中検スピーチコンテストに出場した話
皆さんこんにちは。zhuoyeです。
10月5日に東京で開催された「中検スピーチコンテスト」に出場してきたので、長文となりますが応募から出場にかけての話をしようと思います。
・中検スピーチコンテストって?
中検スピーチコンテストとは日本中国語検定協会主催のスピーチコンテストです。コンテストの中身は「暗唱部門・スピーチ部門・通訳部門」に分かれており、それぞれの部門で参加者が発表を行います。
今回私は「スピーチ部門」に応募しました。
・どうして応募しようと思ったの?
私は高校を卒業して中国語の専門学校で中国語を学び始め、その後北京に留学。帰国後社会人となり、挫折や病気など紆余曲折を経て現在にいたります。気が付けば40代。中国語を使っているわけでもなく、また自分に自信が持てるようなものもありません。
そんなある日「中検スピーチコンテスト」を知りましたが
「自分に自信をつけるためこのコンテストに参加したい!」
突然そんな気持ちが生まれました。
ただ応募したくてもその年の開催地が関西だったので「関東で開催される時には応募しよう」という気持ちだけ持つことにしました。
そして2024年。開催地は東京都内。このチャンスを逃すわけにはいかない!と迷うことなくスピーチ部門への応募の決心をしました。
・準備期間の話
ここからは応募を決めてから本番までの準備期間の事を書きます。
・原稿作成と添削
私が応募したスピーチ部門にはいくつかの「お題」が出されており、それに従って自分で原稿を作成します。
ただ「お題」を決めたと言っても何を書こうかアイデアが出てこないのがこれまた歯痒いところ。ああでもないこうでもない・・と悪戦苦闘し何とか原稿を書き上げます。
原稿を書き上げるとある問題が…。
私現在独学者なんです(´・ω・)
つまり身の回りに添削してくれる先生がいなければ、気軽にチェックくれる友人もおりません。
中国語スクールのHPも見ましたが「翻訳サービス」はあれど「添削サービス」を行っているところは見当たりません。
どうしよう…と悩んでいると有料でお願いできる個人の方がいたので、その方に添削をお願いしました。
文字数が確か560くらいだったと思いますが、添削を受けた文字は30字くらい。他に「この個所がない方が聞き手は内容を理解しやすい」と指摘を受けた個所があったのでそこだけ削除しました。
・読む練習
原稿が出来上がったらあとは練習です。
スピーチコンテストは「応募→審査→(審査通過したら)大会出場」の流れとなっており、まずは応募して審査に通過しなければなりません。
審査に通るため練習するにあたりある目標を掲げました。
「最低500回読むこと。そうしたら録音して応募しよう」
まずは内容を暗記しないと何も始まらないので、内容を暗記するところから始めました。
40代のオッサンが脳内のエンジンをフル回転させて内容を何とか暗記(結局自分が書いた文章なので思ったよりは大変ではない)、そして繰り返し暗唱する日々が始まります。
家の中で読むのは勿論、外で歩いているときもブツブツと暗唱します。
人とすれ違う時はひそひそ声で読んだりもしましたが、すれ違った人は「この人何やってるんだろう(。´・ω・)?」と思ったことでしょうね(笑)
そして練習回数が500回に到達すると応募用の音声を録音し提出。
応募が完了してからも読みの練習は続きます。
ただこの時ちょっとモチベーションが一度落ちたんです。
審査に通過するかわからないのにこのまま続けるのもどうかな?って。
落ちたモチベーションのまま練習すること十数日。なんと審査通過の連絡をいただきます。
人とは不思議なもので(主語がデカい)、審査通過を知ったとたん俄然やる気が出てきました。そしてここからは出場に向けて連日練習を繰り返しました。
家の中で、また歩きながら・・・そんなこんなでスピーチコンテスト前日までに原稿を読んだ回数は「1007」に上りました。
そして中検スピーチコンテスト本番を迎えます。
・コンテスト当日
ここからはスピーチコンテスト当日の話をします。
・自分の時と比べると…
スピーチコンテストが行われたのは東京都にある目白大学。
受付を済まし、しばらくするとコンテストが始まりました。
まずは暗唱部門から。
暗唱部門では事前に指定された文章を読みますが、出場者は次から次に淀みなく文章を読み上げていきます。
これを見ていて過去の自分を思い出してしまいました。
実は中国語学習1年目の時にも別のスピーチコンテストに出場したことがあるのですが、その時は緊張のあまりセリフが頭から飛んでしまい散々な結果で終わってしまいました。
そんな私と比べると皆さんの完成度の高さときたらすごいものです。中には止まってしまう方もいましたが、それでもセリフを思い出し最後まで読み切ります。これには驚きました。だって自力で戻ってくるんですもん。
さすが審査を通過して選ばれたことだけあります。
暗唱部門が終わると次に私が応募したスピーチ部門に移ります。
スピーチ部門はスピーチを終えてから、審査員の先生からの質疑応答があります。
スピーチは事前準備でどうにかなっても、質疑応答は何を聞かれるかわからないのでドキドキものです。
スピーチ部門の発表者の皆さんもすごいもので、淀みなく発表していきます。発音の素晴らしい人、内容の面白い人、丁寧に読んでいく人…様々なタイプの人がいました。そして私の番を迎えます。
・実はあまり覚えていない
「応募しよう!」と思いこの日までどれだけの日数が経過したでしょうか。とうとう発表の時を迎えました。
ステージ上に立ち一礼するとマイクスタンドからマイクを取り、挨拶・名前・お題を告げ発表に入ります。
当時の私はド緊張の嵐の中にいました。いくら練習したとは言え、じっと止まっているとまた緊張に押しつぶされそうな感じでした。
無意識に「緊張を緩和する方法」を探っていたようで、気が付くと会場の皆さんに訴えかけるように体を左右に振りながら発表してしました。
しかも人と目が合わないよう、できるだけ「空席」に視点を合わせるようにしました。
その瞬間はとにかく必死です(笑)
なので実を言うと発表の時、自分が何をどう言ったのかはあまり覚えていません。「この部分はこういうふうに読もう!」という余裕なんて全くありません。それでも体は自然と反応し、思う以上のパフォーマンスを発揮することができました。
発表が終わり質疑応答に移りますが、その時には精神的に結構highな状態だったので中国語も思ったよりすんなり口から出てきてくれました。ただ自分の発表が終わった瞬間に「質疑応答の場面ではもっとちゃんと言えたよな」という反省の念が一気に押し寄せてきました。
「ほかに知ってる北京語あったら教えてください」という質問があったのですが「担儿挑とか嘿儿喽着とか言えたよな(´-∀-`;)…」と。
スピーチ部門が終わると次は最後の通訳部門。
さすが通訳部門。
「この日本語を中国語に訳すの無理だわー😅」という問題が出題されますが出場者はすごいものですね。次々に訳していきます。
そして通訳部門も終わり審査を経て結果発表。
・結果発表
まずは暗唱部門の最優秀賞と優秀賞の受賞者の名前が読み上げられます。
次にスピーチ部門。
最優秀者は…
なんと私の名前でした。
「自分に自信をつけるためこのコンテストに参加したい!」
その気持ちから始まった今回の応募ですが、スピーチ部門・最優秀賞という最高の結果を得ることができました。
・最後に
以前「スピーチコンテストは結果ではなく参加すること自体が勉強になる」というような主旨の話を見たことがあります。
今回自分自身が応募してみて
原稿を書く:文の作成力
内容の暗記:暗記力
暗唱練習:発音力、表現力
と各段階において自分自身に更なるレベルアップが必要で、そこで練習したことで大きな経験を得ることができたと感じました。
また暗唱練習をしたことで、普段の暗唱練習が習慣化するという新たな学習方法も身につけることができました。
そうした自分の経験から見て、応募者それぞれ目標があると思いますが「スピーチコンテストは結果関係なく素晴らしく勉強になる」と思います。
もし応募を考えられているのでしたら、一度応募してみるのもいいのではないかなと思います。