听写をやってます。
こんにちは。zhuoyeです。
実はここ数年「听写」という勉強方法を取り入れています。今回は「听写」について自分の考えを書いていきたいと思います(重要:あくまでも自分の考えです)
☆「听写について」と始めたきっかけ
・「听写」って?
「听写」というのは教材などの音声を聞き、聞こえた音を文字にしてそのまま書き出す作業です。例えば音声が
「我是日本人」と言えば紙に「我是日本人」、あるいはピンインで書き出します。
・なんで「听写」をやりだしたの?
そもそも私が「听写」を勉強に取り入れ始めたのは中国語検定1級への対策がきっかけでした。
結構長い間中国語を学んできましたが、学校以外でリスニングの対策はあまりやってきませんでした。というより「やり方がわからなかった」と言った方が正確だと思います。計画性もなく単語を覚えて、会話やテレビなどでたくさん中国語を聞いて終わりという時間を重ねます。
留学経験で聞く量は稼げたのでそれまで受けた中国語試験には対応できましたが、中国語検定1級には全く通用せず60点台前半という現実を叩きつけられる結果を数年間重ねます。
そんなある時ふと「そういえば听写という勉強方法があるな」と思い、何かに背中を押されるように押し入れにしまった教材入れの中から適当な教材はないかとあさり始めます。
ガサガサと箱の中の教材をひっくり返すと目に入ったのが「通訳メソッドを応用した中国語中級会話700」。
これは以前シャドーイング対策としてやったことがあったのですがフレーズを集約したつくりとなっており、一つ一つが短い文最初の一冊としては手に取りやすいだろうと思いこれで始めました。最初は当然むつかしかったのですがやっていくとだんだんと慣れていき、気が付けば最初の一冊をやりっていました。
一冊やり切ると次何をやろうかと楽しみになってきて、その後、「HSK6級 読む聴く覚える2500」や「時事中国語の教科書シリーズ」、「街なかの中国語」や「骆驼祥子」など様々な教材に挑戦していきました。
☆「听写」の効果
・そもそもなんの効果があるの?
あくまで自分の経験を主とした意見ですが「听写」に「実感できる効果」があるとすれば「反応速度の向上」で、あとは「自分に欠けている部分を見つけ出す作業」だと思っています。
「反応速度の向上」というのは文字の通りで、音を聞き紙に書くまでの速さの向上を指します。私が毎年受けている中国語検定試験には何級からあるかは知りませんが「听写」のパートがあります。
「听写」を始める以前は音を聞いて書き出す間にちょっとした「間」があったのですが、「听写」を始めてからこの「間」が圧倒的に減りました。減ったおかげ心理的に余裕を持つことができるようになりました。
「自分に欠けている部分を見つけ出す作業」というのも文字のままです。そもそも「听写」は「聞いた音を書き出す」という単純な作業ですが、単純ゆえに「知らない漢字は書きだせない」し、「聞き取れない音についてはどうしようもない」という現実が待っています。
逆に言えばそこに向き合えば「知らない漢字を知る」ことができますし、「聞き取れない音を認識する」こともできます。それが「自分に欠けている部分を見つけ出す作業」ということなのです。また知らない漢字を知り、書けるようになれば反応速度を向上させる相乗効果も期待できると思います。
そして「自分に欠けている部分を見つけ出す作業」というのは漢字や音だけにとどまらず「自分の扱えない表現を認識できる」という側面もあります。「听写」をやっていると「え?ここで”才”や”就”が入るの?」と自分には考えもつかない使い方をする表現に多く出くわします。
もしも自分が”才”や”就”のそうした使い方を「知らない、できない」という場合、一度音を聞いても頭には残らず「”才”や”就”を書き漏らしてしまう」ということが多々あります。
「”才”や”就”」などを書き漏らすことは一見小さいことのようですが「自分がその使い方を”知らない、できない”ゆえの結果」と考えれば、私にとっては「自分と自然な表現」への距離を強く感じざるを得ません。逆にこの隙間を埋めていけば自分自身の表現力は上がって行くものだと考えています。
☆どんなのから始めたらいい?
・手の届かないハイレベルなものはおすすめしない
「听写」を始める場合どういうのから始めたらいいでしょうか?
「听写」をやる人の中国語力にもよりますが、個人的には「背伸びをしても届かないレベル」はあまりお勧めしません。刺激と言う意味で時々やる分には構わないと思いますが、常時手の届かない高いレベルのものをやっても「結局何が何だかわからなかった」という結果になってしまうのではないかと思います。基本的に「これなら自分でもできそうだな」という内容のものをお勧めします。
・「文章系?」、「フレーズ系?」、それとも「会話系?」
中国語の教材は多種多様ですが、私自身大きく以下のような種類分けができるのではないかと思います。
・教科書の本文や新聞や雑誌の記事のような「文章系」
・一つ一つフレーズで構成される「フレーズ系」
・母語話者へのインタビューやドラマや演劇の音声を教材とした「会話系」
どの方面から始めるかはその人の学習時間などにもよるでしょうが、私は「フレーズ系」から始めました。「フレーズ系」は短い内容を言い切って終わりなので、文章系のように文全体の内容を把握する必要がなく「聞いて書く」に集中しやすいというのが理由でした。勿論何から始めるかはその人次第です。
☆終わり
今回は「听写」について自分の考えを書きました。私もかつては「听写」に関心はありませんでしたが、やり始めると自分の中国語力が上がったと感じられることはあります。関心がなかったので「もっと早くやってればよかった」とは思いませんが、やっている今現在については「やってよかったな」と思うことが出来ます。