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南会津 大幽東ノ沢
序文
南会津、その響きを聞くと思わず身震いしてしまう山域の一つだ。
なんの変哲もないへっぽこ登山者の自分が果たして足を踏み入れて良いものか、この山域の人の少なさから来る怖さみたいなものを常々感じていた。
ましてや2023年に就職してから、土日の週末に山へ通う元気もまばらになっていた。そんな時にワンゲルの後輩のNくんから声がかかった。本格的な沢中泊、そしてネット上に出ている記録の少なさからくる不確定要素に不安を覚えながら、沢登りしてきた。
ぶな林
南会津の沢でみてまず感じたのはぶなの美しさだ。適度に間隔をあいたぶなたちは人間界からの離れた地でのびのびと育っていた。もう9月の秋の初めだというのに、5月の新緑のような若々しい葉を伸ばしていた。
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水
沢登りといえば水である。いろんな沢で出会う水は一期一会だ。森がきれいということは水もまろやかで甘さがあるとろみすら感じられる様な水だった。
水と戯れながら登るのは楽しい。
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サブウリのゴルジュ
少ない情報を下調べしところここが核心であった。実際、核心であった。我々の実力としては結果として巻道をつかわざるをえなかった。反省しようとして出てくるのは、荷物の軽量化、ザックの背丈で頭を抑えられる、泳力の不足。このようなものが出てくるが、結果としては相方のルーファイ技術にも大いに助けられ、巻くことができた。沢の不確定要素は怖くもあり、おもしろくもあり、充実させてくれる。
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山ごはんと焚き火
沢泊といえば焚き火。夕飯はガパオライス。相方は料理が得意なので助かる。
焚き火では、焼きマシュマロをば。おいしく食べたけど蚊が大集合した。人馴れしていない蚊だったので、テント内に侵入したのは殺戮の対象となった。
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山頂湿原
丸山岳といえば山頂の湿原である。かの服部文祥氏が気に入っている場所と聞いたことがある。ここに至るまで長い道、薮との格闘を経て至ることができた。意外にも奥只見丸山スキー場と奥只見ダムが間近に見え、秘境感が薄れた。
夏が終わりに近づき、虫の代わりにトンボが優雅に飛んでいた。
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