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【お金の基本①】

はじめに

古来,日本では,「お金」という言葉は決して良いイメージをともなわなった.江戸時代より「お金」を不浄なもの,下品なこと,とされていた.
お金は不浄であるという考えは,昭和までは不文律とされていた.
しかし,オイルショックに見舞われて以降,人々の「経済」への関心が高まり,お金に対する考え方に180度の逆転が生じた.
そんなわけで,「お金」は不浄どころか,経済と社会を考えるにあたって欠かせないキーワードとなった.

お金とは?

お金は生きていくために欠かせない暮らしの道具である.
例えば,衣食住の必需品はもちろん,自分の楽しみのために使いたい,病気やけがをしたときも困らないようにしたい,老後も充実した人生を過ごしたと多くの人が思っているはず.
そうした思いに近づき,自分らしい人生を実現する暮らしの道具がお金.

自分らしい人生を実現するためには,「お金の活用力=金融リテラシー」を身に着けておくことが大切.

知識だけでなく判断力・行動力も大事

お金の機能

まずは「稼ぐ」「納める」「貯める」「使う」「備える」「増やす」というお金の機能を把握する.

具体的にお金との付き合い方を知ることで,お金の知識を得るだけでなく,適切に判断し行動する力も高まる.

①稼ぐ
まずは自分の脳力を生かして、お金を稼ぐ.お金を稼ぐ方法や働き方と収入との関係について知識をみにつける.

②納める
稼いだお金から,社会を維持するために税金を納める.税金の仕組みを知り,税金の使いみちにも興味をもつ.

③貯める
稼いだお金は,銀行口座などに貯めて置くことができる.効率的な貯め方を実践するとともに,貯めるための家計の工夫も大切.

④使う
生活必需品の確保のためだけでなく,趣味や楽しみのためにも使うお金が必要.
将来に使う金額も把握する.

⑤備える
税金や保険料を使って,老後や病気などに社会全体で備えるのが社会保障.仕組みを理解し,自分で備える方法も知る.

⑥増やす
お金は運用によって増やすことができる.様々な投資方法のメリットとデメリットを知っておく.


お金は社会を動かし続ける血液

お金は,「家計」「企業」「政府」の3続けるのグループを行ったり来たりしている.

個人は,働いて得た収入で家計をやりくりする.企業は家計の労働力をつかって商品やサービスを提供して利益を得て,家計に給与を支払う.
家計と企業は政府に税金を納める.政府は,税金を使って公共サービスを家計や企業に提供している.
このような社会の流れによって,社会の活動が支えられている.

「家計」「企業」「政府」間をお金がまわる

交換の手段であるお金は価値が変化する

多くの人の判断が一致するところに価格は落ち着いていく.

供給よりも需要が多いときは値段があがる.
値段が全体的に上がっていくことをインフレーション(=インフレ)
値段が全体的に下がっていくことをデフレーション(=デフレ)

物の価格はいつも同じではないし,物と交換するお金の価格も変化していく.

貯蓄プランをたてて状況に合わせた見直しを

ライフプランを立て,それに合わせて貯蓄プランを立てるお金のPDCAサイクルを実行する.

自分のお金を上手に活用するPDCAサイクル

・P(ライフプランを立てる・見直す)
これからどんな人生を過ごしたいか,大まかなプランを立てる.結婚するか,子供をもつか,家を買うか.

・D(働いて稼ぐ,使う,貯める)
生活のために使うお金とのバランスを考え,毎月の貯金額を決めたら,銀行の積立定期預金などを利用してお金を貯める.

・C(定期的にチェック)
計画通りにたまっているか,預金通帳やWEB明細で確認.最低でも半年、1年に一度は残高を確認.

・A(改善)
原因がわかったら,無駄な支出を減らすなど対策を練る.ただし,無理は禁物.
現状に合わせて,毎月の貯金額を減らす,予算を下げるなどの見直しも検討.

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