絶望から私を救ったのは夫でした
元彼との約半年間の同棲を終えて、私は心身共に疲れ果てていました。
別れたのはどうでも良かったです。ただただ失われた愛車と時間とお金に絶望しかしていませんでした。
週1の精神科通院しか外出出来ず、ほぼ自宅軟禁状態。毎食後大量の処方箋を飲み、ひたすら寝込み、パート勤務の母親の愚痴をテレビの雑音と共に数時間聞かされる毎日でした。
「障害年金を申請して、ダメだったら逝こう。」そう決めて、役所で見つけたポスターに書いてある社労士事務所へ連絡しました。
「私が申請して通らなかったら、誰が申請しても通らないと思ってください。五分五分です。」
書類を用意して、審査を待つこと約10ヶ月。受給が決定しました。傷病手当金の期限を迎えた時でした。
「家を出よう。1年マッチングアプリをしてダメだったら鬼滅の刃を全巻読んで逝こう。」
相変わらず寝込む日々が続き、マッチングしても交際には至らず。今メッセージをやり取りしてる人とダメだったらおしまいにしよう。
「いいねが届きました」
如何にも自撮りには慣れていない自画像。市外住みだけど、今やり取りしている人よりは年齢も近い。
いいねをとりあえず返すと「アニメが好きです。」
やべぇ、アニオタきた…。適当にメッセージ終わらせよう。アニオタの男性と交際経験があり、あまり好印象はありませんでした。
嘘は吐きたくないので、見たばかりの鬼滅の刃無限列車編を見たと返事。
そこから他愛もない話が進みました。今では内容を全く思い出せませんが、楽しかったのは事実です。
トントン拍子に話は進み、LINE交換。ビデオ通話もして、実際に会うことになりました。
ショッピングモールで待ち合わせ。スタバで軽食、私がお気に入りのメンズ店へ連れて行きました。
店員さんと彼の服を色々見て試着させると、あらやだ格好良い。別人のようになりました。彼も気に入り、お買い上げ。
初デート終了後の彼の車内で「付き合ってみる?」と聞くと頷いたので、そのまま交際スタート。
大量の薬を飲みながら、週末になると彼の家に行くようになりました。年末年始も一緒に過ごしていたある日。
「昨日眠剤飲まなかったのに朝まで眠れた!」我ながら驚きました。別に何をしたでもない、昼間はPCをしたり1人時間を過ごし、夜は彼と過ごしただけ。それなのに。
「もしかしたら眠剤止められるかもしれない」意図的に飲まない日を作り、試した結果。医師とも相談の上、眠剤を断薬することに成功しました。
交際4ヶ月後。彼の転職と共に引越し、同棲開始。もちろんお互いの両親には挨拶済。
転職と共に大きく収入が減った彼に「働いてください」と言われ、私も2年振りに仕事を始めました。
始めはストレスで当欠が多く、職場には迷惑を掛けましたが、徐々に出勤出来るようになりました。
同時進行で薬を減らしました。併せて飲んでいた耳鼻科の薬は飲まなくなっても症状が出なくなり、全部で8種類飲んでいた状態から、今では2種類にまで減薬に成功しました。
2年の同棲期間を経て、いい夫婦の日に入籍。今年3年目に突入します。
もちろん、この間に全く体調を崩さなかったかと言われれば、そんなことはありません。過呼吸、フラッシュバック、鬱。発達障害もあるので、それらと付き合ってきましたし、今でも続いています。
喧嘩もしました。一時期は別れ話も浮上したほどですが、現在では仲良しです。
残念ながら子供を授かることは出来ませんでしたし、2人でワーキングプアです。決してお金に余裕はありません。
それでも、私たちは笑って過ごしています。お互い最低限にしか気を遣わないでいられるところが最大の理由だと思います。
逝くことしか考えていなかった私が、ここまで立ち直るなんて誰が想像したでしょうか。結婚報告をした時、何人かの友達は泣いて喜んでくれました。友達は私の見守り隊でもありますから、全部知っています。
それからは「下がったら上がるしかない」と考えられるようになりました。体調しかり、メンタルしかりです。
今の私は夫君が作り上げた。私はそう思っています。感謝しかありません。
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