埼玉西武ライオンズの指名予想【ドラフト会議2020】
いよいよ今年のドラフト会議前日。
ファンの間で行われた仮想ドラフト、ヨソドラでの経験も踏まえ、2020年埼玉西武ライオンズのドラフト展望について書き記したいと思います。
■1.ポジション別戦力状況
○投手
チーム防御率は4.23でリーグ最下位。
BB/9は3.99でリーグ最下位。
K/9は6.60でリーグ最下位。
K/BBは1.65でリーグ最下位。(他5球団は全て2点台)
(10/24時点)
端的に言えば
最も三振が取れず、最も多く四球を出し、最も点を取られる投手陣。
ちなみに2軍はどうなのかというと
チーム防御率は4.61でイースタン最下位。
BB/9は4.05でイースタン5位。
K/9は6.73でイースタン6位。
K/BBは1.66でイースタン最下位。
(10/24時点)
はい。
そんな投手陣ですが、数が足りていないのか?というと、そんなことはないというのが深刻さを物語っています。
育成と外国人も含めて38人。(引退を表明した高橋朋を除いています)
巨人やソフトバンクのように3軍単体での試合運営を行っていないチームとしては、他球団と比較しても十分な人数といっていいでしょう。
【先発】
1軍では高橋光成が台頭。
松本も不安定ながらローテ投手として経験を積み、どうすれば勝てるかというものは掴めたはず。あとはその再現度を上げること、悪い時に抑えるための引き出しを増やせるかどうか。
ルーキーの浜屋が先発左腕として働きを見せており、数年後にはローテの中心になってくれることを期待したい。
本来であれば、さらに突き上げてくる若手投手が出てきて欲しいですが、残念ながら現時点では難しい。
2軍の先発投球回が多い順に並べると
十亀>與座>榎田>本田
となっており、與座以外は中堅ベテランの調整組がイニングをこなしている。
全く先発投手の若手育成が進んでいないといってもいい状態。
しかしながら、来年に向けて明るい材料も。
ようやく2軍で登板機会が増えてきた若手投手達。
渡邉勇、上間、大窪。
この3投手がある程度先発として2軍で経験を積んでくれることに期待したい。
さらに伊藤翔、復帰した多和田もいる。
右腕が非常に多くなってきているため、素材型の右腕は緊急度が低い。
左腕は浜屋しかいないといっても過言ではない。
その左腕最年少である浜屋を除くと、23歳の藤田よりも下の世代で左腕がいない。20代前半以下の左腕は獲得したいところ。
【リリーフ】
守護神増田、平良の本格化、森脇の覚醒、ルーキーらしからぬピッチングを見せる宮川。
田村がビハインド要員ながらショートからロングまで便利屋として活躍。
先発にも回ったりと再び何でも屋となってきた平井。
さらに中塚や國場もアピールできたといっていい。
左腕は実質、小川龍也のみといっていい。
その小川も、年間フル回転できるわけではないことを考えると、リリーフ左腕というところは心許ない。
絶対的守護神・増田のFA問題もある。
外国人投手で補うことも考えられるので、上位でリリーフタイプの指名はなさそう。
先発の可能性も含めて、下位での指名はあるか。
○捕手
森、柘植、岡田で1軍固定。
2軍では牧野を正捕手として起用して育成したい思惑は見える。
中熊は打撃でアピールしているが、一塁起用も多い。
もう一人、牧野と一緒に育てる高卒捕手を獲得したい。
岡田のFA、森のFAも近づいている。
仮に2人ともいなくなった場合、柘植牧野中熊の3人となる。
今のうちに育成する捕手をもう1人は増やしておきたいところ。
○内野手
【一・三】
山川、中村の不振が痛いが、そもそも中村の後釜が不在だ。
これは数年前からの課題でもあり、今年こそは確実に次世代のサードを獲得する必要がある。
それでなくとも22歳以下の右打ち野手が不在で、世代のバランス的にも穴が空いている状態である。
2軍でも、現状サードとして育てる選手がいない。
ドラフトでの優先度は、実は先発投手よりも高い。
【二・遊】
源田依存問題をどうにかしたい。
今シーズン序盤の不振もあるが、何より怪我をしていても無理やり使わざるを得ないという、一番危惧していた事態が今年起きてしまった。
今年、1軍でショートを守った選手は
源田と呉の2人のみ。
まさかの呉である。
永江は呼ばれず、昨オフ源田のバックアップとして獲得したであろう森越にも声が掛かることはなかった。
なんのために森越を獲得したのか。
2軍では次世代ショートとして川野を育成中。
川野より上の世代で、源田のバックアップかつ2軍なら川野とも併用して育てられる選手の獲得を目指したい。
セカンドについては、外崎と山野辺、2軍では綱島といるため今年の指名はなさそうか。
○外野手
飽和気味の左打者に比べ、右打ちがいない。
右で最年少が23歳の愛斗。来季1軍でのチャンスを掴めるかどうか。
それ以下の世代がいないことを考えると、高卒で右の強打者を獲得したい。
西武的には身体能力の高さも条件となってくるか。
ポジション的にはセンターを守れる人材が不足。
鈴木くらいであるため、高卒かつセンターとして育てるのであれば左打ちの指名もあり得るか。ただし優先度は低め。
■2.ドラフトでの指名優先度
①三塁手 (次世代のレギュラー候補)
②先発投手 (1年目から実戦登板できるレベル)
③遊撃手 (源田バックアップ兼代走)
④右打ち外野手 (求む、スラッガー)
⑤リリーフ投手
⑥高卒捕手
■3.西武の指名傾向予想
今年は通常とは違う1年となった。
スカウト活動が制限される中で、思うように全国を飛び回るスカウティングはできなかっただろう。
潮崎ディレクターが言っていたように、「これまでの評価」や「担当スカウトの思い入れ」が強くでる可能性が高い。
渡辺GMは王道を好む印象。
また、大舞台での活躍も基準の一つになっている。
今年でいうと、合同練習会でアピールに成功した選手から1人くらいは指名があるのかもしれない。
■4.オススメ選手
優先度の高い①~③までをピックアップ。
①三塁手
佐藤 輝明 近畿大学 右左
予想順位:1位
元 謙太 中京高校 右右
予想順位:2位~3位
井上 朋也 花咲徳栄高校 右右
予想順位:2位~3位
渡部 健人 桐蔭横浜大学 右右
予想順位:3位
平良 竜哉 九州共立大学 右右
予想順位:3位 (3位以上でなければ社会人という縛りあり)
山村 崇嘉 東海大相模高校 右左
予想順位:3位~4位
②先発投手
栗林 良吏 トヨタ自動車 右右
予想順位:1位
大道 温貴 八戸学院大学 右右
予想順位:外れ1位~2位
入江 大生 明治大学 右右
予想順位:外れ1位
鈴木 昭汰 法政大学 左左
予想順位:外れ1位~2位
中森 俊介 明石商業高校 右右
予想順位:2位
高田 琢登 静岡商業高校 左左
予想順位:2位~3位
森井 絃斗 セガサミー 右右
予想順位:3位
石井 大智 高知ファイティングドッグス 右右
予想順位:5位
辻垣 高良 学法福島高校 左左
予想順位:5位以下
③遊撃手(源田バックアップ兼代走)
小川 龍成 国学院大学 右左
予想順位:4位
中野 拓夢 三菱自動車岡崎 右左
予想順位:3位
瀬戸西 純 慶応義塾大学 右左
予想順位:4位
諸見里 匠 日本通運 右右
予想順位:5位
■5.番外編(西武が指名しそうな選手)
蔵田 亮太郎 内野手 聖望学園高校 右左
森田 駿哉 投手 Honda鈴鹿 左左
坂巻 拳 投手 三菱自動車岡崎 左左
佐々木 健 投手 NTT東日本 左左
小辻 鷹仁 投手 瀬田工業高校 右右
下 慎之介 投手 健大高崎高校 左左
福島 章太 投手 倉敷工業高校 左左
■6.指名パターン予想
プランA:超級スラッガー確保
1位:佐藤輝明
2位:鈴木昭汰or高田琢登
3位:森井絃斗
4位:小川龍成
5位:辻垣高良or森田駿哉or坂巻拳
育成1位:漁府輝羽or石川慧亮
次世代のサード、そしてスラッガーとして佐藤輝明に特攻するパターン。
佐藤が2年生の時から渡辺GMが視察コメントを出しており、未来のチーム中心選手として指名する可能性は高い。
プランB:一本釣り狙い
1位:栗林良吏
2位:元謙太or井上朋也
3位:高田琢登
4位:小川龍成
5位:森田駿哉or坂巻拳
育成1位:漁府輝羽or石川慧亮
栗林は大学時代から渡辺GMが評価していた投手。
当時から追っているのは間違いなく、今年No1即戦力といっていい投手にまで成長した栗林を指名する可能性も十分に残っていそう。
プランC:競合し外れた時
1位:鈴木昭汰
2位:元謙太or井上朋也
3位:森井絃斗
4位:小川龍成
5位:森田駿哉or坂巻拳
育成1位:漁府輝羽or石川慧亮
競合確実な佐藤輝明を指名し抽選で外れた場合。
市場と西武の指名ポイントを見ても、おそらく1位は投手に切り替えるだろう。
その中で、左腕として高い評価をしているであろう鈴木昭汰を指名。
他には、地元埼玉県出身で強いパイプも持っているであろう八戸学院大学の大道温貴も可能性があるのではないか。
共通して、残っていれば指名そうな捕手は
二俣 翔一 磐田東高校
藤田 青空 弘前東高校
■おわりに
以上、長々と書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。
ここで上げきれてない選手もたくさんいますので、正直実際にだれが指名されるかわかりません。
指名したいポイント(ポジション)がどの程度当たっているか、答え合わせしてみたい。
渡辺GMが「自信は毎年持っています」と語ったように、ライオンズの戦力の基幹となっているのはほぼ全てがこのドラフト会議といってもいい。
どんな選手が指名されるのか、10/26(月)のドラフト会議を楽しみにしたいと思う。