幕間・巡り、巡る
「お待たせ菜月。これがこの前のラブライブ決勝とプレーオフでの映像。S席の個別アングルで舐めるように撮ってあるからこの動きわからないとかは存在しない」
「これは…また…凄い研究量だね」
「負けたくないからね。わたし達一世一代の大舞台で」
「一世一代の大舞台で思い出したんだけどさ。この決勝の相手の学校の子、そうその淡い髪のちっちゃい子。昔一回会ってるなって」
「ええっ!?どうして!」
「確か一昨年の今頃、山梨の山奥だったかな。徳川埋蔵金は富士山の裏側にある!みたいな古文書を調査した時に日没も過ぎた時間帯にバス停にひとりぽつねんと座っているのを見かけてさ。声をかけたんだ」
「なんでそんなところに…」
「そう思ってボクも聞いたんだ。そしたらラブライブ!で優勝出来るくらい凄いスクールアイドルのスカウトをする為に日本中の高校をあちこち回っている最中で交渉が長引いてバスを逃してしまったと。仕方ないからボク達の車で最寄りの駅まで送っていったんだ。そうか、あの子はちゃんと理想のスクールアイドルを見つけられたし自分自身もきちんと夢の舞台に立てたんだね…」
「そのEdelNoteも恐ろしいくらいの強敵。泉さんがこのまま成長を続けたらわたしと同じ、いやもっと凄いアイドルにだってなれるし相方のセラスちゃんだってわずかな期間でこの完成度を出せるならもっときちんと研鑽を積めばどれだけの高みへ行けるのか…」
「でもそれはこれからの話。今ボク達が挑むべきは蓮ノ大三角だよね。花菜、挑む相手を見誤ってはいけないよ」
「そうだね、ラブライブ決勝とプレーオフでちょっと興奮し過ぎてた。でもこの勢いを忘れたくもないから早速映像を見ながら特訓したい」
「モチベーションが高いのは良い事だ。気持ちが熱いうちに早速やろう、ファイトー!」
「「おー!!」」