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七色のポエジー(書きとめておきたい古今東西の詩句)

第424回 死の体験(リルケ)

Wir wissen nichts von diesem Hingehen, das
Nicht mit uns teilt.
(この世を去ることについて、私たちは何一つ知らない。死は何も語らない)
 
 ドイツの詩人、リルケ(Rainer Maria Rilke, 1875~1926)の「死の体験(Todeserfahrung)」から。死は不知だから、それを恐怖に感じたり、憧れを持って待ち望んだりする必要はない、と続く。そこには死と和解し、静かに受容する心情が表れている。
 リルケは、この詩を熱心な庇護者だったルイーズ・フォン・シュヴェリン伯爵夫人の1周忌を記念して書いた。1907年に発表した『新詩集(Neue Gedichte)』に収録。
 その前からリルケはロダンに心酔し、そのアトリエに足繁く通っていた。そこでロダンの芸術観に影響を受け、事物に向かってをその内側から肉薄することを学ぶ。詩の作風も抒情性を排し、〝事物詩〟の傾向を強めていった。
 


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