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WIP No.2 (その1)

どうも。
今回も制作過程をお伝えしていこうと思う。

今回の絵は紙をアルシュ水彩紙を使用している。
紙自体書き味が様々で、また同じ紙を使用しても使用者によって全く別の表現になってくるから不思議なもので。
他の紙と比べると、絵具の吸収力がとても違う様に感じる。紙自体に厚みがあり、描き心地もコットン100%なだけありふわっとした描き心地。ぼかした表現も鉛筆の筆圧さえしっかり均等にすればぼかしやすく感じる。H系の鉛筆でもしっかり色が入るため、とても重宝している。防カビ加工もされているらしく、日本の湿度の高さから作品の保存にも適した優秀な紙だと思っている(故に高級品である)。

マルマンさんが出しているブランドなので、よかったらURLを見てみてほしい。

さて。
話が逸れたが、今回は人物画を描いていく。
サイズはF3号。パネルに水張りを行い描いていく。

当たりをつけている一番最初の段階。
鉛筆の筆圧が紙につかないようにふんわり描いていく。HB〜B (ハイユニ)

最初は画面にどれくらいのサイズ感で描くかざっくり描いていく。(ただこの段階に入る前にあらかじめクロッキーを行っている。)微調整を行い、本格的に骨描きを行う。



当たりを参考に細かく描きたいところを描いていく。修正もその都度行う。

練りゴムを手で長く伸ばし手で筒状に捏ね、ローラーの様に最初に描いた当たりをかすかに見えるくらいにまで消す。その当たりを参考に骨書きを行っていく。
練りゴムはパサパサしているものより少し粘り気があるものの方が扱いやすい。ステッドラー社のグレーの練りゴムがおすすめである。


背景の植物
シンビジューム バンダ ダリア ドラセナ ストレリチア

背景に花を描いていく。蘭系の植物を今年はよく描かせていただいている。植物の持つ水分がしっかり入った花びらの肉厚感をこの段階で意識しながら描く。

こういった細い作業をする時に昔は後から書けばいいと思って前もってしっかり書き込まないと後から痛い目を見ていたことを思い出してしまった。(笑)
ただ、『最初に書かなければいけないもの・中段で書込みをしたほうがいいもの・最後に書き込んだ方がいいもの』の大まかに3段階はあると思っている。
最初の段階で描き込み過ぎたら最後の仕上げの段階で、最初に書き込んだ箇所が悪い影響を生んでしまったなんてことが度々あるので、足し算と引き算をしっかり考えながら作業をしていかなければならない。こればかりは自分の手ぐせと書き進めたい道筋によって若干変わってきたりもするので、これが正解です。とは言えないが。。


画面が破れている表現を描いていく

最後に『破れた画面』の当たりをとっていく。私の作品は初期作品からしばしばビリビリとした画面が破れた表現を行っている。

人間の記憶は時間と共に薄れ、断片としてしか残らない。良い思い出も悪い記憶も全て時間と共に経過し、朽ちていく

そんな、時間と記憶をテーマに制作活動をしていた。
この表現自体しばらく発表を行っていなかったが、今回は着彩を始めたということもあり、再度挑戦していこうという次第である。

今回はここまで。
次回から着彩と本格的な書込みについての投稿を行います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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Ayaka Itakura 鉛筆画家
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