#2
こどもの頃は美しくて甘いもののように感じていた雨粒も、おとなになるにつれて汚くて避けたいものになる。
ぽつぽつ ぽつぽつぽつ
雨粒の綺麗さを忘れたおとなが汚いのか
雨粒の汚さを知らないこどもが罪なのか
………。
ただ言えるのは、雨が降ると
身体はだるいし
雨音は美しいし
服は濡れるし
傘の中で響く声は綺麗だし
もしかしたら、雨でスリップした車がどこかの誰かの大切な人を殺すかもしれないし
あわよくば、どこかの誰かの相合傘の中で儚い恋がはじまるかもしれないし
災害かもしれないし
恵みかもしれない。
そんな全て紙一重の世界