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お金持ちになる妄想 ~こころをつなぐもの~

億万長者のお金持ちになることって、憧れますよねえ。妄想おしゃべりの定番は今も昔も、「もし宝くじがあたったら何をする?」です。
 
たくさんの部屋がある白亜の大豪邸。広い芝生の庭と大きなプールがあって、ガレージには超高級車がたくさん並んでいる。ビジネスの移動はプライベートジェット、休暇は家族一緒に豪華ヨットでクルージングです。

映画で見るお屋敷の玄関ホール、「両側から降りれるくるくる階段」は実在するのでしょうか?「友達の家で見たよ」という人がいたらぜひ教えて頂けませんでしょうか。何とか頑張って私もその方と友達になりたいと思います。その家で育った子どもたちはじゃんけんしながら「チ、ヨ、コ、レ、イ、ト」とか言って階段を昇って遊んだのでしょうか。てっぺんに昇って「僕の勝ち!」といったら兄が怒り出したりして「バカ!逆側から降りるまでが勝負だよ!」とか言うのでしょうか。妄想は止まりません。家具の脚は全て猫足なのかな。妄想だけで言っているので想像力にも限界があります。
 
さて、成功したyoutuberには、成功で掴んだラグジュアリー・ライフをこれでもかと見せつける人がいますが、Z世代の若い人にはこれで拗らせる人が多いのだ、と若い友人から聞きました。あれが人生の成功だ、と植え付けられたら、もはやそれに向かって努力することが苦痛にしかならないですよね。実現の可能性が殆んど無いのに、今の自分は程遠いということだけを毎日認識させられるわけですから。
 
私のようなオジサン世代はああいうyoutuberをどこか宇宙人のように見ていて、そもそも比較対象として捉える発想すら無かったのでこのことにはビックリしました。よく聞く話ですが、昔からの資産家ほど慎ましく、見かけ地味に暮らしていて、あぶく銭を掴んだ成金に限って豪華な暮らしぶりを見せつけると言いますね。きっと見せつける、妬ませる、人々と自分を引き離すことが目的になっているのでしょう。このような人の意図によって心煩わせるのはとても不毛なことです。
 
それでも「超高級車 納車しました!」とかいう動画はつい見てしまいますし、一回だけでもこんな生活を経験してみたいな、と妄想は止まらず、そんな自分が厭になってしまいます。
 
そこで私は、大富豪になる更にその先の妄想をすることにしました。
今や私は大豪邸に住んで、欲しいものは何でも買えるし、一生好きなことだけをして暮らすだけの蓄えがある。でも、それを代償に失ったものもたくさんあった。

友達付き合いも昔と変わってしまった。身の周りには栄華を求める友人が増え、旧い気のおけない友人は距離を置くようになってしまった。寄ってくる人々はいるが、どれ位の人が親友と呼べるだろう。資産家となってから親戚との関係や家族もおかしくなってしまい、パーティーを開けば人は集まるが、ずっと側にいてくれる人は今の私にはいない。ああ、私の人生はなんでこの様になってしまったのだろうか!
 
思えば昔、私は慎ましくも幸せな暮らしを送っていた。大金持ちではなかったが十分な生活、家族と送る幸せな日々。愛するパートナーと子どもたちとの他愛も無い日々の出来事が愛おしい日々。いつから私はあれを失ってしまったのだろうか。ああ神様!もし時間を巻き戻すことが出来たなら!あの日に返って大事な日々を、時間をもう一度噛み締めたい。
 
そして翌朝、目が覚めると時間が戻り、地味だけど満ち足りていたあの頃の自分に戻っていることに気づくわけです。ああ!私は世界一の幸せ者だ!←今ココ
 
と、ここまで妄想を書いてみて、やっぱりちょっとミジメな感じがしました。

#愛情の循環 #随想 #こころをつなぐ

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