見出し画像

地方移住の理想と現実

 働き方改革が今はどの業界でも叫ばれていて、勤務時間の短縮や、勤務時間帯の変更、テレワークが広まりつつある。そんな中、都心から地方へ移住する人や、都心と地方の2拠点暮らしをする人が、今、増えていて注目されている。中には仕事を辞め、農業や移住先の地元企業に就職したり、起業したり、新しい暮らしを田舎で始める人がいる。

そして、もれなく私もその1人だ。夫と2人移住した。以前登山で訪れた三頭山に行った場所で、知り合いもいない、何のゆかりもない、人口2200弱の村へ、2019年の8月に移住した。子供達の代わりについてきてくれたのは、愛犬だけだ。シティボーイとして育った彼には試練となる古民家暮らしだ。

現役の学生である子供達は都心に住まわせている。「2人で楽しんで暮らしてね」と、逆に子供に送り出された夫と私。早くも2か月が過ぎようとしている。

「村の人口を増やしたい!もっとたくさんの人に来てもらいたい!」そう意気込んでいた私が、2か月経った今、わかったことがある。

村人の思いと、移住者の思いとのギャップがあるという事。

若い人が減ってきているので、村人も、若い人が増えたら良いなぁと思っているのは確かだが、よくわからないような人がやたらと増えて、村が荒らされるのは困るというのが村人の本音だ。都会で人間関係がうまくいかなかった人が、田舎は自然が多く癒されるからとよく調べてもいない地方へ移住する。でもじつは田舎は都会より人付き合いが濃厚で、うまくいかなかった人では、逆にもっと難しかったりするのだ。

私が住んでいる村は、ハード面の環境はあまり整っていないが、ソフト面では受け入れる体制が整っている。こちらが本気で関わろうとすると、ウェルカムな人達。お陰様ですっかり居心地の良くなったが、一方、違う町や村では、移住者をよそ者として、全然受け入れてくれないところがあるという。

そうなると、都会にいる時より、むしろ、頑張って積極的に関わって、こちらから接していかなければ、仲間として迎えいれてもらえない。

よく考えてみたら、どこにいたって同じなのだ。田舎だからみんな優しいし、移住してきたら人口が増えるから喜んくれるよね、なんて、勝手な思い込みでしかない。

そもそも、どこに引っ越しするにも下調べは必要だ。移住する前に何度か足を運んで、現地の声を聞かないと、何ヶ月か住んで都会に帰るなんてことになりかねない。実際に冬の寒いさに耐えられず、出て行った人もいた。さすがにそこまで下調べ無しの人はどこに行っても同じだろう。

地域によってはいくら空気がよくて環境が良くても、医療機関が遠く、持病を診てもらえる病院まで1時間以上かかるところもある。山間部では発作やが起きても救急車が来るまで時間がかかるなんてざらだ。

そのためには住みたいところには何度も足を運んで、その土地が本当に自分に合っているのか?自分とその土地とのフィーリングが大事だ。実際に生活が出来そうかどうか調べることが大切だ。

今は田舎でも民泊で泊まれるところも増えている。まずは1週間〜2週間、過ごして、その土地の人に聞いてみることをおすすめする。














よろしければサポートお願いします。いただいたサポートは村でスタートさせる様々なチャレンジのために大切に使わせていただきます。