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持っていきたいのはそれじゃない-mixi2はじめました。

高校生の頃お世話になったmixiさんからSNSが出たということで、とりあえずアカウントを作ってみた。
UIは旧来のTwitterのようで、かつてのmixiのような長文日記主体とは違う。このあたりの変更は即効性重視な現代に適応しているのかなぁ思う。

しかし今後はmixi2をメインに稼働していくかと問われると、ないなぁ、というのが今のところだ。
イーロン・マスク氏によるTwitter介入、Xへの変更以来、様々に新しいSNSが登場した。
以前からあったミスキー、ディスコードへの注目、Instagramからのスレッズの登場、国内ではタイッツー、そしてなんといってもbluesky……。
その中では以前から持っていたdiscoの運用とたいつ、ブルスカの新規登録をしてみたものの……、結局X(旧:Twitter)に戻って泥船にしがみつきながらイーロンに石を投げている。
我ながら憐れだなぁ、と思う反面、やはりそこにはそれなりの理由があるのだ。

理由その1:人口の多さ

Xは何といってもユーザー数が多い。
まぁ、インプレゾンビとかスパムとか居なくてもいい奴もたくさんいるのだが…。
あらゆるジャンルの人々が一つのサーバ上に存在する。
これはなかなかない事だと思う。
例えば年齢や性別を超えた層に届けたいものがあるとき、Xのこの人口の大きさは武器になる。
あと個人としても、自分の興味がある話題、繋がりたい相手を幅広く選べるのはありがたいものだ。

と、いうわけで新規のSNSが生まれたとき、この人口差が大きな壁となってくる。
X全人口丸っと取り込むには新SNSは未知数すぎる。
そもそもこの莫大な人口は10年以上の歳月をかけて積み上げてきたものである。
いくら使いにくくなってきたとはいえ…新SNSがあっさり追い越せるものではない。

特に企業公式などはある程度の予算を組んでいるわけで、期中に突然引っ越します!とはいかないものだろう。
個人事業者だっていったいどの程度の拡散力、集客力があるか未知数のSNSにいきなりすべてを移行するのは難しい。

理由その2:人間関係

Twitterがこの世に爆誕して約18年である。成人済みだ。
私自身最も長く、継続的に運用しているアカウントが2011年4月からのものなので13年も使用していることになる。
そしてなんと…13年前からの付き合いなフォロワーが数十人いる。
(継続的にリプライなどで交流があるフォロワーのみ)
そう、13年分の人間関係がそこにあるのだ。
ちなみにメインアカウント(二次創作)は2018年からの運用なのでこちらは6年程度なのだが、継続的にオンオフで交流のあるフォロワーがやはり複数いる。
Xを捨てるということはこの人間関係をすべて捨てることになる。

さすがに5年以上、10年以上の人間関係を捨てるのはなかなか勇気がいる。
そんな人は私だけではないはずだ。
フォロワーと示し合わせて引っ越し先のSNSを探そうにもそれぞれ私以外とのつながりもある。
そんな網目のような繋がりをすべて持ち出すなんてことは不可能だ。

理由その3:インフラ化

理由1の人口の多さと理由2の人間関係を合わせた結果ともいえる。
もはやX(旧:Twitter)はインフラであるといっても過言ではない。
公共機関、企業、それぞれが公式のアカウントを取得しており、広報だけではなく、災害時の情報発信などにも用いられている。
また、顧客や住民からの問い合わせ情報の拡散なども行われており、もはや情報インフラである。公共ラジオとか地域掲示板とか新聞や情報誌とか、そんなレベルになっている。
インスタやFacebook、TikTokと併用しているところもあるが、それはあくまでもユーザー層の違いを考慮してのこと。
代替にはなりえない。

例えば地震があればXの速報で震度や震源地を確認するし、その後のサポート情報も各自治体サイトだけではなくXから情報を探す。
企業からの支援情報や人探しだってXと現地掲示板の併用である。
新SNSがこの代わりを担うには10年とは言わずとも、それなりの時間をかけたユーザーの拡大が必要だ。

まとめ

この度、mixi2に触れてみてそのUIは素晴らしいと思った。
ポストに追加できる効果や反応、アプリの仕様はいい感じだ。
しかし、これがXに代わる新たな居場所となりえるか、といわれると微妙である。
Xのフォロワーが全部ここにいるわけではないし。
なんならほぼいないし。
ブルスカも似たような感じだ。

結局、まだしばらくXにしがみつきながら引っ越し先候補たちへの投稿を増やし、フォローを拡大を徐々に進めていくしかない。
これは地道で時間のかかる作業だ。
そしてそんな時間のかかる作業を私だけではなく多くの人が実践して初めて、mixi2やブルスカはXの地位を奪うことができる。
そう考えると現実的にはかなり難しそうである。

Xが完全にサービス終了しない限り、そんな日は来ない。
つまり、イーロンが飽きてXを閉じたときこそ、本当の移動の時であり、たぶん永遠に来ないのだろうなと、今日も泥船から世界を眺めている。

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