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阪神・淡路大震災から30年を迎えて
阪神・淡路大震災から30年を迎えて
本日、阪神・淡路大震災から30年を迎えました。1995年1月17日、私は20歳でしたが、あの日の出来事は今でも鮮明に記憶に残っています。突然の激しい揺れ、崩れ落ちた家屋、そしてその後の混乱と不安。時間が経つにつれ、私たちはその被害の深刻さを知ることとなりました。
震災により、亡くなられた方々とそのご遺族に対し、心より哀悼の誠を捧げます。
震災からの復興は神戸市全体にとって大きな挑戦でしたが、その象徴的な存在として挙げられるのが三宮地区です。この地域は震災後に復興の拠点として再開発が進み、現在では新しいランドマークが次々と誕生し、商業・文化の中心地として生まれ変わりました。しかし、単に外観が新しくなっただけではありません。三宮は「安全な街づくり」という理念のもと、災害に強い都市構造へと進化しています。
例えば、耐震性を考慮した建物の設計や、広場・避難スペースの確保、災害時に機能するインフラの整備など、震災の教訓がさまざまな形で取り入れられています。その中でも重要なのが、水道管の強化です。阪神・淡路大震災では多くの地域で水道管が破裂し、断水が発生しました。この経験を踏まえ、神戸市では耐震性の高い水道管の導入が進められています。災害時にも水の供給を確保できるようにする取り組みは、地域の安全性を大きく向上させています。
また、阪神・淡路大震災を契機に議論が始まった「医療船」の法整備が、昨年ようやく実現しました。この法律が制定されるまでに30年という長い年月がかかりましたが、災害医療の重要性を見据えた取り組みが一つの形になったことは、大きな前進と言えるでしょう。医療船は、災害時に海上から迅速に医療支援を行うことを目的としており、特に地震や津波で陸上の医療機関が被害を受けた際にその力を発揮します。この制度が、もしもの際には確実に役立つ実行性のあるものとなることを願っています。
変わりゆく神戸三宮が、より安全で安心できる街であることを願い、震災から学んだ教訓をこれからも活かしていきたいと思います。そして、本日は静かに過ごしながら、震災の記憶と亡くなられた方々への思いを心に刻みたいと思います。
災害に備え、共に支え合える社会を築くことが、震災を経験した私たちの使命です。そして、変わりゆく神戸三宮が「安全である」ことを、これからも見守り続けたいと思います。
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