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短編集

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短編集まとめ
運営しているクリエイター

#シュール

スイカズラ

走馬灯のような夜だった。 まるで、走馬灯のような夜だった。 背の高い建物は何もないのに、…

m.
2年前
4

夾竹桃

先生、もうずっと視界が藍色なんです、先生。 あ、いや、灰色じゃないんです、あの清々しいよ…

m.
5年前
20

ケロイド

子うさぎがその小さな爪の中で歯車を飼うように、僕はケロイドの中で黄金虫を飼っている。 …

m.
5年前
10

白昼夢の詳細と日記

今日こそくたばるぞと思いながら起床する。 床に溶け込みそうな身体を引き摺って 青い錠剤と数…

m.
5年前
15

芍薬

あぁ、どうも。随分と久方ぶりだねえ、調子はどうだい?睡眠は?まぁまぁ、か、そうか。 眠る…

m.
5年前
9

回想

午前5:20、白くなった空と液晶の青い光が網膜を刺す。 途端、後頭部から背骨の途中までぱっく…

m.
5年前
8

ドクダミ

雨晒しの脳髄に少しずつ赤錆が湧いている。 どうにかせねば、と思いながら、雨を防ぐ傘は生憎持ち合わせていない上、雨宿りの出来る屋根を見つけることも出来そうにない。 無論、生温く垂れ流される雨を止ませる事など不可能にも程がある。 アスファルトと湿度の匂いから、雨が降ることは想定何となく察しは付いていた。しかしながら、傘を持つ習慣のない私は、どうにかなるだろうと高を括って家を出た。そうして、案の定このザマである。 あの日、ぼんやりとした頭で雨の臭気を鼻腔に溜めて出た家は、もは