【再】普通ってなんだろう
25年間自分の人生を振り返ってみると、普通の人とはどこか違う生き方をしていたような気がする。それに付随するかのように、同級生らから白い目で見られることが多かった。小学校6年間と中学校3年間の義務教育時代、そして子供から大人の節目となる高校時代に過ごした学生生活を客観的に見て考えてみると、確かに何不自由なく学校生活を送れている生徒に比べて厳しい目線を向けられていたと思う。なぜなら、僕はこのような言葉を投げかけられることが多かったからである。
○○(自分の苗字or名前)って空気読めないよね。
君は変わり者だよね。
と、色々なコミュニティーに属する度にそう言われ続けていたのだ。最初は「それが自然体なんだな。」と気に留めていなかったが、何十回〜何千回も耳にするうちに、ナイフで滅多刺しにされているかのような姿が目に浮かぶようになった。鋭利な刃が己の肉を貫き、やがて息絶える人間の姿が、精神的に疲弊することによって訪れる末路を表現しているのではないかと思う。だが、思い当たる原因がいくつもある。
①自分の好きな話題になると、そのことをマシンガンのような勢いで話してしまう。
②相手の気持ちに気が回らず、余計な一言を言ってしまう。例えば相手が機嫌を損ねている状況で本当のことを言ってはいけないのに、その事実を言うことで火に油を注いでその人のことを更にイラつかせるなど。(一言多いとよく言われる。)
③みんなが特定の話で盛り上がっているのに、全く違う話題を持ちかけて周囲を困惑させる。
④部活終わりにみんながどこかでご飯を食べて帰ろうとしているのに、一人だけそれに参加しない。一時期「お金がない。」「親が入院している。」ということを口実にし、部員との交流を断つことが多かった。
※入院の件に関しては事実だった。
⑤軽い冗談を真に受け、相手を困らせたりドン引きさせることが多かった。また、複数人といる場合はその場を白けさせることが日常茶飯事だった。
※正直これは今でも直ってないと思う。ただ、非現実的な内容のジョークや皮肉に対する理解は問題ない。
⑥感情を押し殺して大人の対応をする能力が試される場面にて、嫌なことをグッと抑えきれなくなるとその態度が顔に出たり思っていることが言葉に出やすい。それで周囲を苦笑させることがある。
⑦会話を進める中で、相手が話そうとしているのに口を挟んでしまう。そのため、話すタイミングが分からなくなることがしょっちゅう。
⑧自分は良かれと思っていたことでも、他人にとっては迷惑行為であった。
⑨会話の中で相手の言いたいことをうまく理解できず、話が脱線してしまうことがよくある。
⑩小〜中学時代、友達の作り方や友達の定義を全くわかっていなかった。そのため、話し相手がいたとしても信頼関係を築けるほどのレベルまでには至らなかった。
⑪相手が話している途中、意識が逸れてしまい内容が半分しか頭に入っていないことがある。(相手側から見ると、一応話は表向きでは聞いているようには見える。)
⑫感情のコントロールに問題があり、嫌なことを言われたり不満なことがあったりするとそれを爆発させて怒りだし、周りの空気を壊してしまうことがよくあった。ひどいときは歯止めが効かないくらいだった。今はだいぶ改善されたが、時々親の前だと怒りの抑制が難しいことがある。(すぐキレる癖があったのは高校生だった頃、顕著に目立っていた。)
上記が、コミュニケーション面における問題点である。人との交流に欠かせない部分においてだけでなく、生活面においてもハンデとなっていることがあるのだ。
①周りの人はできるようになるのが早いのに、自分だけ覚えたりするのに時間がかかる。
②言われたことを何度も注意されているのに、それを理解していないためか同じことを繰り返してしまう。
③とにかく不器用で、スピードを求められる作業が苦手である。「素早く丁寧に。」と言われても、逆に作業を進めるのが雑になってしまう。「ゆっくりでいいよ。」と言われなければ、安心して物事に取り組めない。
④洗い物や清掃などの細部までに気を配る作業にて、難所は乗り越えたのに詰めが甘くて見落としをすることが非常に頻繁。
⑤携帯電話や財布、通帳などの大事な貴重品を紛失することはないが、ベルトなどの衣料品や文房具などの日用品をすぐに見つけ出せないことが度々ある。
※探すと後から見つかることがほとんど。
⑥忘れ物をすることがよくある。高校時代、授業で使用する英単語集を7回忘れてクラス中で話題のネタになったことがあった。
⑦細部に気を配る作業を素早く進めると、詰めが甘かったり抜け漏れがあるなどの小さなミスを頻発することがある。
⑧長い時間を要する作業(洗い物や清掃など)に取り組むとき、大まかな部分はやり終えたのに最後の仕上げの作業(流し台に残ったゴミを捨てたり、水浸しに立っている部分を拭く作業など)をやり忘れたりすることが多い。
⑨今やっている作業を進めているのに、他のものが目に飛び込むとそれに気を取られて別のことを始めてしまう。(例①:勉強中なのに炊飯器が目に飛び込むと、お米を炊く作業をはじめてしまう。例②:部屋の片付けをしている途中に長年読んでいなかった書物や学生時代に使っていた資料等が目に飛び込むと、清掃作業をストップしてそれらに目を通してしまう。)
⑩:集中力が切れやすく、長時間注意を保つことが難しい。自宅にいるときに勉強や読書等をしようとしても、興味の対象が目移りしてやる気がなくなってしまうことが多い。
10個挙げたが、もっと自分の不得手になっている部分を書いてしまうともうキリがないのでここまでとする。特に①〜③、⑦の特徴からアルバイトの業務に支障をきたすことが多く、卒業まで続けることができていた学生と比べるとなかなか長続きしにくく、職種やバイト先を転々としてばかりった。やはりお荷物的な存在でしかなかったのかなと思うと、心労が募るばかりだ。できることとできないことの差が、かなり大きいのだ。このままだと今後社会人として現代社会を生き残ることができるのか、考えるだけで恐怖のあまり胸が押し潰されそうになる。
これらの特性が際立つことが災いし、人間関係でトラブルが多発したり、周囲をイライラさせて信頼関係にヒビを入れてしまったりすることをこの23年間繰り返してきたように思える。そんな苦境続きの人生を歩んできた中で、同級生の1人から投げかけられた以下の一言が今でも心に引っかかっている。
早く普通の人間になれよ。
だった。それを言われた当時、雷が落ちてきたかのような衝撃を全身に覚えた。その人は高校時代に在籍した同じ部活の一員で部長を務めており、顧問や部員から信頼も厚く、社交的で友達が多くてみんなから好かれるような存在だった。しかし、彼は普通ではない僕の存在を快く思っていなかった。一風変わったオーラやズレた言動に虫唾が走ったからか、そう言いたかったのだろう。それ以来、普通の人間になるように努力しようとしたが、生まれつきの特性のためかやはりできなかった。猫を被ろうとしても、変わり者という位置付けは変わることはなかった。普通を装うことを試みても、やはり周りから見ると異質な存在らしい。「出る杭は打たれる」、「和をもって尊しとなす」に重きを置く日本社会で生き残ることは限りなく難しいだろう。壮絶なサバイバルゲームをリタイアするには、やはり誰かの支えが必要となること間違いない。医学的な問題がある可能性が濃厚かもしれないので、家族や友人でなく、医師の力を借りてでも自分がより快適に社会人生活を送れる道を見つけ出したい。久々の投稿とはいえ、重めの内容になってしまった。押し付けがましいことを言ってしまうようで申し訳ないが、この記事を読んで少しでも力になってくれる人がいてくれたら嬉しい。少しでも楽に生きることができる術を、今後は探していこうと思う。