そっちじゃないよ
人生は困難だらけの苦労の連続。
それはそうかもしれない。
でも本当にそうなのかな?
どうして着慣れない服を着、歩き慣れない靴を履き、わざわざ凸凹だらけの道を選んで歩くんだろう?
困難の先に真の成長があるから?
それはそうかもしれない。
でも苦しく辛くて泣きそうで、でも逃げる事も出来なくて。
だからしょうがなく、涙が枯れ果てても、それでもわざわざ行きたくない道を往く。
目指している場所がどこなのかも分からないままに、ただ今の辛さだけがあって。
眠る事さえろくに出来なかった。
人を求めて心を高め続けた結果、やっぱり周囲に人はいない。
どころか、追い詰められた自分は人どころか物にすら強さを込めていたようで、次々に色々な物が壊れて行った。
まるでこの数年、全ての事物が「そっちじゃないよ、キミの進むべき道、キミが一番心地よく進める道は、そっちじゃないよ」と言ってくれていたかのように。
今、これをタイプしながらとても深い呼吸が成されている。
心は…一体どれくらいぶりか、本当に穏やかで平和で、そのものだ。
何か…何だろうな…4年か…戦い続けて。
そしてそれが間違いで。
でも不思議と後悔とか怒りとか絶望とか虚無感とかは無い。
「やっぱりそうだったのか」
自然とそう思えるから。
そう思えるに値するほどの経験を重ねて来たから。
死を想うほどの絶望の先にあったのは、さらなる次へ向かう重いドアだった。
死を想うほどの絶望を生んだ、時に重ねたその重い経験を携えて。
また次が始まると言うのか。
どうして人生とはこうなのだろう。
どうしてか人生とはこうなっているのだろう。
絶望と希望と絶望と希望と。
それでも同じところを回ってはいない。
一つのプロセスの度に、経験と想いをちょっとずつ重ねて。
そうして次のステージへと自然に向かう。
タップリの思索を重ねてから自然と向かう。
考えているように見えて自然に、自然なように見えて熟考を重ねて。
そうして自分の全て以上を使い尽くすその時に、ようやく次が見えてくる。
ようやく進める道が現れてくれる。
全く、人生という奴は。