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友達が母親になった話

昨日は大学時代の友人に会ってきた。
大学の友達の中では1番仲良しで、毎日のようにカラオケに行ったり、回転寿司に行ったりしていた。
すごくウマが合うわけじゃないけど、なんとなく一緒にいるのが楽で、その子もあっさりした性格だったから、気を遣う必要もなくて、ずっと一緒にいた。

私に東京の彼氏ができて、その子も一緒に高速バスで東京に行くようになった。その子はいわゆるボイーズバー(今で言うとメンコン)みたいなものにハマってて、そこのキャストのほとんどと関係を持つようになった。私は別に楽しければいいんじゃないと思ってた。その子はバイトも頑張っていたし、見た目はギャルなのに意外と講義もしっかり聴くタイプで、まあ、男関係はだらしないけど、別に心配はしてなかった。

私とその子が社会人になった時、その子に彼氏ができた。その時はすごく幸せそうにその彼氏のことを話していて、良かったなぁと思う反面、その彼氏も大概だらしないタイプだったから、まぁなんとなく気にかかっていた。

その後かなりの期間が空いて連絡をとったら、妊娠したらしく、その時の彼氏と結婚することを聞かされた。まぁ、それなりに幸せにやってくれればいいなと思っていた。


昨日はその子の息子の1歳の誕生日だった。レンタルスペースを借りて、飾り付けて、可愛い洋服に着替えさせて写真を撮った。その後は回転寿司を食べに行った。

ベビーカーを押すその子は、知らない人みたいだった。優しい声で子供に話しかけるその子は知らない人みたいだった。ことあるごとに、可愛いねぇ可愛いねぇって声をかける彼女は、私の知ってるその子じゃなかった。

とてもいい事だと思う。とてもいい事なはずなのに、わたしの中になんだかもやもやっていうか、嫌悪感みたいな物が芽生え始めた。
わたし、母性足りないタイプだよ〜とか言ってたのに、私から見たらもう母親そのもので、ああ、子供を産むとこんなにも変わるものなんだなと思った。

子供が泣くとその子が抱く。そうすると子供は泣き止んで、ああ、ちゃんと親子じゃんって思った。

自分のことよりも息子を優先するその姿は、本当に母親だった。


わたし、たぶん寂しかったんだ。
あの頃のその子はもう居ないのかもと思った。
それに、その子は人に求められ、必要とされる事に生きる意味を見出すタイプなんだろうなって、男性関係を見てたから思った。

その子は絶対的に自分を求め、自分がいないと生きていけない存在を獲得したのだ。


それは悪いことなんかじゃなくて、むしろとってもとってもいい事なのは間違いない。すごく尊いことだ。

それに違和感や嫌悪感を抱くわたしは、精神年齢が低いんだろうな。
わたしの心はまだまだ子供なんだな。

ああ、もう手放しにその子と過ごす時間は無いんだと思ったら、すごくさみしい。

だけど、その子の幸せも、その子の息子の幸せも願っているから、時々会って、心を慣らしていこうかな。


親になるって本当にすごいよね。

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