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七色のポエジー(書きとめておきたい古今東西の詩句)
第283回 別れの詩(范雲)
洛陽城東西 長作経時別 昔去雪如花 今来花似雪
(洛陽、城の東西 長く経時の別をなす 昔、去りしときは雪、花のごとく 今、来たるときは花、雪に似たり)
南朝の文人官僚、范雲(はんうん、451~503)の「別詩(別れの詩)」。後輩の文学仲間、何遜(かそん)に贈った。
499年、斉の明帝の命により広州刺史となった范雲は、首都、建康を離れる。その翌年には国子博士となり、建康に戻ってきた。引用の詩はこの前後のことを詠っている。
洛陽は漢、魏、西晋を通じて都だった。南朝でも自分たちの都である建康の代わりに洛陽をしばしば都の意味で用いた。城東西は同じ町の東と西。経時別は長い時間の別離。范雲と何遜はともに建康に住んでいたが、高名な官僚かつ詩人だった范雲と無名の若者、何遜とは長い間面識がなかった。
ある日、何かのきっかけで何遜の詩が范雲の目に留り、范雲は高く評価した。それ以来、二人の交流が始まる。そして、何遜との再会を喜んだ范雲が頭書の詩を作った。