幕間 金沢料理を食べに行こう 本編
AM5:45
「おお…ここが…金沢!」
「そうですよ結さん。遂に、遂に辿り着きましたね…!金沢!そして右に見えるはゴーゴーカレースタジアム!」
「二人とも盛り上がってるところ悪いんだけどさぁ…先にちょっと休ませて…」
「凪紗さん、夜にお店閉めてから今までほぼ休憩無しですからね…鉄人レース並のハードさですよ」
「じゃあ朝市で美味いもの食べてゆっくりしましょう。道は調べておきましたので」
「すず…鬼か。結…頼む。ちょっとだけ代わって…」
「ちょっ、凪紗さん…!?(凪紗の身体をゆすって)ダメですね完全に意識が落ちてる…」
「この際結さんでも問題ないので運転よろしくお願いします」
「この中で唯一免許のないすずさんの態度が一番デカいですね!?仕方ないので私が運転しますけど!」
11:10
「ようやく意識が戻ってきたよ…あたし朝ごはん何食ったんだっけ…」
「のどぐろとか載ったザ・インバウンド!って感じの海鮮丼ですね。そこそこ大きいの食べてましたけど本当に覚えてないんですか…?」
「海に対してのインスピレーションの湧いてくる素晴らしい朝ごはんでした。この調子で今日のメインイベントも素晴らしいものになるといいのですが」
「すみませーん!ビールみっつ!」
「いきなりですか!?宿に車置いてきたとはいえキックオフ前ですよ!?早すぎません!?」
「こんなのまだあいさつみたいなものだって。そういう結だって朝海鮮丼食べたのにもうカツカレー食べてるじゃん」
「石川に来て金沢カレー食べないなんて許される行為じゃないですよ!?」
「ふたりとも、ズズッ…そろそろトークショーが始まりますからお静かにですよ。ズルズズッ…
「ズルズル音を立ててお蕎麦食べてるすずさんが一番騒がしくないですか!?」
「今回はコラボノベルティがありますからね。欠かす訳にはいきません」
「売り子さんありがとー!ほらふたりもカップ持って。それじゃあ昼間っからご機嫌に行くぞぉ!カンパーイ!」
「「カンパーイ!」」
「いやあ楽しい試合だった!金沢、酒もうまいしおでんもうまい!」
「わたしも今を生きる若きラジオ人である村長と対面する本懐を遂げて心から満足しています。改めて今回の旅につきあっていただいてありがとうございます。凪紗さん、結さん」
「すずさんにしては珍しく殊勝な雰囲気ですね。なんか変なものでも食べましたか?」
「いえ。もっと単純な話です。良い詩を作る為には良いものに触れないといけない。最近それを少し怠っていたなあという自覚があったので。今朝結さんに煽られて思ったんですがそろそろ車の免許でも取ろうなと思うんですよ。免許がないと春花ちゃんと並べないですからね」
「すず…本当に大丈夫か?熱とかあるなら素直に言っていいんだからな…」
「ここは感動の涙を流して3人でがっしりと抱き合う場面なのだと思いましたが…」
「大将やってるー!?今日久しぶりにサッカー場のフードのお仕事してたらイベントの日だったみたいでいつもより盛り上がってたからテンション上がって飲みに来ちゃった!ええっと…チーム富士川の御三方だよね…何で?」
「全く同じ日本語を返したいのですが吉田文音さん」
「アタシはほら、吉田工務店何でもやる課なので」
「わたし達はまあかくかくしかじかな感じでして」
「そこでも繋がってるのかぁ。世界、広いようで狭いんだなあ」
「と、言いますと?」
「その『村長』の同級生がチーム徳光のファンだった。しかも同じ部活」
「そんな感じならもしかしたら他のチームの面々とかとも会ってるかもしれないですね。カグラヤの三人とか」
「ありそうありそう。そういや夏に春花ちゃんに会ったよ。この辺で」
「春花ちゃんが!?」
「夏の旅行で来てたみたいだけどいつも通りの性分で近くの飯屋のデリバリーの手伝いとかしてたからすっごい日焼けしてた」
「もう少し詳しく」
「あーなんか急に喉が渇いて喋りにくくなってきたなー(棒)」
「どちらの銘柄にいたしますか」
「じゃあ手取川。まだ冷やの気分かな」
「店員さん!手取川を!」
「ありがとうありがとう年魚市ちゃん。そういやアタシ達2ndシーズンあたりでバチバチに競ってた割にあんまり絡んだ記憶ないよねー」
「わたし達の優勝イベントをふたりが観に来たりしてた位ですかね。双方向性コンテンツの割にお互い一方通行というか」
「じゃあついでに積もる話も一気にしちゃおうよ。ほら白糸ちゃんと金明ちゃんもさ。不思議な縁にカンパーイ!」
「それはあたしの十八番!」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?