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"病"が原子

『8/5(月) AM8:13 の幻覚』

天国のような地獄 気が遠のく一瞬の記憶喪失 自由研究 廻旋する扇風機 啀み合うファ#とソ♭の2連符 異名同音の双子 監視カメラの前で変拍子のダンスをしよう 回転 回転 終わらない地獄 猫のいびき 言葉のサラダで天使とお話しよう 死戦期呼吸でバタフライ Alt+F4 暗転

『病理』

たまに自身の描く文学や芸術がすべて病(ビョウ)だったらどうしようと不安になる。代表的な精神疾患のひとつに統合失調症が存在する。統合失調症は幻聴、幻覚、妄想、異常な思考や行動、意欲の低下、感情表出の乏しさなどを主な症状とする精神疾患で、うつ病や躁うつ病などが含まれる気分障害、アルコールや薬物等精神依存物質使用による精神障害についで患者数が多い。また、精神科への入院患者のうち大半は統合失調症の患者である。
ネットニュースを見ているとたまに"統合失調症の芸術家"なんていう記事に出会うことがある。彼らの画風は独特で特徴的なものが多く目を奪われる。しかし、ニュースの見出しが"統合失調症の芸術家"であることによって、途端に彼らの作品は、"統合失調症の患者が創り出した芸術"という意味を持つことになる。

とても怖いのだ。

私の内部から湧き出てくるすべての芸術は"私"が産み出すものでなく、"病"が産み出したものでそこに"私"自身はミリも関与していないかもしれない、ということに。

そう考えると急に"私"を構成する身体の細胞、認知、感情、言葉、行動これらすべてが『病』という名前の目に見えない原子のようなものが化けた姿にしか感じられなくなっていくのだ。

"私"はこの世界の何処に存在する?


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