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新年に寄せて 日々を彩りたい ~こころをつなぐもの~

今年を彩りの多い年にしたいな、と思いました。ちょっと説明させてください。
 
突然ですが、余命があと3日と言われたら、あなたは何をしたいですか?質問ネタの定番ですね。
 
有り金を3日間でとにかく使いまくる?お金はあの世に持って行けません。
ドンチャン騒ぎのうえに、今まで欲しかったものは全部買ってしまいます。
何ならクレジットカードと消費者金融も全部限度額まで使ってしまって。
憧れだったブランド店に行って「この棚のここからここまでください。」

さてどうでしょう?欲しかったブランド時計、あるいはバッグ?に囲まれながら最後の日の今わの際。
走馬灯が走り出すその瞬間に、「いやいや、ちょっと待って神様!もう一回3日間を一度巻き戻して頂けませんでしょうか?これ何か違う。タンマ。タンマ。無理?そんなあー・・・」ってなりそうです。
 
それではずっと嫌いだった上司でも殴りに行きましょうか。ヤーヤーヤー。3日間捕まらなければ良いだけだし、仮に捕まっても被疑者死亡ということで起訴すらされません。
あの世に旅立つ床に就き、人生を振り返る。イヤな上司を思いっきり殴って、本当に充実した生涯だったな・・・、
ってならなさそうですね。
 
3日間があったら、その間に会えるだけの大切な人に会い、あなたのおかげでどんなに人生が豊かになったか、ありがとうと伝える。人だけじゃなくても良いですよね。一番素敵な思い出の宝箱が詰まったような場所に足を運び、名残惜しむ。一番大切なことから順番に時間を詰め込んで、感謝の気持ちをかみしめる。そして最期はやっぱり一番愛した人たちに囲まれ、お互いにありがとう、と心温かく包まれながら安らかに。これがやはり一番正解のような気がしますね。
 
さて、余命があと3ヶ月だったらどうなるでしょうか。もうちょっとまとまったことが出来そうです。愛する人と旅行に行って幸せな思い出を増やす。そんなこともする時間がありますね。会社なんかは即刻辞めてしまって、3ヶ月の一番大事な過ごし方を考えましょう。
 
余命があと3年だったら。もうちょっと段々現実的になりそうです。
職場をすぐ辞めるのは得策ではない。まあしばらく通常の生活を続けながらいつ頃のタイミングで色々な準備に取り掛かろうか。これはこれで考えてしまいます。
 
さて、少しずつ余命を延長すると、「じゃあどこに境目があるの?」って疑問が。私はもうそろそろ五十になろうかという歳なので、「残念ながら、あなたの余命はあと30年です。」と言われると「まあそんなものかな。」としか思わなさそうです。
 
そうすると結局、余命があと30年であろうが、100年であろうが、「余命があと3日間であるかの如く100年を生きる」というのが正解のようです。

さて、私があと余命30年だとして。これは長いのか、短いのか。例えばですけど、こんな想像をしてみます。
 
模造紙を切り取ってタテヨコ1メートルの正方形の紙を作り、1cm間隔にタテヨコ線を入れます。そうすると1cm角、1平米の方眼紙が出来ますね。自分の部屋の壁に簡単に貼り付けられそうなサイズです。

ここにあるマス目は一万個。ちょうど30年ほどの日数になります。これに、毎日のチェック、レ点を入れ続ければその期限は迎えてしまうのです。壁に貼ったポスター程度のサイズにチェックを入れるくらいのボリューム感。
 
レ点を入れるのではつまらないので、その日の色を塗りつぶしていくことにしましょうか。心温まる出来事があった日は温かいオレンジ色。情熱的に過ごした日は赤色で、ちょっと尊い気分を味わった日は紫色。ちょっとがっくり来た日は青色で、とにかくやる気が出なかった日は灰色。悪い衝動に駆られた後悔の日は黒色。
 
30年後のこの世を去るその日に、壁に貼ったポスターをちょっと眺めてみます。全体がどんよりした青灰色や深緑、灰白色が濁って混ざった戦闘服の迷彩色のようなポスター。これはどんな声を自分に掛けながらこの世を去って行けばよいのでしょうか。

悲しいこともあれば、人間だからやる気の出ない日もありますね。だけどその青や赤やオレンジが、全体的に暖かい色調で、虹色のようにきれいに彩るポスター。そんなポスターを見た時に最後、「うーん、色々あったけどきれいだな」、そんな余韻が残りそうな気がします。

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