侵入思考
あるいは突然現れる不快、望ましくない、またはコントロールしにくい考えやイメージを指します。これらの考えは多くの人が日常的に経験するものであり、必ずしも問題になるわけではありませんが、
内容や頻度によっては心理的苦痛を引き起こすことがあります。
嫌な考えの囚われ
例えば先のことを見通すという意味では、「外出の時に火を消し忘れたのではないか」「鍵を閉め忘れたのではないか」という頭によぎることは誰しも起こりえます。
これは人間に本来備わっている直感力です。
しかしこれが悪癖になると望んでいないのに頭に浮かんでしまうこと。
意図せず現れる考えやイメージに勝手に想像してしまうんです。
友達といて、崖の近くに訪れたら「突き落としたらどうなるんだろう」みたいな考えをよぎってしまうのも、実は多くいるのではないのでしょうか。
他にも地下鉄が近づいて「ここで誰かが飛び降りたら・・・」、皆の前で「突拍子のないことを言ったら」・・・等。
私も結構な侵入思考の持ち主です。ちょっとした悩みでもありました。
見極めは無感情で頭によぎったかどうか
多くの場合侵入思考は一過性であるので自然に消えていくのですが悪癖になってしまうとそう簡単に消えません。度重なることで「また余計なことを頭によぎってしまった・・・」と罪悪感が出てしまうからでしょう。
ただ「こんなこと考えてしまった自分は最低だ」と責めることは止めて「考えてしまったものは仕方ない」と割り切ることが大事です。(ほとんどは本人の前でそのことを口にしていないですし)
感動する時って思考からでしょうか?いいえ、そういう時は心からです。
特に感情を伴わずに思考が
「ただ現れる」だけの場合は脳の悪戯と思ってください。
その後に心理的反応として罪悪感が出ます。←真面目で優しい人だとそうなります
これは度重なる失敗への過剰な防衛反応です。
同じ失敗を犯さないようにと未来への危険を回避してる能力みたいなもので「ただの脳のノイズ」として受け流すこと。
しかし病的になると話は別
ストレスや強い不安があったり過去のトラウマ経験が侵入思考の引き金となり強迫性障害になってしまいます。
例:「あいつが襲ってきた」「盗まれた」等。
罪悪感、不安、恥、怒りなどの感情が生まれいつしか想像が妄想となり、現実と区別つかなくなります。
そういう場合は専門家に支援してもらい、治療するしかありません。
受け入れる
侵入思考は誰にでも起こる「正常な脳の働き」の一部であると理解するしかありません。抵抗や排除しようとせず、「ただの思考」であると受け流す。
思考を「自分自身」ではなく、単なる「脳の活動」として認識することです。
しかし原因がそれぞれ異なる為、「幼少期からのトラウマの影響」なのか「今、心が不安な考えを見せている」のか「ただの悪癖なのか」と自分で知らなきゃいけない。
なのでマインドフルネスや瞑想をして心を穏やかにする時間を作ることです。あるいは運動や睡眠、ストレスを軽減する生活習慣等。
けども責めない。「出てきても気にしない」という態度が重要です。
※先ほど書いたように病的レベルになると話は別です。病的だと自分で自分を知ることが出来ない人がほとんどだからです。
心と脳は別です。
こういうタイプは侵入思考以前の問題
頭によぎったからといって、目の前で余計なことを言わないと気が済まない人は人格の問題ですので関わらない方がいいでしょうね。理性がないってことなので。
正直に生きるのと、不愉快なことを想像してあえて言葉にする人は別。
ちなみにチック症という脳と神経の機能障害がありますが、不随意性からの自分の意志とは無関係に動作や音が出るので侵入思考と全然違いますので誤解なきようにお願いします。
侵入思考が無感情であるかどうかを綴りましたが元々あった強い感情を伴う場合もあります。後者だとちょっと生きづらいと思います。
どちらにせよ、それが「自分の本質」や「現実」ではなく単なる思考の断片であると理解することが適切に対処する為の第一歩です。
ほとんどは頭によぎったからといって実際その通りに出来るか、となればほぼそんなことは出来ません。ちゃんと理性があり、抑制出来るのが人間というものです。
ここから先は
¥ 100
実るほど頭を垂れる稲穂かな