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七色のポエジー(書きとめておきたい古今東西の詩句

第448回 生への畏敬(シュヴァイツァー)

Zugleich erlebt der denkend gewordene Mensch die Nötigung, allem Willen zum Leben die gleiche Ehrfurcht vor dem Leben entgegenzubringen wie dem eigenen. Er erlebt das andere Leben in dem seinen.
(考える者となった人間は、すべての他者の生きる遺志に自己に対するのと同じ「生への畏敬」を持つべき必然を感じる。他者の生を自己の生のなかに体験するのである)
 
 ドイツの思想家、アルベルト・シュヴァイツァー(Albert Schweitzer, 1875~1965)の自伝『わが生活と思想より(Aus meinem Leben und Denken)』から。
 生命あるものはすべて生きようとする意志を持つ。それは自己を実現しようとする意志である。すべての人は自己の生きようとする意志を尊重すると同時に他の生命も尊重しなければならないと主張する。
 シュヴァイツァーは当時ドイツ領だったアルザス地方の牧師の家庭に生まれた。ストラスブール大学に進み、神学と哲学を研究した。同大学の神学科講師となった後、30歳から医学部で学ぶ。
 38歳で医学博士の学位を得、医療施設が貧弱だったアフリカ赤道直下のアフリカのガボンに赴く。医療と伝道のために活動を始め、その地に生涯を捧げた。多くの人々から〝密林の聖者〟と呼ばれ、尊敬を集める。41歳のときに提唱した〝生命への畏敬〟という言葉は世界平和のための人類共通の標語となった。

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