ロードマップのせつめい 3
日本語音声の特徴
音域
日本語は、狭い低音域の言語です。
(英語は高音域、ロシア語は全音域だそうです)
一般的な会話では、あまり大きく口を開けずに発音しますので、学習者には聞き取りにくいかもしれません。また、音の高低でアクセントを付けますが、元々狭い音域の中なので、その差がわかりにくいかもしれません。
音節
50音表の音節は、直音と呼ばれ、あ行の母音とそれ以外は、子音と母音の組み合わせで構成されています。『ん』だけは子音のみです。行と列の組み合わせなので、ほぼ規則的と捉えることが出来ます。文字は「かな」と呼ばれ、原則的に、一文字一音しか有りません。例外は、『ん』で、実際には、5~6種類の発音をしているそうですが、日本人には、3種類しか聞き取れません。m[m]とn[n]と鼻に抜けるn[ŋ]です。要するに『ん』だけは、複数の音を持っています。日本人にはどの発音をされても、『ん』にしか聞こえませんが、彼らは5~6種類の発音を区別できますので、発声するとき迷うでしょう。でも、どれかに決めて発音しなければなりません。日本語ペラペラの韓国人に、どう区別しているのか聞きましたが、答えが帰ってきませんでした。何かルールをお持ちなのでしょうが、私には、聞き取れないので、分析のしようがありません。
50音表以外に、濁音(かなに「゛」)、半濁音(かなに「゜」)がありますが、アルファベットで説明がつくと考えます。
特殊拍
拗音(小さなかな「ゃ」「ゅ」「ょ」)もアルファベットで説明がつきそうです。促音(小さな「っ」)は、アルファベットでは同じスペルが続いたときに発せられますが、発音できないと言われています。実際には、瞬間息を止めているんですね。まだ説明が付きやすいと考えます。撥音は、「ん」のことで、前記しましたように、日本人は色々発音していながら、聞き分けが出来ないので、どう説明してよいか分かりません。日本人は、前後の音によって区別しているようですが、頭で理解できても、実際の運用には、すぐ出てこないと役に立ちません。
連母音と長音
母音重視の日本語とほとんどの言語の子音重視との差からか、学習者にとって、日本語の連母音や長音の発声・聴き取りが難しいと言う大きな問題があります。
『Shortcut for learning Japanese』の 2. pronunciation 5. Minimal pair
にトレーニング用のサンプルを準備しました。
モーラとフット
日本語教育では余り前面に出てきませんが、聞き取り易い、聞き取り難いと言う問題に大きく影響しますのは、モーラとフットです。方言では、アクセントの位置が変わったり、濁音や鼻濁音になったりしますが、我々は、辛抱できます。しかし、学習者との会話でモーラやフットが異なりますと非常に聞き取りにくくなります。その差は、標準語と方言では、モーラやフットが違わないからかもしれません。
モーラ(拍)とは日本語の音の基本単位であり、音の長さを均等に区切ることで、フット(音歩)は、2モーラを1フットとする音韻的なまとまりのことです。
マスターできれば発音の改善になりますので、初心者に伝えるだけ伝えてはどうかと考えます。意識できれば、早い段階で、改善できる人が出てくるかもしれません。
『Shortcut for learning Japanese』の 2. pronunciation 6. Mora, Foot にトレーニング用のサンプルを準備しました。
単音の練習
同じく『Shortcut for learning Japanese』 の 2. Pronunciation の 2. Pronunciation Training をご参照ください。
単音の改善方法
上記と同じサイトの 3. Pronunciation Improvement をご参照ください。
変音現象
日本人が日本語を話す場合、例外的に、変音した方が、発音しやすい場合が有り、そのときに変音現象が発生します。複合動詞や、熟語によく発生します。
ある程度法則が分かっているものがありますが、それにもまた、例外が有ったりしますので、その現象を覚えきれません。
初心者は、法則らしきものを覚え、例外的なものは、スルーしたほうが良いと考えます。ただ、ネイティブの発音に、違和感を、感じたときは、変音現象かもしれないと、思い出していただきたい。
また、一般の日本人は、その現象を知ってはいますが、専門家以外は、恐らく、説明できないでしょう。
発音・発声の練習
どの言語にも共通します課題は、学習している言語の仕様に合わせて、発声器官の筋トレを行わなければならないことです。
発声器官(唇、口、舌など)を使って、息の流れを制御して、発声しますが、言語によって、使い方が異なりますので、滑らかに、即答出来るように、関係発声器官の筋トレが必要です。韓国語の[n]は、舌を噛むように発音しますが、練習を続けますと、くたびれて、動かなくなる経験をしました。
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