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現実と向き合う 〜最良の選択とは何か〜 前編



こんにちは。

何から書けば良いのかさえ分からないくらい

この約三週間で本当に沢山のことがありました。

分かりやすく結論から書かせて頂きます。




今年の六月いっぱいまで契約していたクラブから移籍することになりました。




正確には



「移籍せざるを得なかった」



という表現が正しいです。

恥ずかしさ故にここで公表することに躊躇いがありました。

遠回しではありますがクラブから戦力外通告を言い渡されたからです。





前の記事でも書いた通り

二月の末に昨年拠点にしていたJarosław(ヤロスワブ)という街に戻って来ました。

十時間の電車旅を終えた直後にチームに合流し

すぐに練習試合に混ざりました。

監督だけでなくチームメイトもほとんどが初対面の選手達でした。

自分のパフォーマンスも良くなければ

初めての選手達と上手く合わせることも出来ず

満足のいく調整とはなりませんでした。

その後一週間はチームの練習に混ざりました。

コンディションも悪くないくらいになってきて

後期リーグ再開一週間前の最後の調整試合の前日に

クラブのマネージャーからこのようなメッセージが届きました。

マネージャーに言われたのは

「君のポジションにはもう他の欧州圏外出身の選手が居るから君の出場機会を保証出来ない。だから別のチームへ移った方が良いよ」

監督に尋ねても

「移籍に関してはマネージャーの決めることだから」

としか言われず

このメッセージは


「遠回しの戦力外通告」  


だと思いました。

ポーランドに戻って来た直後にこのクラブには戻らないと伝えていましたし

他の選手を獲得していたのは不思議なことではありませんでした。

契約が残っていたからと少し考えが甘い部分があったのも事実です。

ですが圧倒的なパフォーマンスで上層部の決定を覆せれば何の問題は無かったはずです。

これは完全な実力不足でしかありませんでした。

「ブラジル人選手がまだテストされているから最後の調整試合はユウキ抜きでやる。翌週の月曜日に話し合いをするからその後に連絡する。」

と言われて待っていても連絡は来ず

監督に聞いても何も答えてもらえませんでした。

せっかく住む所もバイトも決まったのに

また何処に流れるのだろうと

杜撰な対応に怒りが込み上げるとかそんなことはなく

ただただ地に足が着かない感覚でした。

それでいて自分の次の動きも考えなければならない

待っていても始まらないと分かっていながらも

選択肢が殆ど皆無に等しかったので動くに動けない

それでも早く動かないと移籍期間が終了してしまう問題があったため

上層部の答えを待たずにチームを探すという決断をしました。

この決断をした時には既に同リーグのチーム及び

上位カテゴリーのクラブはチームが固まっていて

新たな選手を探していなかったので

自分が移籍出来るクラブは下位リーグのみとなりました。

(※結果として下位リーグのクラブへと移籍するのですが、その詳細については後編で)

有難いことにチームの対応に異を唱えてくれる選手もいました。

他にも事情があったのかどうかも分かりませんし確かめる術もありません。

金銭的な事情なのかと憶測でしかありませんが

確かめたところでどうにも出来ないので

本当のことを知りたいとは思いませんでした。

結局前チームの開幕戦の二日前にマネージャーから連絡があり

「早いとこチームを探しなさい」

とだけ連絡がありました。







一体何のためにポーランドに戻って来たのだろうか

と、ずっと考えていました。

ステップアップを目標としていましたし

年齢的にもこの先のキャリアのためには

一つでも上のカテゴリーでやれないとダメだと思っていました。

そんな状況で格下のリーグでプレーを続けることに意味があるのだろうか

それが今の自分が本当にしたいことなのだろうかと

自分が今の生活をかけて探しているものは何なのだろうかと

ポジティブになれない自分がいました。





プレー出来る環境があるだけ有難い

自分でも出来ることはある




結局は自分次第ですし

この逆境をバネにするしかないことも事実です。

与えられた環境で如何に試行錯誤するか

無理にでも自分に言い聞かせないと

ポジションなマインドを保てない程に心身が疲弊していました。







冒頭でも書きましたが

正直今回のことを公開したくなかったです。

「年齢はただの数字でしかない」

よく言われることです。

けれどももう三十歳になる年です。

同期は結婚したり子供を授かったり

人によってはマイホームを手に入れる人もいます。

自分に関してはプロキャリアがあるわけでもない

莫大な資産があるわけでもない。

同じタイミングでポーランドでチャレンジを開始した歳下の選手達は

それぞれ上のカテゴリーへとステップアップしていきました。

自分だけ下のカテゴリーのクラブへの移籍

本当に情けなくて恥ずかしくて

正直堪えました。

覚悟が足りなかったのだろうか

疑問はいくつもありましたが

納得のいく答えが出ることはありませんでした。

他人と比較しても意味は無い

時間の無駄だと分かっていながらも

ふとした瞬間に現状を顧みた時に

無意識に他人との比較をしている自分がいました。

それはこれを書いている今も変わりません。








「今後に向けてどうすることが最良の選択なのだろうか」

後期リーグの開幕までに登録を済まさなければいけなかったので迷いました。

二月末に決心してこの街に戻って来たのに

こんなことならもう本当にフットボールを辞めてしまおうかと思いました。

バイト先のシェフが

「ノルウェーで寿司シェフを探してる知り合いが居る。もしこのままフットボールを辞めて日本に帰るくらいならヨーロッパに残って職人の道に専念するのはどう?きっとユウキにとって良いキャリアの一部になるよ。」

と気にかけてくれました。

それでもやっぱりフットボールを諦められませんでした。

理由は正直分かりません。

スッパリと受け入れられるのなら辞めても良かったでしょう。

ですが受け入れられるどころか

逃げにも似た「辞める」という選択を取ることが出来ませんでした。

やはり心の何処かで




まだフットボールを続けていたい

こんな所で終わりたくない




と思う自分がいました。

カテゴリーは下がりました。

予想だにしなかった結果となりました。

それでもまた現役続行を決意致しました。


後編へ続く。

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