物理の学び方4

 物理の問題を解くときには,「答は何だろう?」「どうやって解くのかな?」などと考えてはいけません。
 問題設定を正確に把握して,その設定(現象)には,どの物理法則が適用できるか,それが具体的にはどのような方程式で表現できるか,ということを判断していきます。使える法則の方程式を書き並べていけば,自然とすべての設問に解答できます。なぜならば,出題者は,「この物理法則を使わせて解かせたい」「そのためには,これだけの情報が必要だな」と考えて問題を作っていくからです。
 「どの法則が適用できるか」の判断も考え出すのではなく,有限個の選択肢の適否を調べていくだけです。例えば,力学であれば,まずは運動方程式を書いて(あるいは,書けるように物体の受ける外力を分析して),解ける方程式ならば解いてしまえばいい。解くのが困難な場合は,運動方程式に対応して,運動量の議論はどうなるか,エネルギーの議論はどうなるか,あるいは,面積速度一定の法則は使えるか,ということを調べていきます。分野によっては,選択の余地はなく単純なルーティンワークになる場合もあります。電気回路の問題では,回路方程式(キルヒホッフの第2法則)と電荷保存の方程式を書き並べるだけです。
 大学入試の問題を解くにも必要な物理法則はすべて教科書に載っています。再三の繰り返しになりますが,教科書の学習が重要です。
 試験のときは時間が気になって早く答を出そうと慌ててしまうものです。しかし,そういう場合ほど,落ち着いて手順に従って解答する必要があります。そのためには,そのような解き方を習慣化しなければいけません。普段の学習で正しい手順に従うことを意識しましょう。すぐに答が見えてしまう簡単な問題でも論理的な議論を展開して結論を導きましょう。

高校生,受験生に物理を教えています。