『絡まるフォーク 切り刻んでナイフ』- エッセイ 第21回文学フリマ『ニライカナイ』寄稿作品
「いまヒマ?ごはんいこうよ」と、何の脈略もなくラインをする。懐のあたりで突然生じたヒマを誰かに押し付けようとして、その厄介を強いる相手にわたしは、迷いなくマイを選んだ。
二人ともに、思い立ったら連絡する癖があって、今日も、どちらからともなく、なんとなくの流れで一緒に食事をしようという事になるのだろうと予感していた。うまく、会うように事が運ばれるはずだ。いつものように。週に一度は必ず連絡しようだとか、会うだとか、とくに決まったペースはない。気が向いたら会って、気が向かなかった