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映画「プリズン・サークル」見ました ~心をつなぐもの~
先日茨城県笠間市へ映画「プリズン・サークル」を見に行ってきました。
空いた時間は幕末の志士を生み出した水戸市の歴史的史跡を巡り、映画の深い内容と相まって、とても考えさせられる充実した週末となりました。
内容は島根県の刑務所で行われている更生プログラムへの密着取材ドキュメンタリーです。
受刑者は円座を組み語り合い、時には二人一組で罪を犯した自分に向き合い、それを言語化するワークに取り組みます。自分への向き合いは時に自身の生い立ちへの回想に及び、犯した罪への後悔に泣き出す受刑者の姿がスクリーンに映し出されます。
登場する受刑者に共通するのは、家庭で十分な愛情を受けることがなく育ったこと。子どものころに受けた心の傷にフタをしたまま他人を傷つけてしまった自分。その自分が、「私も温かい愛情が欲しかったのです」と吐露する瞬間に堰を切ったように涙が溢れ、嗚咽に言葉が詰まります。
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受刑者たちが犯した罪は、何がどうあれ悪いことであって、決して正当化されるものではありません。しかし本人視点に立つと、そこにしか見えない一つ一つのストーリーがあります。
映画を見ながら私が考えたのは、「この人たちと私は、何が違うのだろう。」ということです。私は善い人、この人たちは悪い人。そのように分類するのは簡単なことです。しかしことによると、私はただ運が良かった、それだけのことかも知れない。
近年の犯罪は様々に組織化・高度化し、「特殊詐欺」と呼ばれる犯罪の中には「出し子」、「受け子」という使い捨てのような役割があります。現金授受に直接出向く役、騙し取ったカードから現金を引き出す役のことを言うのですが、近年はインターネットの匿名掲示板のようなところで募集されています。これに加担して逮捕された人は主婦や学生など、一見普通の人が多く、「アルバイト感覚でやってしまった」と供述したりするのですが、それでも詐欺の前科一犯は一生着いて回ります。
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貧乏学生だった当時の私の周りにそんな話があったら、私はもしかして手を染めてしまったのではないだろうか。ゴミ捨て場で食べ物を探して生きていたような当時の状況で、「このカードを持ってATMに行ったら10万円あげる。」と言われてそれを断れた、と言い切る自信がありません。
そう思うと、今の私があるのは、たまたま悪縁に出会わずにいられた運や、陰で私を支えてくださった方々の存在のうえに成り立っているのだろう、と思わざるを得ないのです。
何が正しい、悪い、とは言い切れないのですが、ぜひ見て、感じて頂きたい映画です。
「プリズン・サークル」は一般配給映画のように大手映画館では上映されていません。各地の非営利団体様のご厚意で上映が運営されており、「自主上映会」の日程は下のHPで確認することができます。
https://prison-circle.com/prisonsys/jisyu/
この映画のことは、プロボノとしてお手伝いしているNPO法人STORIAの仲間から教えてもらいました。社会課題に関心を持っている仲間が集っているので、このような情報を教えてもらい、勉強になります。
私がプロボノ(=社会人副業ボランティア)として応援しているNPO法人「STORIA」では、仙台の経済的困難を抱えるご家庭のお子様の居場所運営を行っています。この現場から地域社会をつなぎ、どんな変化が起き始めているか。それをグループワーク交え楽しく理解するワークショップを毎月無料で開催しています。ご興味お有りの方はぜひ下記Peatixページでイベントスケジュールをご確認下さい。
https://storia-sendai.peatix.com/