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特別支援学校における卒業後の進路に向けた取り組みについて

みなさんこんにちは、hacoです。
まだまだ暑い日が続きますが、熱中症などかかっていないでしょうか?
水分補給など気を付けて、この暑さを乗り切りましょう!

さて、今回は、特別支援学校への進学を考えている中学生の皆さんとそのご家族の皆様に読んでいただきたい記事になっています。
私は特別支援学校で高校3年間を過ごした卒業生です。近年、特別支援教育を取り巻く環境は大きく変化しています。例えば、支援学校での在宅就労体験イベントの増加や、就職に必要なスキルの多様化などが挙げられます。この記事では、私の経験を基に、特別支援学校で学べることや日々の生活、進路選択のプロセスについてお伝えします。


特別支援学級と特別支援学校の違い

特別支援学級と特別支援学校の違いを理解することは、進路選択の重要な第一歩です。以下の表で主な違いを比較してみましょう。

支援学級と支援学校の違い

特別支援学級、特別支援学校ともに、心や身体に障がいのある児童・生徒のための教育機関です。しかし、その特徴や提供される支援には違いがあります。

特別支援学校の授業内容

特別支援学校では、生徒一人ひとりの状況に応じて細やかに授業内容が調整されます。私が在籍していた肢体不自由部門では、主に「知的障がいが見られない場合」「軽度の知的障がいがある場合」「重度の身体障がいと重度の知的障がいがある場合」の3つのカテゴリーに分けて授業が行われていました。

知的障がいが見られない場合

通常の普通学級と同じ内容の教科書を使用しながら授業を行います。私は、このカテゴリーで学びました。具体的な支援は、書字スピードが遅いため先生がプリントやテストの量を調節してくださっていました。また、挑戦したい資格があると、その資格試験の勉強を優先させてくれたりもしました。その結果、在学中に漢字検定準2級まで取得できました!

軽度の知的障がいがある場合

日常会話はおおむね問題なくできるものの、読み書きをはじめとする学習に支援が必要な場合は、日常生活スキルの習得をメインに行います。例えば、国語の授業で自分の名前や住所を書く練習を行ったりします。
その他、興味関心が強い教科については、下学年の教科書を活用して授業を進めることもあります。

重度の身体障がいと重度の知的障がいがある場合

身体機能の向上と日常生活スキルの習得に重点を置きます。リラクゼーションや感覚刺激を取り入れた活動を行うこともあり、例えば、美術の時間に手指の動きを改善するための粘土細工を行うことがあります。

これらの授業を通じて、生徒たちは学力だけでなく、社会生活に必要なスキルも身につけていきます。

進路の決め方

特別支援学校の高等部では、生徒の将来を見据えて、1年生の時から段階的にキャリア教育と進路選択のための取り組みを以下のような流れで行います。
1年生:進路への意識づけ
  └ 4月:進路ガイダンス(保護者同伴)
  └10月:校内実習(例:パン・クッキー作り、清掃、事務作業など)

2年生:実践的な体験
 5月:校外実習(1週間程度)
  └就労継続支援A型・B型事業所
  └社会福祉施設
  └一般企業など
 └9月:卒業生を囲む会
   ・様々な進路を選択した先輩から体験談を聞く
 └11月:2回目の校外実習(2週間程度)
 └1月:進路個別相談会(生徒、保護者、担任で今後の方針を話し合う)

3年生:進路の決定と準備
 └4月:進路希望調査
 └6月:最終校外実習(2~3週間)
 └9月:進路先の決定
 └10月~3月:決定した進路に向けての準備(※1)
 ※1 決定した進路に向けての準備
    ・就職の場合:職場での注意点、通勤練習
    ・進学の場合:入試対策、学習サポート
    ・福祉サービス利用の場合:利用に向けての手続きサポート

これらの活動を通じて、生徒は自分の適性や興味を知り、現実的進路選択をしていきます。私の経験では、校外実習が特に貴重でした。実際の職場で働く経験は、自分の強みや課題を知る良い機会となりました。

また、卒業生を囲む会では、先輩方の体験談を聞くことで、卒業後の生活をより具体的にイメージできました。「働くとこんなにお金がもらえるんだ」と驚いたのを今でも覚えています。

保護者の皆様へのアドバイスとしては、これらの活動に積極的に参加し、お子さんの様子を観察すると同時に、学校の先生方と密に連携を取ることをおすすめします。学校、家庭、そして本人が協力して決めていくことが大切です。

まとめ

特別支援学校では、生活面で自立することを目的に日々いろんなことにチャレンジしていきます。握力がほとんどなかった同級生がある時から物を握れるようになったり、入学した時には、住所や名前を枠内に収めて書けなかったのに、卒業する時には書けるようになっていて、親御さんを驚かせたクラスメイトもいました。卒業後の進路についても様々な選択肢があり、私は特別支援学校に通ったことで就職できたと思っています。
この記事が進学で迷っている方の参考になればうれしいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!