ヴィジュアル系、結婚するな
ヴィジュアル系バンドマン、結婚するな。
本気で思っている。
わたしはアイドルも好きだけれど、アイドルが結婚することよりもヴィジュアル系が結婚する方が嫌。
嫌というか、きつい。
ヴィジュアル系という、不満や怒り、絶望を歌うバンドマンがのうのうと結婚して、幸せの渦中から絶望を歌うなよ。
絶望は孤独な「こちら側」のものだ。
結婚して守るものがあって、そのまま絶望を歌うな。
その絶望なんて本当の絶望じゃない。
昔好きだったバンドのボーカルが、自分の人生を進めていくうちに、絶望や怒り、哀しみを歌っていた頃の歌詞が歌えなくなったなんていうことをインタビューで語っていた。
そんなことをインタビューで語るな。
だからつまらなくなったんだ。
救われたくて、なにかに縋りたくてヴィジュアル系バンドに出会ったのに、なぜ、お前が救われるんだ。
救われるべきなのはこちらだろう。
色んなバンドマンを敵に回しそうだが、
本当に勝手なバンギャルなので、無視してほしい。
わたしは、孤独からしかヴィジュアルロックは生まれないと本気で思っている。
すぐ隣に、一番の理解者ともいえる一緒に生きていく人間がありながら孤独や絶望を歌って悦に入るなよ。
もうすでに自分から遠いところに置いてきた絶望や哀しみを、思い出して作った見せかけの絶望を歌って飯を食うなよ。
「こちら側」の怒りや憎しみ、絶望を舐めるな。
お前の孤独や怒り、絶望から生まれた曲にどれだけ励まされたり感動したと思っているんだ。
これからもずっと孤独なままヴィジュアルロックを歌ってくれよ。
結婚なんていう凡庸な幸せを掴むな。
そしてそれを公開してくれるな。
ヴィジュアル系バンドマン、絶対に結婚するな。