3月に読んだ本
メンタルヘルス系の本が多かったです。
「なぜあなたは愛してくれない人を好きになるのか」は不倫やDVについての本かと思って読んだ。中身は全然違っていて、そもそもなぜそういう人に惹かれて離れられないのかという深いものだった。ページ数は少なく、区切りがあるので読みやすい。
ナルシストと自己受容の違い。心の穴について。心の穴を埋めようとするので傷付く。それも他人を利用して埋めてしまう人が少なくない。心の穴は魅力も放出するので埋めるのではなく形を知ること。自己受容ができる=埋められないと知っている。
性行為は心の穴に触れる行為。恋は自分の心の穴を知る行為。あの時どんな形であろうと恋をしたのは必ず理由がある。
自己受容について知りたい人、恋愛がうまくいかなかったり傷ついた人におすすめ。ただ傷心直後に読むと心にグサリとくるので注意。
「不安の鎮め方」は著者お得意の、心の底の憎しみゆえに他者と迎合しようとして期待を裏切られて周囲を敵意する、というもの。現代に生きながら心は子供なので今に生きていない。周囲の世界は怖くないと自分に日々言い聞かせることから始め、原因と向き合うために、という感じ。
「後で話を聞くよ。そう言われたらあなたもそうしなさい」。心得ておきたい言葉。自分を軽んじる人は同じように返してやれ。
他にも「無理している時は甲高い声で笑う。それが周囲を不快にさせる」「人間、最後は孤独になるから練習だと思う」「人間関係の見直し」など。
不安の鎮め方=腹の括り方。我が道をゆけ。自分の人生には自分で責任を取る。自分を受け入れる=次善の策を取れる。一つのことに固執せず気の小さい自分を受け入れる。
今回も良かった。個人的には5章がわかりやすかった。手軽に読めるのもいい。
「森田療法」は有名な本なので読んでみた。さすが読み継がれるだけあって内容は難しいが、各章は短くシンプルにまとまっているので、このページ数なら読めるなとスルスルいけた。これは何度も読みたい。
今でいう不安症が主。強迫観念、対人恐怖症、不安障害、書痙、不眠神経症など。三章に症状と簡単なメカニズムと解決策。四章に具体的な治療法。
不安と欲求は誰にでもあり、どう対処しているかで不安症になるかどうかにわかれるとあったことから、この病気は誰にでも起こり得るので健康な人にも是非読んでほしいと思った。人間として確立して生きるためにも、周りの不安症への理解を深めるためにも。
「かくあるべし」が根底にあることで「かくある」とのズレが生じるほどに葛藤が生まれる。「かくあるべし」にとらわれてしまい現実から逃避している。そして不安は増大する。
精神的に病気になるのは、家庭での躾や暮らしと、外に出ることによる競争心の発達や規律などによる(学校が良い例である)。
性格は後で変わる。変わらないのであれば神経症が治ることはない。
不安は異物として取り除くのではなく本来存在すべきものであるので認める。不安と欲望は両立する。誰しもが持っているものである。
自分に都合が悪いことを勝手な理由付けにして自分を正当化すると、自分をさらに苦しめ、他人にも迷惑をかける。
不安神経症の人は、生への欲望が強すぎるのである。事実をそのままの姿で認めること、自己否定的欲求をそのままにしながら自己実現的欲求を従い実行することがあるがままであり、人間が進歩し、豊かで自由に生きられる。
「愛するということ」はこれも読み継がれており立派な内容なだけあって理解できなかった。読み終わってわかったことはほとんどない。それほど難解だ。フロイトの批判が多かったのが印象的。
愛は能動である。
性ではなく生である。
現代で愛することができる人はほとんどいない。
愛は技術である。
物事の習得には、規律、集中、忍耐、興味が必要である。
さらに愛の習得には、ナルシシズムからの脱出、謙虚さ、客観性、理性が必要である。
この本に書かれている事は、何度読んでも私には理解できないだろう。愛の習得も難しいだろう。だからこそ何度も読み返したいと思う。この本は今後も手放さないだろう。少なくとも、装丁が好みなので読まなくなっても手放すのに迷うと思う。この本はずっと読みたかったので見つけた時はめちゃくちゃ喜んだ。何度もその場で確認した。
「優しさと冷たさの心理」は副題通りの本。様々な種類の悪意ある人が、特徴や行動、その人たちの心の葛藤とともに紹介されている。
人生が悪化し始めたら人間関係が悪くなっている場合があるという言葉を他書で見て、参考に。現在の自分の周りにこのような人はいないか、その人たちと今後どうすべきかを考えるのに役立つと思う。また、自分がこのようなタイプの人間に当てはまっていないか、このような人と同じ心の葛藤がないかを確認し、自分を変えるために使う方法も良いと思う。
人間関係に困った時や、うまくいかないなと思った時、自分の人間性を確認したい時におすすめしたい。
不快感情を相手に持たせることによって自分の思い通りの結果を相手に求めるタイプ。自己肯定感が低いので自分を否定する人に近づき、自分を傷つける事で自分を正当化または守っているタイプ。色んな人が載っている。
自分に自信がない人は、一緒にいてその部分を刺激されない人といるべき。本当の自信ある人と付き合うこと。
好きより大切にしたいが成熟した考え方。
依存心があると現実を歪めて解釈する。周囲が嫌っている(いなくなって欲しい)と思っていることに気づき、自分も嫌われていると気づきたくないと思っていることを知ること。そして自分を軽んじて嘲笑っている奴らから離れること。奴らは自分の欲求を満たしたいだけ。一度の人生を無駄にしてはいけない。
性格が良い人は、素直な人である。捻くれていない人である。強い劣等感がない人である。そんな人はたくさんいる。
なぜ人は愛してくれる人からは簡単に離れられるのに、愛してくれない人には異常なほど執着してしまうのだろうか。
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