つくしを摘んで
子供の頃、祖父の家に行く長い一本道の土手を土筆を摘みながら歩くのが毎年のお彼岸の際の楽しみだった。
春の陽射しの中、最初は全く目に入らないのに一本見つけるとあとはあっちにもこっちにもぴょこんと顔をだす土筆。
従兄弟が沢山集まって大きさや量を競うから出来るだけ背の高いものをと夢中で探したのも懐かしい思い出。
夢中で沢山取るのはいいけれど、土筆の袴を剥くのは意外に大変で、折らないようにと子供ながらに力加減をあれこれ変えながら爪の間を緑に染め、いつまでも終わらなくてなんだかウンザリしながらも剥いたのを覚えている。
そうしてやっと袴をとった土筆を水に晒して軽く茹で、甘く味をつけた母の土筆の卵とじはほろ苦い春の味がした。
また河原で摘んだ土筆を母と同じように卵とじにし子供だった私の春の一日まで一緒に味わいたい。
今年はつくしを摘みにいけるかな。
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