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週報。情報渋滞

実のところ、ゲームマーケット秋の入稿作業が佳境である。しかも、世間一般からすると一ヶ月くらい遅れ気味で。
先週は技術記事が忙しくて…というのも嘘ではないが、原稿にかかりきりで…思考リソースが足りないのだった。普段の作業中はずっとラジオをかけながらやる。しかし、佳境では無音でないと耐えられない。よって、外界の刺激を遮断するから内圧が上がらない。出ていきたい言葉が溜まらない。


健康診断明けのフィナンシェは山の上のカフェ

健康診断数日前から運動習慣を普段より活発に行い、食事は油を制限する。そして前日はサウナで汗を絞って、完璧に備えた。と思ったら先んじてバリウムを飲まされたのでその分体重が増してしまったような……順序逆が良かった…。

終了直後のフィナンシェは格別で、富士山頂でカップラーメン、みたいな感動がある。毎年の習慣として続けていきたい。

"レシピ"って調理工程だけを指すものじゃない方が良くない?
幾度となく思っていることで、受け手のコンディションのセットアップから食事は始まっている。だから地上で最高のカフェは山の上に立っていてほしい。もちろん採算は取れなくなるが。

コース料理は、客が入店する瞬間以降を食事としてデザインできる提供方法だし、酒蔵や工場見学の最後の実食タイムは限りなく山の上のカフェに近い。

LARP『5DIVE』、行きずり探偵たちの連携推理

ジャンル”LARP(Live Action RolePlayingGame)”に惹かれて5DIVEへ。

殺人事件を捜査をするという筋立てはマーダーミステリーを思わせるが、参加者が受け持つプレイヤーキャラによる個別目標が無いという点で異なる。ただしLARPとマーダーミステリーというジャンル分けは、少なくともこの演目では明確な区切りはないと感じた。作者さんのnote↓に記述がある通り、分け目として重視しているのは主体性だろう。

LARPにおいて、参加者達は極めて豊富な──ときに物語の根幹さえも揺るがしかねないほどの──権限を許される。シナリオを用意されはするが、参加者達の行動によって、様々な展開が生まれる。

LARPにおける体験、そしてライブアクションとは

たしかに明確にキャラクタが定義され行動指針が提示されるマーダーミステリーではプレイヤーが主体的にあるとはいえ、その動機は自発的とは言い難い場合も多い。

ここで主体性に委ねられたが故の難しさというかが、推理だった。マーダーミステリーも数えるとこのような行きずりのメンバーで推理をするのは3度目。果たすべき役割が決まっておらず、”事件調査を協力して行う”ことを目的とした時、思考の歩調を合わせる必要が出てくる。

事件の相談をしている時に全体像を把握できる前からまだ目を通していない事件資料の話題が始まってしまうし、全員が資料に目を通したい都合から情報の整理もままならない…。結局、全体像を把握して課題を整理してくれる探偵役に期待することになってしまった。……のだが、書いていて気づいた。これこそ主体的に役割分担を行えば良かった話であるな🧐

まだ私は事件捜査で強くなれる。

選んだのは『地球の歩き方』

ルールブック作成には果てがない。その上、ゲームにおけるルールブックの責務は「過不足なくゲームの遊び方をプレイヤーに伝えること」であって、ルールブックの出来がいいことはゲームの面白さに貢献しない。一応補足すると、読んでいて楽しい説明書は存在するがそれはゲームの体験の面白さではない。

そのため、ルールブックでの失敗はプレイヤーの体験を毀損するが、これに工数を割くことは開発者体験に貢献しない。悩ましいコンポーネントになる。
で、現状版が↓で掲載したもの。大体第5版くらい。

ゲームマーケットサイトに掲載していた一つ前のver.からだいぶ変わった

今見返すとやっぱり字が多すぎる

もちろん、多くの方の目を通して来た結果で感謝を禁じ得ないのだけど、デザインの方向性として明確に『地球の歩き方』を意識したのが大きい。そう、旅の計画と本番のお供に相応しい参考書。

とりあつかっている領域が異なるので、そのまま流用できるようなものでは決してないが、この本のデザインは参考になるところが大きい。

階層構造に記すべき情報構造があり、ユーザーに説明しないといけない専門用語が存在し、絶対に書き落とせない必要情報が存在する。伝えるべき情報が大量にあるがなるべくアイコンや色を活用してテキスト量を減らさないといけない点も共通するだろう。

デザインする上で使える手札、知識は今まで見てきたものしかないのだからその中から似通ったものを引っ張ってきてパッチワークするしかない、ということ。

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