地方公務員の実情(主観あり)前編
こんにちは。
前回の初記事が思ったより反響をいただけて驚いています。noteというプラットフォームの素晴らしさを実感しました。そして、スキしていただいたみなさま、ありがとうございます。みなさまの記事も記事も見に行きますね。
今回は私が感じている地方公務員の実情(主に不満点、主観あり)をつらつら書いていきます。なお、私は某県庁7年目の行政職員であり、他自治体のことは分かりませんし、ここに記載したことが全てではないということは重々承知しています。
公務員の業務の性質とは?
批判を恐れず書くと、公務員の業務は「民間に任せても儲けを上げられないため誰もやりたがらないが、誰かがやらなければならない仕事」という性質を持っています。道路の整備なんかは公務員の仕事としてイメージしやすいと思います。インフラ整備は国民にとって無くてはならないが、民間事業として適さないため、税金を原資として公務員が執行している、ということです。
この特徴から、非常に重要な業務だと理解できるのですが、一方で誰もやりたがらない仕事でもあるわけで、基本的に面白くはないんです。基本的に個人に裁量権はないので、決められた業務をマニュアルに沿ってひたすら淡々とこなすことになりがちです。
この「決められた業務を淡々とやる」スキルは、公務員にとって必須スキルとも言えます。例えば、あなたが生活に困窮しており、区役所に行って生活保護の申請をしたとします。1回目に窓口を担当してくれたAさんは、申請要件を満たしていないとして受理してくれませんでしたが、しかし諦めきれず後日訪問したところ、その時に対応してくれた窓口のBさんはあっさり申請を受理してくれたらどうでしょうか。
このように、窓口の担当者によって行政の対応がコロコロ変わってしまうと、国民の受けられる行政サービスに不平等が生じてしまうので、「マニュアルをマニュアル通り寸分の狂いなく遂行する」スキルは重要なのです。このような業務に向いている方はもちろんいますし、向いていない方もいます。私は、まるで機械のようだ・・・と思ってしまうので後者です。
産業振興系の部署は、花形
私は少々大きめの某県庁で働いております。これまで数回の部署移動を経験しておりますが、その中でも特に地方公務員の実情・本質に触れることができたのは産業振興系の部署にいた頃かと思いますので、主にその部署について書いていきます。
どこの県庁でも多くの部署を抱えていますが、どこにでもあるのは総務(財政税務含む)・企画・防災・福祉・環境・農林・建設・教育・そして産業振興系です。この中のほとんどの部署は、先ほど例に挙げたインフラ整備のような性質を持っていますが、産業振興系は少し特色が違います。支援の必要な中小企業に補助金を出したり、融資や税制優遇するといったことが業務です。企業を支援することで地域全体の活性化を狙っています。
これまた批判を恐れず言うなら、インフラ整備や生活保護などは、国民の生活を「マイナスから0にする」仕事であり、産業振興系は「1から2、またはそれ以上に押し上げる」仕事と言えます。これが、産業振興系の部署が花形だと言われる所以です。前向きですし、多方面から感謝されますし、やりがいを感じますよね。
業務内容だけ見ればね。
どこを向いて仕事をしているか
私が思うに、大切なのは「どこを向いて仕事をしているか」です。国民のいる方向を向いて、国民のための事業をしているか。
いやそれ普通でしょって思いますよね。でも多くの公務員は気持ちよく返事できないと思います。
もしこれを見ている公務員の方がいるなら聞いてみたいですが。その事業は税金を使って執行していますが、国民に後ろめたいことはないか。
じゃあどこ向いて仕事してるのって言うと、首長と議員です。そして、この体質に意義を唱える風潮が組織全体において存在しません。違和感を感じている人はいますが、県庁という長い歴史が作ってきたこの体質が根本的に変わることはないことを、みんな頭のどこかで理解し、諦めています。
長くなるので続きを後編とします。
※ここまで書いておいてなんですが、私は公務員が嫌いな公務員アンチでは決してありません。職場も同僚も仲良くやれています。私が疑問を呈しているのは「公務員の体質」なんです。