一月に読んだ本
今年に入って余裕が出てきたからか内容が濃いものが読めたと思います。
「スタンフォード式人生デザイン講座」は人生をアートと考え、人生の一部分に過ぎない仕事をどうそこに組み込んでいくかという内容。アートなので何度もやり直しができる。プロトタイプを作成する。一つずつやってみる。人生と仕事は切り離せないが、現代では仕事を中心に人生を考えている人が多い。だから悲観的になったり挫折したり。人生を考えた時に、例えば健康に生きたいと思う。そのためには朝にジョギングをする、夜の十時には寝る、地域のサークルに参加する、などの手段を考える。そしてそれを実現するにはどういう仕事が最適かを初めて考える。そうすれば健康に主軸を置いた生活が送れる。仕事だけを考えてもダメ。まずは人生から。人生と仕事を考えた時に参考になる本。
「いつでも転職できるを武器にする」は転職を考えている人はもちろん、考えていない人も読むと良いと思う。自分の強みや今までの働き方を再確認し、転職がいつでもできる状態を作ればいざという時にすぐに逃げられるので(良い意味での逃げ)心に余裕を持って今の仕事に挑むことができる。例えが漫画のワンピースを多用しているので読みにくい人もいるかも。人にありがとうと言われたことは自分の長所で、イラッとした事は自分の当たり前にできていることや良い意味での拘りである。なので日々、ありがとうとイラッとを集めておきたいと思った。
「デリバリールーム」は言葉遊びの面白いブラックジョーク満載のスレスレ小説。テンポよくサクサク読める。主人公の「私の父の小説の主人公だったら」と考えたり強気な性格や土壇場で根性を見せる所は頼もしい。母屋との会話が好き。ライトノベルだとは思うが所々に大事だなと思う言葉が出てくる。気分転換に良い。
「許されようとは思いません」は手軽に読めるイヤミス短編集。人の闇が見事な作品になっている。一番好きなのは「絵の中の男」。心の葛藤を絵で吐き出すからこそ渾身の作品が生まれるのである。そして大事な人の死をこんなにも短時間で出し切ってしまうのかという絶望が半端なく怖い。ギミックは「姉のように」が秀逸。よくある人と昔ながらの村の闇を書いた「許されようとは思いません」もなかなか。終わりがないものは怖い。
「心の休ませ方」はうつについて。書き方は厳しいが頑張りすぎたからしっかり休めという温かい言葉。生きるのに疲れた=根底に憎しみがあり認めもされず、それを欲するがために無理をして生きる気力がなくなった。欲しいのはアドバイスではなく激励でもなく、傾聴と共感と愛と承認。今までエネルギーが枯渇するほど頑張ってきたので今は音楽などを聴いて思いっきり休む時である。休んだ時に本当の人間関係がわかる。生きるのに疲れて休むとは、人生ということを知り考え直す時なのだ。自分を軽んじる相手は無視する。最後にものを言うのは人間としての優しさである。だから小さい頃から真面目すぎた人は、長い人生で考えると、会社を休んで(あるいは仕事を少しはさぼって)少し遊んだ方が効果的な時間の使い方になる。出世が遅れても最後にはその方が会社でも伸びる。
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