『ルーレットの支配者』
冷たい視線に垣間見える人間の性
強者になびき 弱者をあしらう
虚しさも今や懐かしい感情だろうよ
敗れた戦い 離れた人間 味わった絶望
全部まるごと俺を司る背景
悔しくないフリなんてしちゃいねえ
ありきたりの反論なんて聞かない
鏡の中で薄ら笑い浮かべて俺を指差すな
仮面被った悪魔が俺を得意気に裁く
答えはひとつじゃない
それぞれに大正解がある
お前の正義は俺の不義で
俺の正義はお前にとっての恥
螺旋の支配者のように
気付かないうちにまとわりつき
いつのまにか絡まる
鬱陶しい 煩わしい 邪魔くせえ
コソコソと罠を張り巡らし
捉えた俺を支配する
しがらみのようにしぶとく
粘りっ気があって かなくなで
いつも俺が犠牲になるのさ
ルーレットを回し始めた支配者は
その時をひっそりと待つ
暗がりはあいつらにとって恰好の時間
泥棒のようにコソコソ忍足を立てる
気付いた時にはもう遅い
詐欺師が今日もどこかで笑ってらあ
俺は神経を尖らせて周りを見渡す
どいつもこいつも心の中で俺を嘲笑う
溜め込んだ怒りは心を蝕んでゆく
ある時ガソリンをかけられた
烈火の如く俺は激しく燃えた
身体に負荷がかかり過ぎた
だが、時が経つにつれ
蝋燭の火が消えていく様に
怒りの炎は無気力へと変貌する
無気力状態は落ち着きではない
心は確かに痛んでいる
悲痛な叫びも虚しく
鼻笑いで一蹴される
俺は失意のどん底に落ちた
それでも少しばかりの望みに向けて
俺は叫び続け がむしゃらに足掻いた
だが ニンゲンの悪意に晒され続けた
弱者の叫びなど誰一人聞こうとしない
果たして俺が間違っているのか
あいつらの悪意が
世間では正しいやり方なのか
誰もわかりあえない
こんな狂った世界で
俺は今日も絶望と希望の間を彷徨っている
ちっぽけな街角に
知らぬ間に張り巡らされた
蜘蛛の巣の上で…
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