弁天町駅の想い出

大阪メトロの弁天町駅で降りたんだから。

JRの駅が隣にあるなんて知らんよ。イギリスから来てるClean Banditのライブに１分でも早く着かなきゃいけないのに、メトロの改札通っちゃって、駅員さんが「階段上がってホームを抜けてあちら側です」って言うから、小走りで駆け抜けてそしたら「通り抜けはできないんですよ」ってJRの駅員に言われた。

いやいや、何やねん！と関西人になりながら来た道を息を切らして戻る。さっきの駅員に「あの！」と一言いうと、全てお見通しやと言わんばかり、無言でmanacaを受け取り、ピッと、機械で処理している。

「ちょっともー、信じられないよね！！」と顔を見合わせ、JR弁天町駅を探す。「あそこのコンビニで聞こ！」と入ってすぐに店の一番奥の扉からビールを１本だけ買い、「あそこだって」と見えていたはずの真向かいの駅に向かう。

交代で飲むビールはすぐになくなった。めざすはZeppOsakaBayside。

ふたりでライブ会場に行くなんて何年ぶりなの。人混みの中でロッカーのキーを落としたこと。観客の勢いについていけず、滑って頭をぶったこと。m-floが出てくるのが遅すぎて、立ち寝するという信じられない伝説も。もういつのことやら思い出せない若き日のこと。

それでも多分２０年弱がたっていても。駅の階段を駆け上り、駆け下りる。

そして、笑っている。