時間という流れの中で
正解への道なんて誰にも分らなくて、それこそまずそれが正解かなんて、今の自分には知る由もないのに。
それが自分にとっての正解なのか、それは未来の自分と、今の自分の表情が、高鳴る気持ちが教えてくれるんだ。
皆さんこんにちは、こんばんは。Yochiです。
ラブライブスーパースター三期面白すぎませんか??
二年待った甲斐があったというもので、今この素晴らしい時間を楽しめていることが素直にうれしいです。
今回は第六話の感想です。
可可ちゃんに焦点が当たった回でしたね。
彼女も彼女なりに色んなことを抱えながらここまで歩んできたことが彼女の口から、そして回想から明らかになり、多くの人が彼女に同情し、理解した話だったように思います。
当たり前ですが彼女は国境を越えて、日本にやってきていました。色んな不安を家族が抱えるのは当然であったと思います。まだ15歳の娘を1人で隣国に送るなど相当重い決断があったと思います。
だからこそ可可の姉である萌萌さんは、彼女に再び会えたことを心から喜んでいるように見えました。5話の登場シーンよりいつも笑顔で妹のことを心から想っているのが伝わってきました。
姉妹という関係性、冬毬と夏美のところでも伝わってくるものが多くありましたが、それとはまた違った感情を得ることができたように思います。
進むべき道は
さて、5話から3年生たちの進路についての話が展開されていました。
私もこんなことあったなぁとか色々懐かしい感情を抱えて映像を見ていました。勉強はダメダメだったので冬毬やマルガレーテが羨ましかった…!
可可が進路についての問題を抱えていたのはまだ5人が1年生だった頃から分かっていたことではありましたが、突っ込んだ話はここまでされてきませんでした。意図的に封印していたのかも知れませんが、ここで出すんだ…!みたいな驚きは少しありました。
以前までで分かっていた可可の事情では
大きな結果を残さない限り、上海に帰ってくること
という事が挙げられていました。しかし、2年生時にラブライブ!本大会を優勝という結果で終えたことによってこの問題は鎮火したように思っていました。
ですが、今回進路決定という形でまた姿を見せたこの問題。以前からずっとスクールアイドル活動に親身になってくれていたのはお姉ちゃんだという情報があり、実際に姉が姿を見せて、親が可可に対してやりたいことを精一杯やってほしいという方針なことも今回初めて知った情報だったように思います。
優しい両親だからこそ、これ以上自分の身勝手で迷惑はかけられない。
そう思ったんじゃないかなって思います。
自分も親に「親になんか気使わなくていいの」と何度も何度も人生の中で繰り返し言われてきましたが、いまだに親のことを考えると何かしてあげたかったり迷惑かけられないと思ってしまいます。
この選択をすることも、私は肯定していたでしょうか。
もともと可可は超が付くほどの勉強できちゃう系女子で、大学進学という進路はさも当たり前のような選択で納得せざるを得ないような決定であるように思います。
しかし、この作品は自分に正直になって自らの夢に向かって突き進んでいく姿をみて、勇気や元気をもらえるような作品。
可可ちゃんの選択は、正しいようで自分の夢から逃げてしまうような「答え」だったって。そんな濁った選択で、自分の心に蓋をして、仮面をかぶってしまってはあの頃の純粋無垢な笑顔なんか出てくるはずがない。
自分が大切にしていた、それこそ「宝物」のような時間が、もうすぐ終わる。わかっていたこと、スクールアイドルとして輝けるのは三年間だけ。
彼女が出会ったあの輝きは、今も尚輝いていて、時が過ぎても輝き続けるもの。
高校生って、青春ってだから儚い。
「最後」とか、「青春はここまで」とか、ずっと前向きな姿勢を貫いていた彼女から漏れた弱音はどこかで「まだ終わりたくない」って叫んでるように見えて。それはしっかりかのんにも届いていて。
その問題に対して、かのんと、そしてすみれとが本気でぶつかります。
「楽しい」から、目を逸らすな
思えば唐可可という女の子は、最初からずっと本当に無邪気で可愛らしくて、なんというか、自分に嘘がつけないタイプの子だと思っていたんです。
他人にも嘘なんかついて欲しくないし、思ったことを正直に言葉にできる素敵な子だと、ずっと思い続けてきました。
そんな彼女が、今まで見せていた笑顔とは少しでも陰りのある笑顔を見せていたら?
唐可可という女の子は、嘘をつくのがとんでもなく下手くそなんだって初めて気づきました。
すみれはずっと可可と、言ってしまえば強い絆関係で結ばれていました。それは一期でも、二期でも描かれ、一番険悪だと想っていた人が「あなたの輝ける場所はちゃんとある」と背中を押してくれて、1番遠いと思っていた人が実は一番彼女を想っていて。
そんな人が、可可の下手くそな作り笑顔を分かってあげられないわけなくて。
そしてそれは、彼女に突き動かされて再び走り始めた女の子にも当然伝わっていました。
ここで言い切ってしまえる勇気。
やっぱり澁谷かのんはそういう人なんだなと改めて思いました。
そんな訳、ないじゃない。
貴方が再び歩み出す勇気をくれた。光をくれた。
貴方は以前、私の事を星(スター)だと、夢だと言った。
諦めかけた夢をもう一度追いかける勇気をくれたのは、他でも無いあなたなのだから。
そんな貴方が自分から歩みを止めることなんか、許してくれるわけないじゃない。
それはいつか、夢をあきらめようとしていたかのんにぶつけた、彼女なりの想いの詰まった本音。
彼女はこの言葉を宝物だといった。
かつての自分に彼女を重ねて、理想の自分を裏切る自分が許せなくて。
この物語は「私を叶える物語」だから。
やりたいことに真摯に向き合って、辿り着いた先の景色が自分の望んでいたものでなくても、歩んできた道のりはきっと価値のあるものだから。
過去の自分が映す「現在(いま)」
隠していた本音はいとも簡単に見破られて、ぐしゃぐしゃになった感情を抑えようと、落ち着こうとしていたところに響くあの人の声。
どうして諦めてくれないんだろう。
どうしてあの人は、何回も自分の名前を呼ぶのだろう。
どうして周りの人に問いかけてくれるんだろう。
気がついたらもう走っていて。
その答えを見つけるために、問いかけるために走り出した足は前へ前へと止まらず踏み出して。
そんなあの人の呼び声に応えるように
仲間達が繋がりあって、みんなで背中を押してくれるように。
劇伴は「Main Theme of Lovelive Superstar!」
彼女もまた、この「私を叶える物語」の主人公。
時に悩み、時に苦しくなっても最高に輝ける自分になるために。
光が当たる場所に進むために。
だから、自分に嘘なんかつかないで。
ここにいる仲間は、自分の後ろめたさを晴らして背中を押してくれる人たち。
ありのままの貴方が大好きな仲間。
大丈夫、何度壁にぶつかっても乗り越えていける。
そう歌っていた、去年のあの景色のように。
海を越えても歌で結ばれる、歌で繋がれる。
ねぇ、聞こえてる?昔の私。
この歓声も、この感情も嘘じゃない。
歌に乗せた想いは、きっと誰かの胸に届いてる。
ステージの上で輝く姿は、きっと誰かの背中を押してる。
歌ってる人だって、歌に勇気を貰ってる。
隣には、我儘臭く自分を応援してくれた、国境を越えた友達。そして繋がった仲間たち。
自分が歩んだ道も、これから歩む道も、全部無駄じゃない。全部今の自分を作ってる一部なんだ。
そんな道の途中に光り輝く星の欠片たち。
それらを拾い集めていけばいつかきっと、輝く大きな星になって私を照らす。
昔の私は精一杯の今を生きた。
優しさが詰まった彼女は周りからの期待に応えるために努力をした。
でも、出会ってしまった「楽しい」から逃げられなかった。
楽しいはいつか輝き、夢となって今の自分を支えた。その輝きを絶やさないため、彼女は今日もどこかで歌うのだろう。
その輝きを、楽しさを、未来に繋ぐために。
踏襲した過去から繋げよう。
奇想天外な今を精一杯楽しもう。
不確定要素の詰まった未来に期待しよう。
そんな時間という流れの河を、彼女は今日も泳いでいく。