初めての担当、初めてのラスソン、初めての青伝
前回の続き
どうしてももう一度、このまえの彼に会いたくなったぼくは当時住んでいたド田舎の地元から新幹線で2時間くらいかけて歌舞伎町に向かいました。思い立ったその日に。
あのお店どこだっけ…ここらへんを通って…
あの頃はまだキャッチも厳しくなかったので
たくさん声かけられて怯えながらぼくは進みました。
やっと見つけた腰抜けるくらいキラキラのあのお店。
「〇〇くん、いますか?」
ぼくの担当狂いライフの始まりです。
「えぬちゃん!会いに来てくれたの?もう会えないと思ってたから嬉しいー!!」ってクシャクシャの笑顔で近づいてくる姿はシッポぶんぶんしてる子犬みたいで尊くて。
自分のことを覚えていてくれた驚きと嬉しさも相まって、ぼくは彼が大好きになりました。
まだ地元に住んでいた昼職のぼくなんかに毎日LINEをくれて、営業終わりの通話も欠かさずに掛けてくれて、今思えば本当に仕事の出来る担当でした。
そんな大好きな担当にすくすくと育成され、来店3回目にしてぼくは初めてシャンパンをおろしました。大したシャンパンじゃなかったのに、すごくすごく喜んでくれて、ぼくも心から嬉しかった。もっともっと喜ばせたいと思うようになりました。
ちょうどその頃でした。
昼職でのパワハラが原因で適応障害を発症しました。真面目だけが取り柄だったぼくが仕事にも行けなくなって感情のコントロールすら出来なくなりました。不安と焦りで子供みたいにわんわん泣いたり、イライラして当たり散らしたり、どんどん壊れていくぼくを見て当時付き合っていた彼は離れて行きました。
それでぼくは全部どうでもよくなりました。
ああもういつ死んじゃってもいいやって思う毎日でした。
誰からの連絡も返せなくなったぼくに、それでも毎日連絡し続けてくれる担当に最後に会いたいなとふいに思って、どうせ死ぬならと貯金を全部もって会いに行きました。90万ちょっとくらい。それならせっかくだし狙い撃ちしてみようよって担当が言いました。ぼくは全部どうでもよくなっていたので、狙い撃ちが何なのかよく分かってなかったけどOKしました。
そして人生で初めてラスソンというものを勝ち取りました。
初めて聞いたラスソンはJanne Da Arcのヴァンパイア。
担当のキャラじゃなさすぎるし歌上手くないしリズム感は壊滅的だったし(笑)でもなんだか嬉しくて幸せだった。
その日ぼくは初めて売掛をしました。今考えれば担当も結構な賭けに出たなと思います。昼職というよりほぼニートなぼくに数十万の掛けをさせるなんて!(笑)
今でこそ売掛は悪だと世間では言われて規制や廃止されていく中で、あのときのぼくにとっては逆に救いでした。だって生きてていいというより、生きなくちゃいけない理由ができたから。
この日からぼくはそれまで以上に担当とホストクラブという場所にのめり込んでいきました。
ここから上京して夜職を始めた話になるのですが、そろそろ飽きて来たと思うのでそれはまた次回。
最後まで読んでくれた人のために担当のしごできだったポイントまとめます。本編とは関係ありません。
記憶力がよかったところ、または覚えておくために何かしら工夫していたところ
実際に覚えてくれていたのかは不明ですが、まるで再会を待っていたかのような反応。天才でした。
自分を知ってもらうことより、ぼくの話を引き出してくれたところ
相手を知りたがることって最大の愛情表現です。自分を知ってもらおうと自分語りする人も多い中、ぼくの話を上手に引き出して共通点を見つけてくれたこと。天才でした。
決まった時間にLINEや通話をくれたところ
決まった時間のLINEや通話ってなにがいいか分かりますか?いつ返ってくるのか分からない返信や通話より「あ、そろそろ通話かかってくる時間だ!」ってぼく日常の一部になるんです。それだけでなく、ぼくのこと頭の片隅で覚えていてくれてる!という喜びにも繋がりました。天才でした。
もっともっと良いところは沢山ありましたが、そんなにイケメンでもない担当にぼくが沼った理由の主な3点です。まあみんなやってるか(笑)