技だけでなく自分のレベルをあげる 岩瀬コラム51
技ばかり求めない
自分がもっている技のキレや数が増えたことにあなたは満足していないでしょうか?
どれだけ技が増えても、どれだけ一つの技だけ極めても、結果がともなわないことはよくあります。
努力しているのに結果がついてこない。
このようなもどかしさはありませんか?
もしかしたら、その原因はあなたが技ばかりを求めているせいかもしれません。
あなたが、すごいと尊敬している人が結果をだせているのは、技以外の部分でも自分自身をしっかりとレベルアップさせているからです。
今回はセラピストの話を中心にまとめていますが、自分の業界の「技」に置き換えてお読みいただければと思います。
私たちセラピストが施術をするとき、痛みや動きのエラーの原因に対して徒手でアプローチをすることがあります。
その時に関節の動く範囲を広げたり、力を発揮しやすくするために「手技」と呼ばれるものを用います。
この手技には、たくさんの方法がありますが、どの手技が良い悪いではなく、対象者の問題が解決できるのならどんな方法でも良いと私は考えています。
(手技Aを使う人たちが手技Bを否定するということがあったりもします)
新人セラピストも何を学べばいいのか分からず「どんな手技がいいですか?」など質問されることもよくあります。
もちろん、どんな手技でも効果はあります。
ただし、その変化の量や変化をだすまでに要する時間は、使う人のレベルによって大きく変わります。
野球のピッチングで例えると、、、
フォーク、カーブ、スライダーなどの変化球を投げる時の握り方など覚えても、コントロールやスピード、変化量などは選手によって違います。
覚えたてでは試合では使えません。
また、フォークが決め球の人もいれば、スライダーが決め球の人もいて、得意不得意も人によってあると思います。
そして、ピッチングの目的はアウトを取ることで、三振でなくても、打ち取るという方法もあります。
この球種でないといけないというものもありません。
仮に、フォークで空振りさせることばかりに囚われてしまえば、どれだけ変化量や精度が高くても、相手に読まれてホームランされてしまうことだってあります。
これでは結果がついてきません。
だから、その時の状況、相手の状態、自分の状態で有効と思われるものを選択することが大事になります。
セラピストの手技もこれと同じだと思います。
選択肢を増やすために手技という「技」を求めることは必要だとは思います。
しかし、一つの手技に囚われて、他の手技を否定して選択肢を狭めていたりすると、その人の状態に合わせた適切な判断することができなくなってしまいます。
また、たくさんの手技を知っていたとしても、1つ1つの技自体のレベルが低くければ、思ったような結果がついてきません。
結果をだすために、技だけでなく、知識、考え方、意識、人間性など自分自身がレベルアップしていけるようにしましょう。
そうすれば、今まで解決できなかったような問題も解決できるようになっていきます。
自分のレベルがあがれば技の効果もあがる
技ばかり求めていても、今悩んでいたりする問題を解決することは難しかったりします。
しかし、自分のレベルが上がっていくと、問題が解決できるようになっていきます。
例えばRPGなどのゲームは、初期の頃は主人公のレベルが低くて弱いです。
それが、ストーリーが進むにつれて強くなり、たくさんの技を覚えて使えるようになっていきます。
さまざまな技が増えることによって、有利にストーリーを進められますが、レベルが低いままではどれだけ強力な技があっても苦戦してしまいます。
反対に、レベルが高ければ初期の頃からつかえるような技でも倒していくことができます。
つまり、技よりも自分のレベルをあげていけばストーリーはクリアしていくことが可能です。
技はあくまでストーリーを有利に進めるための「手段」でしかないのです。
では、私たちの「自分のレベルを上げる」とはなんでしょうか?
セラピストの手技、各種スポーツの競技などでは、まず自分自身の「身体の状態」が大きく影響します。
筋力や柔軟性だけでなく、身体の使い方も重要です。
どのように力を伝えるか?
力源はどこか?
タッチの質
など、このあたりが変化するだけでも効果はかなり変わります。
加えて、その時に何を考え、何を意識するのか?
例えば、結果を出したいと思えば思うほど、余計な緊張が入り、力んで精度が落ちてしまいます。
イライラしていたり、何か他のことに囚われていても、集中力を欠いて精度が落ちます。
どのように考え、どのような意識や状態でいる時が最も効果がだせるのかを探究していく作業が自分自身のレベルを上げていく過程になります。
さらに言うと、自分の会社やチームなど組織での「人間関係」なども影響します。
不満や愚痴を言われているような環境、上司からの圧力が強いような環境では力がうまく発揮できません。
力を発揮するためには、組織の雰囲気を変えていくためのリーダーシップなども影響してきます。
そして、周りの人に自分の考えなどを伝えて影響力をだしていくには、自分自身の普段の行動や言動などの立居振る舞いも大事になります。
また、セラピストであれば、施術する相手に「この人嫌だな」と思われたり、思ってしまうのも、効果に差がでてしまいます。
つまり、自分のレベルを上げるとは、身体というフィジカル的な部分だけでなく、マインドやマインドコントロール、人間性などを高めていくことになります。
そうすることによって、技の効果も高まってきます。
また、技に囚われなくなることによって、技を使うタイミングも考えるようになります。
すると、自分が期待しているような結果がでるようになっていきます。
あなたは自分のレベルを上げるために、普段からどのようなことを意識していますか?
もちろん、技の精度を高める過程が、自分のレベルをあげていくことに繋がっていたりもするので、技を求めること自体が悪いわけではないです。
もし、技を求めている人は、なんのためにその技を覚えようとしているのか?
この部分を忘れずに、自分のレベルも上げていきましょう。
お読みいただきありがとうございます。
岩瀬勝覚
理学療法士
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