その先に進みたいのなら
今持っている・抱いている・背負っている、最も大事なモノをその場に棄てるか置くしかない。
「その先に」に進みたくてその石化したこなきじじいの様な重りを後生大事に抱えてやって来た。それこそが最も重要な重さであると確信していたから。
結果は何も変わっていない。微小であれば変わってもいるのだろうが、それほどの重りの重さを耐えてきた割には、何とも納得のいかないレベルの変化だ。
「同じ事を続けていては革新的な変化は絶対に起きない」
そう知ってなお離す事が出来ない重りもあって。
それでもソレを手放せるのであれば、きっと身が軽くなって新たな足取りが生まれたりもするのだろう。
…いや、変わるのはきっと身や心の軽さじゃない。それは枝葉の事だ。
最も重要な事は「何をしてでも得たいと願って動き続け結果得られた、その産物を自らの意思で投棄出来る潔さ」を体得出来る事だろう。
「もう十分だ。これだけ上等に成れたのならもう満足だ。」
何度そう実感して来たのか。そしてそれが何度撤回されて来たのか。
全く。
人生と言う奴は。