本書の概要をまとめ呈示することはしていない。 すでに多くの動画や記事が出ているし、未だ私が充分に理解しきれていない部分があるからだ。 ハラリ先生の著作はどれもが大著である。俯瞰的な眼をもって綴られ、今まで思いもしなかったような世界への観点を提案する。 一番面白かったのは「雇用」の項だ。記憶ベースで概要を書き起こすと、 人々は近い将来AIに仕事を奪われるだろう、同時にAIが新たな雇用を創出するだろう、かといって直接的に仕事を失った人材たちを新たな雇用へと充当す

          ユヴァル・ノア・ハラリ先生『21 Lessons』読書日記

          〝緩急短歌〟という遊びを考えた 2

          引き続き緩急短歌で遊びます。 争いよ止まれ世界よ人間よ生きとし生けるもののすべてよ                  おIMOさんGOGOおIMO!GOおIMO! 失はれし時を求めて吹きすさぶ風の中へと紛れ込み消ゆ                 わからんけどなんでもできる気がするよ 簡単な感情ばかりに占拠されし易き心を誰か買いたまえ                     地球儀を回すと自分が偉くなる                         (出典:じゃ

          〝緩急短歌〟という遊びを考えた 2

          〝緩急短歌〟という遊びを考えた

          〝緩急短歌〟という遊びを考えた。のでやってみた。  思いつめ桜見上げる人の在り世界とはなにか命とは、なにか、  わあすごい我が家の畳はフッワフワ  過ぎ往くは助け来ずして貨物列車私は普通になれはしなかった  公園の花はドリンクバーなんよ  かつて在りし君の心は露と消ゆ遥か眸をただ偲ぶけり  ちょっと待ってコンブ拾うのに忙しいから  言の葉の起源探りて逡巡す歌と叫びにより始まりしか  実家とはお互い着拒でWin・Win(ワイパー)  ビル空と繋がる夜の歩道橋窓

          〝緩急短歌〟という遊びを考えた

          ライターがライターにインタビューしてまとめた記事。#1

          唐突だがライター・さえぐささん(@TMWeb7)にインタビューした。 ライターがライターにインタビューしたのだ。さしずめ「パンはパンでも食べられないパンはな~んだ?」と言ったところである(違う)。 さえぐささんはシステムエンジニアから独立され、現在専業ライターとして生計を立てられ、ご家庭も持たれている。得意ジャンルは金融・人事採用・転職・資格取得・ITとのこと。私にとってほぼ未知の領域である。 執筆ジャンルから察するに、ネットリテラシーの高い人がよむ記事ではないだろうか

          ライターがライターにインタビューしてまとめた記事。#1

          読めない人が「読む」世界

          手持ち無沙汰のあまり、ペットボトルのラベルを注視してしまう。 読まなければ生きてこれなかった。私が過読症(ハイパーレクシア)かどうかは知らない、わからない。 あえて断言すればそのようなことはどうでもいい。 文字が欲しい。あいまいな世界を切り取り形作る文字が、言葉が。読むことによってしか私は世界を覗き込むことができない。 百科事典を貪るように読みつづけた。不登校の合間に『タウンページ』に耽溺した。 くまなく国語辞典を読んだ。実家の廊下に投げ出された父の本、図書館の棚、国

          読めない人が「読む」世界

          パラディ・ヘル・リストランテ

          あと少し、寸でのところで踏みとどまりつんのめった。 ぐ、と呻きながら背中を反らし勢いよくのけぞる。そのまま情けなくしりもちをつく。 後方に着いた掌で地面の雑草をぐしゃ、と掴み、つま先を蹴ってずるずると後ずさる。はるか下方で荒々しい波音が幾度も岩面にぶつかった。 やっぱり真っ暗闇を〝落ちる〟のは、なんだかんだ怖いよなあ……。 全身が脱力するかのような無力感を憶え、俺はゆっくりと仰向けになった。俺の殺伐とした思いなど当然知る由もなく、美しいとしか言いようのない満天の星々が輝く

          パラディ・ヘル・リストランテ

          歌詠みは詠まずにおれない苦しき性言葉はなにかを解決するのか

          かつて在りし君の心は露と消ゆ遥か眸をただ偲ぶけり 失はれし時を求めて吹きすさぶ風の中へと紛れ込み消ゆ 言の葉で世界変えたし踊る心握りしペン先つと紙に触れる #創作大賞2024 #オールカテゴリ部門#短歌

          歌詠みは詠まずにおれない苦しき性言葉はなにかを解決するのか

          桂望実先生作品にめちゃんこはまっています。

          桂望実先生作品にめちゃんこはまっている。直近で読んだのは『息をつめて』である。桂先生の描く主人公にはなにか独特の魅力がある。 桂先生作品の根底に通奏低音のように流れるテーマを挙げるとすれば、〝見方が変わる〟ということではないだろうか。 『ワクチンX』と『エデンの果ての家』も、〝見方が変わる〟ことの「心地よさ」を徹底的に描き出しているような気がする。 〝見方が変わる〟というコペルニクス的転回は意識的には生じない。むしろ意識の上では、この自身の信念にも酷似したもの、自らの一

          桂望実先生作品にめちゃんこはまっています。