バルダーズゲート3に日本語がやってくるのを待つ、ウキウキしたきもち

今年のクリスマスはトナカイにのったサンタの代わりに、船に乗ったマインドフレイヤーがやってくる。

私は、機会に恵まれて英語でバルダーズゲート3(以下BG3)をクリアしたけれど、日本語版を遊ぶ未来の自分のために英語版をクリアした時の新鮮な感想を書き残そうと思った。あるいは日本語版が出るにあたってやるかどうか迷ってる人に「はよやれ」といいたくて。


何も知らずに初めての世界を旅してほしい

今日、ラジオから「ゲームオブザイヤーで話題のBG3」と話題が聴こえてきた。プロモーションを目にするし、序盤の情報を先行公開している記事も出てくるのだろう。
でも、私は何も知らずに初めての世界での旅を味わってほしい。プレイ体験で一番良かったのがそこだから。
だから具体的なコンテンツは書きたくない。強いていうなら冒険の中で気をつけた方が良いことくらいか。海外産のゲームであるからか、UIの雰囲気やチュートリアルの温度感が違う感じはするし、出自がテーブルロールプレイングゲーム(TRPG)だからか、独特の語り口があるので。

旅行先で気をつけるべきこと、くらいのニュアンス。

難易度はBalanced。選べる難易度の中では真ん中

私はこれでクリアした。日本語だとなんて書いてるだろう?まぁ真ん中。

とはいえ敵の攻撃力が低くないので地形や遮蔽物を意識しないで戦いを挑むとふつーに仲間をもっていかれた。でもそのくらいの難易度で遊ぶのが楽しいんじゃないかな。
ちなみに私はゲームが上手いような自負はない。コマンド選択式のRPGは好きだからそこはBG3と親和性があったけど。

戦闘や、システムはストーリーの一部ではなくて物語を進めるためのコストみたいな物だと思って居たけれど、BG3ではそうじゃなかった。探索と戦闘が完全に同じマップ場で発生して、戦うも避けるもほぼ、自由。敵から見えないところから爆発物を投げ込み続けるチキンプレイもありうる。

”心のままに迷わずすゝめ”ば120hくらい?

”迷わず”っていうのは提示されたメインクエストと世界で出会うよしなしごとを「やりたいと思ったように進めれば良い」ってニュアンス。

私のプレイ時間はsteamくんによると230hだった。長い。長い。めちゃくちゃ長い。9月頭に初めて11月末まで。3ヶ月もの間、フォーゴトンレルム(BG3の舞台となる世界)を旅していたことになる。
毎日仕事が終わったら旅に出て2-3時間、お休みの日には一日中やってた。

最後の方は早く帰りたかったかも。ちょっぴりだけど。

終盤のはじめくらいでレベルが上限に達してしまって。そうすると成長による体験の拡張が止まって、そこからちょっと疲れちゃった。これはゲーム内のリソースが厳密に限られて設計された順に提供されてるってことだと思う。そういえば今までやってきたRPGだとレベルの上限ってクリア後のその先にあったものだった。BG3はストーリーが終わる時がイコールゲームの終わり、なゲームだから収束の仕方がちょっと違う。

人によってプレイ時間の好み、ほぼイコールでゲームのボリュームの好みは存在すると思ってて。私は80hくらいで長めのストーリーが付いたRPGをクリアするのが好みなんだけど、BG3はその3倍近くかかったことになる。

私が書けた時間の内、50hくらいは分岐の後戻りや英語テキストの読解にかけていて。それを除くと180hで、更にサブクエストを網羅しようと全探索するようなことをしなければあと60hくらいは削れると思う。サブクエ全回収とか意識しなくても勝手に事件から転がり込んできますよ。

だとしても120hとは膨大な時間で、いわゆるインディゲームと呼ばれるものであればざっと6本は遊びつくせてしまう時間ではなかろうか?世界観や体験が全く異なるものを6本もだ。

では、そうさせなかった魅力はなんだったのだろう

”私は仲間候補をSneak Attackの練習で失いました”

そんな反省を終始しながらクリアしました。後悔はしてないけど。

話せそうな相手とはとりあえず話そう。現実でも突然殴りかかったりはしないでしょ?でも現実で置き換えると「そもそも関わらない」が正解になるか…。

つまり、ひとつひとつの選択が物語をつくる

倒された敵は倒されたままで、マップ移動しても日にちが経っても無くならない。自分の行動の結果が残り続ける。一度完全に敵対してしまったらそう簡単には戻れないし、よしんば倒してしまったら失われた命は戻らない。

パーティ全員で話しかけると、戦闘になった場合に全員一気に巻き込まれるから、一時的にばらけて話しかけるようにしていた。一人が戦闘に突入したところから他の仲間は不意打ちしながら参戦する。

もう一人くらい、私の不注意で仲間が消し飛んだんだけど「魔法使いはもう一人いるから良いか~」と流してクリアした。自分だけの物語、ってそういうことだろう。

選択が物語になっていく都合上ロードはしないで進めたい。選択の重みを感じていたいから。
ロードに10秒くらいかかったので、そんなに頻繁にやり直すことは想定されてないと感じる。GeForce RTX3060のGPUを積んでてそのくらい。なるべく自分が選んだことの結果を受け入れて進む方が思い出に残るでしょう。致命的な選択はそう多くない

ただし!フラグがめっちゃ多いので、フラグの置き方が妙に厳しかったりすることはある。とはいえ基本的には進行不可能バグとかは…なかった。仲間クエストなのにその仲間を連れてない、とかその仲間が離れた状態でイベントが始まった!とかなければ、概ね泣かずに済むはず。

常に見続ける”自分"は気持ちが踊るものが良い

最初のキャラメイクや背景選択はしっかり時間をかけたし、劇中での選択一つ一つも気合を入れて選んでいて、自キャラにめっちゃ愛着が沸いた。

だから自分にこのゲームを教えてくれた仕事仲間が「海外のキャラデザなのであんまり可愛くないかもです」と言っていてちょっとムッとしていた。え!可愛いよ!ダークエルフでピンク髪で、ノーブルだぜ。なんかシチュエーション要素が入ってるけど。

初期の私。後にクラスチェンジするけど。終始ボーガンを撃ち続ける人生だった

その話をRPG好きな美容師さんにしたら、「海外はセクシー系ですもんねー」と言われた。それはそうだね。スターレイルみたいなアニメ調ではないです。

全部はわからなくても良い。多分

バルダーズゲート3はダンジョン&ドラゴンズを下敷きにしたゲームでTRPGが含む様々な要素をデジタルに落とし込んだ物らしい。確かに映画で観たやつと似ている。「ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り」のことを思い起こしてます。

ちなみに世界観の基礎知識を教えてくれる記事を書いてくれている方が居た!ありがたい…

TRPGではゲームマスターが構える試練にプレイヤーが挑み、 その場で物語が紡がれていく。物語の芳醇さは参加者にかかっていて、その時々で全く違った物語になる。とはいえ脱臼(off sholder)の補正まで存在するのには恐れ入る。そこまで作る必要あるか…?

ここまでなんでもあると、覚えるのも流石に大変でその場で場当たり的に対応することになる。おそらくそれで良い。煩雑にやっても全部加味して処理してくれるのがデジタルの良さだから。

同じくらいスキルや効果も沢山あるし、なんだか読んでもイメージできないことが書いてある。わからないなら試すしかない!ないし、相手も同じスキル使ってくるからそれを見て学べばいい。

それを学んでいく過程も成長実感になる。

でも、やっててたいへんだったのはここかも。
uiが平坦で、初期段階から割と重要なサブクラス選択があったり、よく読んだら強いみたいなスキルと、スポットでしか使わなかったり、サポート専用のスキルとが入り混じってる。

プレイヤーにとって何が大事かがお任せされてるってことなんだけど、初めての私には大変だった。サブクラスとかマルチクラスとか、わからなくて。情報爆発した時はテキストを読むのは諦めていた。

とはいえ、クラスの再選択と経験値の振り直しが追々できるようになる。なので、自由に育てて経験を積む方が早いというのも事実。

なお、「事前に勉強した方が早いな」と思う頃になると大事なものや、強くなるためのある程度の道すじを知るには日本語でまとめてくれた記事があるのが役立つ。英語版をプレイした上で、クラスの成長経路やおすすめの育て方をまとめてくれてるので↓

そこら中が作り込みに溢れている

遊んでて(開発者を指して)「オイオイオイ!」となる拘りのシーンが好きなんだけど有りました。話題だけは聞いていた🐻とロマンスするやつ!直接的な絵は写さず、叙情的な絵に逃げるのが常なんだけど木のみを取り落とす🐿️、て。なに???

動物との会話や、死者との会話や、スキルを介して行える特殊な会話が随時存在する。テキスト中毒も安心。でも蜘蛛と話すのはオススメしないかなー…。すごく…リアルに蜘蛛。私はホグワーツレガシーの蜘蛛は結構苦手で。あれがきつい人はきついだろうから、話しかけないことを勧める。

なんてったってCERO Zですからね。別に過度なグロや、ジャンプスケアのホラー描写はなかったけど。

今、3か月のプレイを振り返って思いつくのはこれくらい。でももう一度旅するので今度は違った気持ちで遊べる気がするし、その時はもうちょっと色々メモしておこうと思う。
一度旅した世界をもう一度、今度は母語で、きっと違う旅になる、こんなに嬉しいことはない。

そういうわけで日本語版は12/21に出る。

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