HALOのはなし 第2話「コールアウトのはなし」
<はじめに>
お疲れさまです。てろてろです。
今回はコールアウトについてのアレコレを書いていこうと画策しております。そもそも何故に初回のまともな記事が立ち回りでもなく、エイムでもなく、コールアウトなのでしょうか?それは・・・
"日本人が最もおざなりにしがちで、かつレベルも低い"
と同時に、
"これを少し改善するだけで、チームのパフォーマンスは飛躍的にアップする"
という、チームFPSの隠れたボトルネックである(ことが何故か広く知られていない)からです。ちなみに、なぜ日本人がコールアウトが下手なのかというと、それは日本が単一民族国家で、さらに公用語である日本語の言語学的構造に起因しており、これを語るにはこのページの余白はあまりにも少なすぎる。(フェールマーの最終定理みが深い)
そんなこんなで、今回の記事のゴールを以下のように定めます。
・コールアウトの重要さを理解する
・コールアウトで重要なことを理解する
<コールアウトとは>
・ことばの意味
そもそも「コールアウト」とは何でしょう?なにか人語を発すればいいのか、コールインと対称的な言葉なのか、なぜ横文字なのか。困ったときはググれって亡くなった祖父母も言っていた気がするので調べてみました。
__叫ぶ、掛け声をかける
__〔軍隊などを〕召集する、出動させる、動員する
__(人)に挑戦する、(人)を非難する
☝こんな感じでした。皆さんどれが大事だと思われるでしょうか?僕が思うに中段の「出動させる」というのがニュアンス的に大事だと考えています。何故か。それはコールアウトにおいて大事なのは
"相手に行動変化を起こさせる"
ことだからです。言い換えれば、コールアウトとは立ち回りの1つの側面なのです。チームにコールアウトすることでチームの立ち回りが向上する機会が与えられ、チームのコールアウトを聴くことで自身の立ち回りが研ぎ澄まされるのです。僕いま良いこと書いたんで皆さん忘れずにメモってください。テストには出ません。
・チームゲームのコールアウトの難しさ
ここではHALOに限らず、チームスポーツとしてのコールアウトの特性につて少し考えてみようと思います。例えばAPEXという3人1組のゲームがありますが、単純に人数に対するコールアウトの密度についてHALOと比較しましょう。
"3人から4人になるから1.3倍くらい混雑するんじゃないの?"
と思われているそこのアナタ。間違いです。
正解は「2倍」になります。詳細を見ていきましょう。
と思いましたが、説明が面倒なので端折ります。数学の「場合の数」で用いられるコンビネーションを使って考えると、
3人チームの場合のコールアウトの数は
「3×(1+2C2+2C1)=12」
4人チームの場合のコールアウトの数は
「4×(1+3C3+3C2+3C1)=24」
となります。一応( )の中の注釈だけ入れると
(自分に関するコールアウト)+(チーム全体に発するコールアウト)+(個々、もしくはチーム内のグループに対するコールアウト)
といった感じです。
こんな話をして、小生は何が言いたかったのかというと
"4人チームのゲームは情報が錯綜するんだから、質の高いコールアウトをしないと勝てんじゃろ"
ということです。5人やそれ以上のチームゲームなら言わずもがなです。
<コールアウトの種類>
ここでは、HALOにおけるコールアウトの種類の深堀り、そこから良い/悪いコールアウトの話へと舵を取っていきましょう。HALOのコールアウトは以下の3種類に大別されると私は考えています。
①情報共有
②指示
③鼓舞(その他)
それぞれ詳細を見ていきましょう。
①情報共有
自分、敵チーム、またはMAPの情報を味方に共有するためのものです。
例えば
・俺ワンショ
・XXに2人
・YYにソード落ちてる
などがあり、これらのコールアウトは総じて
"自分以外の仲間に対して、立ち回りの変化の機会を提供するもの"
となっています。ここで敵チームに関するコールアウトですが、以下の要素、順番で知らせることが重要になってきます。
壱_どこに
弐_何人
参_何の武器を持った
肆_だれだれがいる
場合によってはそれぞれの要素が欠ける場合もありますが、この順番で情報を回すのがベストです。「壱」は右スティック(視点)のみで解決する場合があり、「弐、参」は左スティック(移動)の変化を要求するという意味で緊急度合いが違うからです。「肆」の要素は忘れられがちですが、チーム内のミスコミュニケーションを防ぐ、もしくはアーマーの一部のみの視認で敵の装備を特定できるという付加情報を共有できるのでなかなか侮れない情報になります。
②指示
文字通りです。
例えば
・XXから旗運ぼう
・ロケ取りたいから一緒に来て
・OSまで20秒
・一回リスそろえてB行こう
などがあり、これらのコールアウトは総じて
"自分を含めたチームに対して、立ち回りの変化を促すもの"
となっています。さっきの情報共有においては立ち回りの変化を判断するのは聞き手側ですが、これはコールアウトする側が味方の動きを強烈に誘導するものとなっています。野良試合や混合カスタムではなかなか出しにくいコールアウトですね。わかります。しかし、この指示ができないと強豪チームでも高いレベルのゲームコントロールを遂行することは困難です。練習しましょう。
ちなみに例で出した「OSまで20秒」というコールアウトは情報共有ではないか?と考えたそこのアナタ。浅いかもです。このコールアウトは、ほぼ上の「ロケ~~」と同義になります。海外では「Play for XX」といった形でコールアウトされ、強武器が出現するタイミングで強武器周辺のマップコントロールができるように動けと強く味方に働きかけるものになっています。
③鼓舞(その他)
ゲームの状況に関係のないものです。
例えば
・ナイスキル!
・おしい。ナイストライ!
・俺最強卍
・原神カミゲー
などがあり、基本的に戦況自体を大きく揺るがすものではありません。
しかし、これらにも重要なファクターが隠されています。それが
「パフォーマンスの向上、維持」です。人に褒められるとうれしい人は多いと思います。そしてもっと頑張ろうと思う人もいるかもしれません。また、声を張り上げることで自分自身を鼓舞し、いわゆるゾーンに入りやすい状態に持っていこうとする人もいるかもしれません。大事なことは、
"ゲームに必要なことだけが、ゲームで大事なことではない"
とういう事ですね。ダイバーシティにも目を配りましょう。
次は良いコールアウトと悪いコールアウトについてです。私が思うに、コールアウトで重要なのは
"いかに頭を使わずに情報を与え、受け取るか"
です。コールアウトが立ち回りに影響を与えるというのは上で書いた通りですが、コールアウトに集中しすぎてパフォーマンスが落ちてしまうようでは本末転倒です。そしてここでは良いコールアウトよりは、ついついハマってしまいがちな悪いコールアウトについて認識することを主目的にします。
悪いコールアウトの例を以下に羅列します。
壱・・・「何回も言う」
集中すると、よく同じコールアウトを複数回繰り替えす、もしくは「~~了解」と復唱される方が散見されます。伝えたい気持ち、伝わった確認などを行いたい気持ちは分からなくはないですが、特に意味のない情報です。
弐・・・「マイX(エックス)、俺のXX(上、下など)にいる」
まず「お前どこだよ(半ギレ)」という話です。コールアウトの前提は味方に過負荷をかけないことですので、矯正しましょう。逆にまともにプレイしている味方のパフォーマンスを落としてしまします。マイX(HALOでは自分が倒されると味方からXマークで表示される)は古参の方も多く使われていると思いますので気を付けましょう。
参・・・「あ~、ごめんっ」
わかります。僕もよくいいます。しかし死ぬまで繰り返しますが、情報は鮮度が命ですので接頭辞は要りません。日々のプレイ時はともかく、チームでの練習時は意識すると良いでしょう。
<練習方法>
コールアウトの種類について学んだところで、この章ではコールアウトの練習方法について述べていこうと思います。
①個人での練習方法
とは言いつつ、何から始めればいいのかわからない人も多いと思います。なので以下に例として2つほど練習方法を皆様に伝授しようと思います。役に立ったという人はぜひ良いねボタンとチャンネル登録をお願いいたします。☜
壱・・・「独り言戦法」
名は体を表す。いつからコールアウトはduo以上じゃないとできないと勘違いしていた?要は、目に入ってきた情報をそのまま口からアウトプットすることに慣れるということです。相手がいないので、誤情報を与えて殴り合いいなるリスクもありませんし、ご家族がおられる方には「一緒にゲームをしてくれる友達がいるんだ・・・ホッ」と安心を与えることもできます。ここからは少し上級者向けに、この練習で気を付けることは2点挙げます。1つは
"頭に浮かんだコールアウトはできるだけすぐにコールアウトすること"
と、2つ目は
"コールアウトしながらエイムをすることに慣れること"
です。これらを意識したうえでのゴールは、コールアウトすることに対してできるだけ脳のリソースを割かない、この1点に尽きます。情報は鮮度が命。0.1秒でも報告が早ければそれだけ味方のカバーが入るタイミングも早まりますし、エイムしながらコールアウトできる人はもう神的にgiftedなsomethingです。
弐・・・「無音殺法」
コールアウトとは言うことも大事ですが、コミュニケーションの1つである以上、「聴く」事も非常に大事な能力になってきます。この記事を上から下に読み流している皆様も、"エイムに集中して大事なコールアウトを聴けなかった・・・"とか、"コールアウトを言うのは出来るんだけど、漏らさず聞くのは苦手なんだよね・・・"といったご経験のある方は少なくないのではないでしょうか?そんな時はこれ。「無音殺法」!これは僕も実践していた時期があり、効果を如実に実感した方法です。具体的にどうするかというと
"ゲームを無音でプレイ(2人以上で遊ぶとき)"
します。これが何故練習になるのか?それは
コールアウトをちゃんと聴かないとまともに勝負できないからです。やってみればわかりますが、MAPのどこで打ち合いが発生しているのか、壁際に置きグレがあるのかないのか、足音での索敵などなど、びっくりするくらい今まで音に頼ってきたことを痛感できます。それと同時に試合中にいかに味方のコールアウトを聴いて行動を決定することが重要かという事にも気づくことができるでしょう。一応この練習方法の利点も少し挙げておくと、音がないのでエイムに集中しやすいのと、音からくる疲労は少ないので長時間プレイしやすいとかいったものがあります。
②チームでの練習方法
構成上、練習方法と表記していますが、ここではチームでコールアウトをするうえで注意したほうが良い事項というような実践論について書いていこうと思います。
チームでのコールアウトに関しても、発するコールアウトは前章で述べたものと種類は変わりません。ただ、チームでゲームをするという事はコールアウトを受けるチームメイトがいるという事。つまり、コールアウトをきちんと聞いてもらうことが重要になるという事です。
まず気にしてほしいのは「音量」です。これは環境という要素と声量という要素に分かれます。環境という意味では、各自の音量出力を調整できるチャットツールDiscordがおすすめです(案件ではありません)。声が大きい人もいれば小さい人もいるし、デバイスの種類によって聞こえ方も千変万化です。是非チーム練習を本格的に始める前に、各自のコールアウトが最も聞きやすいボリューム調整を心がけましょう。声量という意味では、逆に自分が気を付けなければいけない要素です。大事で緊急な事象は少し大きな声量で、比較的重要度の低い情報連携は最悪ほかの人の重要なコールアウトにかぶせられてもいいように小さめにコールアウトするのもテクニックです。
次の要素は「抑揚」です。siriみたいに機械的にコールアウトするのは情報が均一化しすぎて聴いている側も聞き流してしまう可能性があります。上の声量と合わせて「ガ↑チ↓ワンショ!」とコールアウトすれば大抵の味方はカバーしてくれることでしょう。
ただコールアウトの強弱に対しての是非は諸説あり、味付けをすることで過度に自分や味方の脳のメモリを圧迫してしまっては逆にパフォーマンスが低下することが考えられます。本当に理想的なのは、一定の音量で機械的にコールアウトして、聴く側もすべてを聞き取って処理することですが現実的にそれを忠実に遂行できるスキルを持つ人物はほんの一握りでしょう。何事も塩梅が大事という事です。
<終わりに>
いろいろと宣って参りましたが、本記事の内容はあくまで筆者の主観であることを忘れてはなりません。個人ごとに効果的な練習方法はあるでしょうし、各チームにフィットするコールアウトのカタチはチームの数だけあるでしょう。ただ気にしておいてほしいのは
"エイムや立ち回りはゲームやってればうまくなるけど、コールアウトは練習しないと一向にうまくならない"
ということです。皆さんもぜひコールアウトを練習して、効率よく上手くなりましょう。
そういえば、HALOのMAP別のコールアウト一覧をてろてろとかいう人が親切にもwebにアップしてくれているそうですよ。(https://docs.google.com/presentation/d/18C_Lfm-OR3iDta9wRTH-IT8NqfAit-liYmMsghKmJYo/edit?usp=sharing)
なんと基本閲覧無料です。ではまた。