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知ってるだけで速くなる3つのこと

 水泳理論編、第1弾。

速くなるための3要素

 鹿屋体育大学に入学してから卒業するまで田中先生に授業や練習前、練習後しつこく叩き込まれた。

 田中先生はご存知のとおり、柴田亜衣さんを指導していたコーチ。男子1500で日本で初めて16分、15分を切った選手を指導していた。インカレでの女子総合優勝など、挙げだすとキリがない。

 先生は2014年、鹿屋体育大学を退官後JISS勤務になった。僕も鹿児島から東京、JISSへと追いかけた。2017年の日本選手権までの7年間、指導していただいた。

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速くなるための3要素を紹介する。

 1.抵抗を少なくする

 抵抗には大きく分けて3種類ある。

①皮膚摩擦抵抗

 身体の表面と水が触れることで起きる摩擦抵抗。体が大きいほどこの抵抗が大きくなる。

②造波抵抗

 進む方向から受ける、水にぶつかることで起きる抵抗。ストリームラインを取ると減らすことができる。後半、脚が沈むとこの抵抗が大きくなる。

③渦巻き抵抗

 進むことで起きる後ろへ身体を引っ張る渦巻状抵抗。後ろ側が流線形になることで減らすことができる。

 2.身体の発揮するパワーを高める

 パワーにも3種類ある

①ハイパワー

 スピード。50や100はこれがモノを言う。

②ミドルパワー

 スピード持久力。200や400は特に重要。

③ローパワー

 持久力。800や1500のようにペースを刻むような種目で重要。

 3.推進効率を高める

これは技術的なものである。捕抵抗技術、避抵抗技術を高めること。たくさんも水を捕らえ、受ける抵抗を減らすことだ。どれだけ沢山の水を身体の遠くで捕らえて身体の遠くまで押すことができるか。



 これが田中先生に口すっぱく言われてきた、速くなるための3要素。

どれか1つでもレベルアップすれば速くなる可能性が出てくる。

これをどういう風に活かしてきたのか。

 基本的にはこの練習はどういう練習なのか知る必要がある。速くなるための3要素のどの分野の強化なのか考える。体力面を強化する練習なのか技術を高める練習なのか、スピード強化をする練習なのか。メニューをみてコーチの意図を理解する。分からないならコーチに聞く。そしてまずはそのとおり練習をこなす。これが第1ステップ。次はコーチの意図に自分の考えを足していく。体力面の強化を意図した練習に何か1つ泳ぎで気をつける。このような取り組み方でさらにスキルアップができる。


 

 1週間の自分なりのテーマを設定することもしていた。速くなるための3要素を頭に置いてテーマを考える。週ごとに、呼吸を気をつける週、リカバリーを気をつける週、ラスト1本のスピードを意識する週。なんでも良いが自分なりのテーマを設けることで変化に気づけるし、練習が楽しみになる。

 たまに自分でテーマにしていたのはデスウィーク。種目の特性上、普段の練習は最後までバテないようコントロールして取り組むことが多い。このデスウィークは1本目から全力で、最後は力が入らなくなるように練習することだ。週10回毎回ヘトヘトになるまでやり続ける。1週間もバテる練習をやり続けると先生に怒られることもあった。月に1週でも入れられればレベルアップが図れると思う。

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 人間の適応には3週間かかると考えている。たった1日いつもより頑張っても中々結果に繋がらない。1週間だけでも同じだ。3週間騙されたと思ってやってみるともしかしたら良い結果に繋がるかもしれない。そう考えて取り組んでいた。


おさらい

速くなるための3要素

1.抵抗を減らす

2.身体の発揮するパワーを高める

3.推進効率を高める

 何かヒントになれば嬉しいです。


次回はまだ内容考え中。


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