三巻は日露戦争に至るまでの政治的思惑や軍事構想の話がメインであった。
日露戦争とは、諸外国から見れば窮鼠猫を噛むような戦争と捉えられていたし、自国の日本においてもそうであった。当初から、日本は露国に対して勝利を目指しておらず、優勢な状況に持ち込み、交渉にて戦争を終わらす事を望んでいた。しかし、露国に勝利してしまうあたりが面白い。
大国はつねに自由であり、小国はつねに制限されるという帝国主義の原則の基で大国ロシアが強引な南下政策を実施している現状に対して、小国日本は必死に国力を上げて対抗した。例えば、予算2億円(明治時代の1円は、今の3800円ぐらいに相当)の海軍軍備拡張計画を実施し三笠を竣工させたり、外交を円滑に進めるために日英同盟を締結させた。しかし、露国の日本に対しての態度は依然として変わらず、強気で傲慢であった。これに対して、日本も外交で処理しようとするが、当時の露国が条約を破棄することは通例のようになっていたため、条約を結ぶことなく開戦に至った。
開戦に対して日本の国力は露国に対して圧倒的に不足していた中、日本が勝利を遂げたのは多くの歴史的偉人が寄与している。軍費調達のために渋沢栄一を説得した児玉源太郎。日英同盟の締結に貢献した林董(ただす)。旅順閉塞作戦を決行し、戦死した広瀬武雄。日本海軍を一から築き上げた山本権兵衛。
多くの偉人の国の実利を上げることに奔走した結果、
日本はロシアに勝利することができたと言えるだろう。
個人的に三巻の一番の見どころは海上開戦であると思った。露国の主力艦隊バルチック艦隊とは戦っていないが、閉塞作戦を実施しようとする東郷とマカロフの海上での戦いは読み応えがあった。
良いなって思った文章
歴史について知ったこと
→西郷従道(つぐみち)、西郷隆盛の弟
→・米国の広島の原爆投下
→・ソ連の不可侵条約を破って満州へ大軍を殺到させる
倫理的良心はわずかしかなく、日露感でもそうであった。
艦隊保全主義、士気の低下 陣地推進主義のロシア