圧倒的な“成功体験不足”を解消するために
前回、KIT6を振り返る記事を書きました。
前回の記事では、試合前から試合後までの心持ちを主に書きました。
簡単にまとめると、不甲斐ない負けを経験したことで、一からやり直す気になった、これからまた改めて経験を積んでいきたい。
みたいな内容です。
そして今回はそれも踏まえ、試合中に気づいたことがあったので、一応忘れないよう書き残しておこうと思います。
KIT6、試合中の“ある”違和感
ポジションに固執せず動いていく計画
前回の記事でも書きましたが、この試合での目標は、
“なるべく動きを作った上で、しっかり取ること。”
本戦はサブミッションオンリーだったため、ポジションにこだわる必要はそこまでありません。
また、リスクを取ってでも動きのある試合を作りたいと思っていたので、トップ、ボトムどちらの選択もしていきながらスクランブルを生み出したい、
と思っていました。
頭の中にはあっても、選択ができない
そして、試合当日。
最初はボトムを取るつもりだったので、引き込み、そこから攻めていきます。
相手はもちろんそれを捌いてきます。
そして最初に担ぎパスの姿勢をとってきましたが、これは来るだろうなと思っていたのでなんとか回避できました。
そこからは担ぎに固執せず、距離をとってくる相手。
それをシッティングガードの体勢で追う僕。
ここです。
ここで違和感を感じました。
「なぜ俺は立たない?」
頭の片隅にそんな思考がフッと浮き出てきました。
柔術界の巨匠Nobushi大先生からの有難いご助言。
まさに助言通りの選択をする必要がありました。
もちろん立ちの攻防では相手に利がある。
しかし、悪い展開になってもエスケープにはそこそこ自信があるし、なによりリスクは取っていきたかったはず。
ただ、体は動かない。
頭の中にある選択肢も、体が選択肢として認識していない。
それに気がついたのです。
練習していても、試合で出せない理由
試合後、なぜあのとき体が動かなかったか、改めて考えました。
実は前々から同じような違和感を試合でたまに頂いていたので、良い機会です。
そして結論、試合でずっと選択してこなかったからだと気づきました。
これは簡単に言うと、“スタイルの偏重”がその原因です。
僕は白帯の頃からガードを練習する比重が多かったため、最初の試合から今に至るまで基本的に最初の選択は“引き込み”でした。
(だからこそ延長戦のダブルガードミスは普通ありえない凡ミス…。)
つまり、柔術を始めてから基本的にボトムで戦ってきたことになります。
なので、試合になると結局得意な意識が強いボトムポジションに体がこだわってしまうわけです。
練習だけでは補えない程大きな“ツケ”
いやしかし、今まで試合で出していなくても練習していれば出せるのでは?
その考えは確かにあって、実際僕もそう思っていたので「練習は」していました。
紫帯になってしばらく経ったある時、このまま偏重したスタイルのまま帯が上がっても、後から苦しくなってくる。
そう思いトップの練習を始め、なんなら今でもまず練習で選択するのはトップポジションです。
しかし、今回の試合ではその選択ができませんでした。
なぜなら練習はしていても、試合ではその選択をした経験がなかったから。
つまり、練習に費やす時間はもちろんのこと、試合での過去の成功体験が必要となってくると言えます。
練習していれば出せる(=選択できる)はず。
そう思っていた僕にとっては、大きな気づきでした。
これから僕がすべきこと
ブラジリアン柔術はお互いのポジションが別れている競技で、かつテクニックが無数にあります。
そのため技術に偏りが出るのはある程度は仕方のないことかもしれません。
しかし、その偏りがあまりに大きい場合、試合をする上で障害になりえます。
選択したくても選択ができない。
それが今の僕の状態です。
なので、今まで得意なスタイル一つにこだわり、偏重したスタイルを作り上げてしまったこのツケは、そろそろ払わなければなりません。
つまり、
“例え自信がなくとも、意図的にそのポジションを選択していくこと。”
これが必要になります。
もちろん得意ではないポジションを進んで選択するとなれば、負ける確率もはね上がるでしょう。
ただ、今はそれでいいと思っています。
得意なスタイルでいつも通りの展開で勝つ試合より、不得意な展開を選んで経験をデータを得て負ける試合の方が、今は大事です。
色帯である今だからこそ、その選択がまだできます。
負けて失う物は何もありません。
なので今後はいくら負けを重ねようとも、勝敗に固執せず経験を重ね、その展開で戦えるようになったという自信と、成功体験が得られるまで、
そのスタンスで試合に臨もうと思います。
まずは、中部柔術選手権。
がんばります。
では。
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