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自作ぬいの服を印刷で作った記録【推しぬい】

はじめに

自作ぬいを作り始めて約1年。
約10体のぬいを作り、一応服らしきものを作ったりしたものの
一向に服を自作することができず壁にぶつかっていました。
市販のぬい服は自作ぬいにはサイズが大きく、かといって服を自作しようにも生来の不器用さを発揮してうまく作れず、理想の服の再現には遠く及ばない日々が続きました。

百均のぬい服。でかくてブカブカ
靴下から作れる簡単ぬい服。やっぱり手足が出ない
友人のヒカセンを作ったもの。服のサイズを修正したけどやっぱでかい


そんな歯がゆい日々を過ごしていた最中、ふと、市販の版権ぬいはどのような構造で作られているのだろうと思い立ったのがきっかけでした。
そして、クレーンゲームで入手できるぬいや市販ぬいのほとんどが
胴体に服を印刷しているタイプ
であることに気づき、それならぬい服も印刷すれば解決では……?
と力技で解決することに。
そんな力技オタクのぬい服印刷の過程を記録したものとなります。
目次で項目分けしているので読みたいところだけどうぞ!

※今回印刷したのは公式の二次創作規約で個人利用の範疇でのぬいぐるみ作成が許諾されているジャンルのものとなります。
※版権ぬいぐるみの服を印刷する場合は各ジャンルの規約に従っての印刷作成を推奨します


印刷所選び

まずは印刷所選び。
といっても、ぬいぐるみ用の布を扱っている印刷所は少なく
自分の知ってる範疇では下記の2つでした。
(今後増えるかもしれないので増えたら嬉しい)

①ぬいプリ
②日光企画 池袋工房


①ぬいプリ


以前の記事でも紹介した、自作ぬいぐるみ用の布や道具を扱っている
グッズプロさんがやっている
布にプリントしてくれるサービス。
グッズプロさんは元々のぼり布の印刷サービスを主としているため、
布への印刷が本業の印刷所です。

印刷できる布の種類は2種類。

  • クリスタルボア(ソフトボア)

  • ぬいレックス(ナイレックス生地)

サイズはS・M・Lの3種類があり
それぞれ価格は
S:2235円(10cm*10cm~30cm*30cm)
M:2655円
(40cm*40cm~60cm*60cm)
L:3075円
(70cm*70cm~90cm*90cm)
※価格は各最大サイズ内であれば同じ
(例:10cm*10cmと30cm*30cmはSサイズ内なので同じ価格)

ソフトボアのM50cmとぬいれっくすのM60cmで注文しました。

■良い点
・色味の再現性が抜群
昇華転写はその性質上、色味がかなり暗く(濃く)出がちなのが
とても鮮やかな発色で届きました。
他の方のレビューにもある通り、かなり発色がRGBに近いです。

■注意点
・推奨dpiを守ろう
とても当たり前のことではあるんですが、印刷所の推奨dpiは守って作成しましょう。
グッズプロさんのぬいプリの推奨dpiは150
印刷物をよく作るオタク、うっかり350dpiで作って、印刷されたデータが仕上がり線ピタピタになりました。反省。

一応psdを扱えない人向けにpngやjpg入稿もあるらしいですが、その場合の実印刷時のデータズレは起こるかもしれません。ご注意ください。



②日光企画 池袋同人工房

同人印刷所として有名な日光企画の、池袋にある実店舗。
『池袋同人工房』で布にプリントしてくれるサービスです。

印刷できる布の種類は2種類。

  • ソフトボア(在庫限りなのでご注意を)

  • ポリエステルスエード(ナイレックスのように起毛の少ないもの)

サイズは1サイズで280mm*190mmのみ。
1枚あたり
平日:750円
休日:850円

初めてのぬいぐるみプリントとしては手が出しやすい価格帯であるため、布印刷のイメージ感を掴むのにオススメです。

11cmサイズの胴体であれば1枚で余裕で作れるサイズでした。
ただ、大きめのぬいや、顔や髪の毛も印刷で作ろうとする場合はデータが2枚分必要になりました。
池袋の工房にUSBに入れたデータを持っていき、転写用の紙を印刷してもらいます。
それ以降の布に転写する工程は自分の手で行います。
そのため、万が一転写にしてしまった時や、うまく印刷が映らない場合などに備えて予備の布分もプリントすることをオススメします。
※余談ですが、池袋同人工房のぬい布プリントやその他の会計で5000円に到達していると、「新刊カード」が1枚もらえます。



データ作成

印刷用の実データ

各印刷所のテンプレートをDLし、データを作成していきます。
今回は、推しぬいBOOKの11cm用の胴体に印刷しようと思っていたため、推しぬいBOOKの型紙の上に絵を描いてデータを作りました。
裁断ラインがわかるよう、線画を残して背景に色をいれて白い服との境界を作っています。
裁断に自信があるばあいは線画非表示の方が印刷時の見栄えはよくなります(たぶん縫ったあともきれいにみえる)

推しぬいBOOKの型紙はデータ版が存在しないため、写真をとって大雑把な形をつくり、ペイントソフトの定規で実際の縮尺を合わせて作成したものとなります。
(データが配布されている型紙の場合はもうちょっと簡単に作れます。たぶん)
ソフトボアに印刷する場合は毛並みの向きも関わってくるので、データ作成時には注意が必要です。

印刷

池袋同人工房のぬい布プリント

池袋同人工房さんのぬい布プリントで印刷した図。
作成したデータより、乗算20%くらい濃い目に出ました。
灰色と緑の表現が苦手なのか、グレーと青緑の箇所が青味が強めに出力されています。
赤系は比較的きれいにでますが、やっぱりやや青み寄りに出るので、色味周りは一度確認しつつ印刷してみるのが良いかもしれません。
印刷中にインクが跳ねたり、自分の昇華転写のタイミングで布がずれちゃって端が切れたりとトラブルもあるので、予備は大事だなと強く思いました。

切り取った図

両面印刷ではないので、切り取ったあとは自分でぬいしろラインを写して縫っていきます。

縫製&整え

今回印刷したのはソフトボアですが
日光企画さんのソフトボアはほとんどボアという感じがないくらいに起毛感は薄め。
白い布に印刷しているため、切った布の断面は白くなります。
濃いめの色を乗せて髪の毛を印刷する場合は注意が必要です。

胴体を作っていきます

1胴体を縫って綿を詰め、上着を裁縫上手で作っていきます。

折り目を合わせて
裏側。かなりきれいに印刷されています
裁縫上手で留めました
裏面

上着などがある場合は、縫い合わせでもいいのですが
小さくて薄い布なので裁縫上手を使ってしまう方が楽でした。
デフォルメの具合などがちょっと難しかった印象ですが
概ね想定通りのサイズ感になりました。
このあたりは何回か繰り返してなれる必要がありそうです。
上着の型紙は浴衣の上着をちょっと改造して作っています。


胴体と合体

ちょっとだけ腕が長め

元々作っていた頭と差し替えます。

裏面

推しぬいBOOKさんのぬいの胴体型紙に印刷しているので違和感なくフィットしました。
ちょっとだけ色味が暗くはありますが、望んでいたクオリティのぬいに近づいたので満足です


おまけの色比較

ぬいプリさん(左)と池袋同人工房さん(右)

同じデータで印刷比較を出してみました。
元々がそこまで暗くでていなかったこともあり、大きな差はありませんが
実物単位でいえば、少しだけぬいプリさんのほうが鮮やかに出力されています。
また、ぬいプリさんのクロスボア印刷は、普通のソフトボア生地と同じくらいもふもふの布に印刷されてくるため、濃い色で胴体を印刷して綿を詰めるとボア生地の白が見えて悲惨なことになってしまいます
洋服の印刷として使う場合はぬいレックス生地への印刷をオススメします。

これは別のキャラの胴体を印刷したもの


ぴよぴっこさんの100均服がきれる13cmの型紙


左から順に13cm、11cm、15cm

やっぱり洋服印刷するといい感じにぬいぐるみのクオリティが上がる気がします。
洋服を描いて印刷し、縫い合わせるのは根気がいりますが、その分完成した時の満足感は高いのでぜひ。

この記事が良い推しぬいライフの一助になれば幸いです。

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